174 / 213
大人リィ
172
しおりを挟む
「よっと…きゃ!!」
私は転送された先の足場が不安定だったため転んだ。
「痛た…で?私に何のよう?」
私はすぐに魔法の補助をかけ立ち上がった。
「この奴隷がリィ王妃様のイヤリングを盗んだんですよ。」
衛兵は奴隷の少女を掴んでいた。
「何をしているの。離しなさい。」
「いやでも…こいつは大罪人で…」
「いいから離しなさい!!」
私が叫ぶと衛兵はすぐに手を離した。
私は奴隷の少女を支えた。
「大丈夫?何もされなかった?」
「王妃様…」
奴隷の少女は私に抱きつかれ泣いた。
「で?誰が何を盗んだって?」
「いや…そいつが王妃様のイヤリングを…」
「私盗まれてなんかないけど?私があげたのよ?」
「…宝石を使った10万シュルクもするイヤリングですか!?」
「そうだけど…悪い?この子のためになる物なのよ。返してあげなさい。」
私がそう言うと衛兵は少女にイヤリングを返した。
「…そうそう騒ぎになっちゃったわね。こんな高価な物…渡さない方が良かった?」
「いえ…とんでもないです。」
「…あなた名前は?」
「ないです…奴隷なので…番号で呼ばれてるんです。」
少女はそう言って首に付けられた番号札を見せた。
「…人間は道具じゃないのに…」
私はその番号札が付いた首輪を外した。
「あなたにこんなものは必要ないわ。ルナ。」
「え?」
「ルナ。あなたの名前はルナよ。私の友達の名前として使っていたのだけれど…あなたの方がその名前が似合うわ。月のような美しい瞳をしているもの。」
「ありがとうございます…」
ルナはまた泣き出した。
「…可愛い。…ねぇこの子売ってくれない?」
私はルナの主人の男に言った。
「売れるわけないですよ。こいつは俺の物ですから。」
「1億シュルク出すわ。この子の買取額の100倍くらいじゃない?これなら文句ないでしょ?」
私がそう言うとその男はすぐに了承した。
「ルナ。行きましょう。」
私はルナと手を繋ぎ転送した。
「…ふぅ…」
私は転送してすぐ倒れた。
「王妃様!!」
ルナとたくさんのメイドが私を呼んでいる。
声も聞こえる。
目も見える。
だけど体を動かせない。
魔力切れするには早すぎるはずなのに…
「(あぁ…そんな悲しい瞳しないで…)」
私は頑張って右腕だけを動かしルナの頬に触った。
そして私は微笑んだ。
その後…私は完全に動けなくなった。
動かせるのが瞼ぐらい。
息をするのも辛い。
口が開かないため鼻で息をするしかない。
「(…皆…)」
メイド達は慌ててレオンを呼びに行く。
ルナは私の横で泣いている。
私はそんな光景を見ていることしか出来なかった。
私は転送された先の足場が不安定だったため転んだ。
「痛た…で?私に何のよう?」
私はすぐに魔法の補助をかけ立ち上がった。
「この奴隷がリィ王妃様のイヤリングを盗んだんですよ。」
衛兵は奴隷の少女を掴んでいた。
「何をしているの。離しなさい。」
「いやでも…こいつは大罪人で…」
「いいから離しなさい!!」
私が叫ぶと衛兵はすぐに手を離した。
私は奴隷の少女を支えた。
「大丈夫?何もされなかった?」
「王妃様…」
奴隷の少女は私に抱きつかれ泣いた。
「で?誰が何を盗んだって?」
「いや…そいつが王妃様のイヤリングを…」
「私盗まれてなんかないけど?私があげたのよ?」
「…宝石を使った10万シュルクもするイヤリングですか!?」
「そうだけど…悪い?この子のためになる物なのよ。返してあげなさい。」
私がそう言うと衛兵は少女にイヤリングを返した。
「…そうそう騒ぎになっちゃったわね。こんな高価な物…渡さない方が良かった?」
「いえ…とんでもないです。」
「…あなた名前は?」
「ないです…奴隷なので…番号で呼ばれてるんです。」
少女はそう言って首に付けられた番号札を見せた。
「…人間は道具じゃないのに…」
私はその番号札が付いた首輪を外した。
「あなたにこんなものは必要ないわ。ルナ。」
「え?」
「ルナ。あなたの名前はルナよ。私の友達の名前として使っていたのだけれど…あなたの方がその名前が似合うわ。月のような美しい瞳をしているもの。」
「ありがとうございます…」
ルナはまた泣き出した。
「…可愛い。…ねぇこの子売ってくれない?」
私はルナの主人の男に言った。
「売れるわけないですよ。こいつは俺の物ですから。」
「1億シュルク出すわ。この子の買取額の100倍くらいじゃない?これなら文句ないでしょ?」
私がそう言うとその男はすぐに了承した。
「ルナ。行きましょう。」
私はルナと手を繋ぎ転送した。
「…ふぅ…」
私は転送してすぐ倒れた。
「王妃様!!」
ルナとたくさんのメイドが私を呼んでいる。
声も聞こえる。
目も見える。
だけど体を動かせない。
魔力切れするには早すぎるはずなのに…
「(あぁ…そんな悲しい瞳しないで…)」
私は頑張って右腕だけを動かしルナの頬に触った。
そして私は微笑んだ。
その後…私は完全に動けなくなった。
動かせるのが瞼ぐらい。
息をするのも辛い。
口が開かないため鼻で息をするしかない。
「(…皆…)」
メイド達は慌ててレオンを呼びに行く。
ルナは私の横で泣いている。
私はそんな光景を見ていることしか出来なかった。
0
お気に入りに追加
151
あなたにおすすめの小説
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【完結】王女様の暇つぶしに私を巻き込まないでください
むとうみつき
ファンタジー
暇を持て余した王女殿下が、自らの婚約者候補達にゲームの提案。
「勉強しか興味のない、あのガリ勉女を恋に落としなさい!」
それって私のことだよね?!
そんな王女様の話しをうっかり聞いてしまっていた、ガリ勉女シェリル。
でもシェリルには必死で勉強する理由があって…。
長編です。
よろしくお願いします。
カクヨムにも投稿しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる