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大人リィ
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「…くぁぁ。」
私が目覚めたのはまだ夜中だった。
「…出よ。」
私は車椅子に座り魔法で動かした。
「この国も…変わったのかな…」
私は門番がいたため車椅子を置いて飛んだ。
そして軽々と塀を超えた。
「ふぅ…こっちの方が楽…」
私は塀の外に立った。
「きゃ…」
でもやっぱりすぐに座り込んだ。
「…魔法使わないと歩けないのか…」
私は風魔法を使いながら街を見て歩いた。
夜中のため人は誰もいない。
「…奴隷…こんな夜中でもいるんだ…」
店の中では奴隷と思わしき少女達が忙しそうに働いていた。
「よし。手伝おう。レオンとの約束やぶっちゃうけど…」
私は近くの店に入った。
「あの…まだ開店時間じゃなくて…」
「知っているわ。この店の開店時間は朝5時。もうすぐ夜が開けるわ。間に合わないんじゃない?だから…手伝ってあげるわ。」
「いえ…貴族様にそのようなことなどとんでもない…」
どうやら私は貴族と思われているようだ。
「…え?私のこと知らない?」
「存じ上げません。」
「隣の国の王妃リィ・ウル・ウィール・サンライトです。以後お見知りおきを…」
「王妃様!?失礼いたしました!!」
奴隷の少女は床にひれ伏した。
「…頭をあげて。主人に怒られちゃうんじゃない?」
私はそれからたくさんの魔法を駆使して手伝った。
すると仕事はものの数分で終わった。
「ありがとうございます!!」
「いいわ。お礼なんて。あなたも大切な国民の1人ですからね。そうだこれあげるわ。たくさん持っているからいらないの。誰にも取られてはいけないわよ?もし取られたらウィール国王妃に貰ったと言いなさい。信じてもらえないようだったら願いなさい。すぐに駆けつけてあげるわ。」
私はそう言って耳に付けていたイヤリングを片耳だけ取って奴隷の少女に付けた。
「じゃあ私は行くわね。」
「王妃様…」
私は少女に見送られて店を出た。
もう夜は明けていた。
「…そろそろ戻るか…」
私は店の目の前で足に力を込め思いっきり飛んだ。
すると一瞬で城まで飛ぶことが出来た。
「…レオンにバレてないといいけど…」
「バレてるぞ。リィを迎えに来たんだがいないんだから…」
「ぴぃ!!」
私はレオンに捕まった。
「それで?何してたんだ?こんな朝早くに…」
「…街行ってたの。」
「車椅子も使わずにか?」
「…」
「絶対なんかやっただろ。せっかくあげたイヤリングも片方無いし…どこで落とした?」
「言わない。」
私はそっぽを向いた。
「元々聞く気はない。どうせ話さないだろうからな。」
「…帰ろ?疲れた…」
「はぁ…仕方ないか。」
レオンは私を車椅子に乗せ城にいたメイド達も連れてウィール国へ帰った。
私が目覚めたのはまだ夜中だった。
「…出よ。」
私は車椅子に座り魔法で動かした。
「この国も…変わったのかな…」
私は門番がいたため車椅子を置いて飛んだ。
そして軽々と塀を超えた。
「ふぅ…こっちの方が楽…」
私は塀の外に立った。
「きゃ…」
でもやっぱりすぐに座り込んだ。
「…魔法使わないと歩けないのか…」
私は風魔法を使いながら街を見て歩いた。
夜中のため人は誰もいない。
「…奴隷…こんな夜中でもいるんだ…」
店の中では奴隷と思わしき少女達が忙しそうに働いていた。
「よし。手伝おう。レオンとの約束やぶっちゃうけど…」
私は近くの店に入った。
「あの…まだ開店時間じゃなくて…」
「知っているわ。この店の開店時間は朝5時。もうすぐ夜が開けるわ。間に合わないんじゃない?だから…手伝ってあげるわ。」
「いえ…貴族様にそのようなことなどとんでもない…」
どうやら私は貴族と思われているようだ。
「…え?私のこと知らない?」
「存じ上げません。」
「隣の国の王妃リィ・ウル・ウィール・サンライトです。以後お見知りおきを…」
「王妃様!?失礼いたしました!!」
奴隷の少女は床にひれ伏した。
「…頭をあげて。主人に怒られちゃうんじゃない?」
私はそれからたくさんの魔法を駆使して手伝った。
すると仕事はものの数分で終わった。
「ありがとうございます!!」
「いいわ。お礼なんて。あなたも大切な国民の1人ですからね。そうだこれあげるわ。たくさん持っているからいらないの。誰にも取られてはいけないわよ?もし取られたらウィール国王妃に貰ったと言いなさい。信じてもらえないようだったら願いなさい。すぐに駆けつけてあげるわ。」
私はそう言って耳に付けていたイヤリングを片耳だけ取って奴隷の少女に付けた。
「じゃあ私は行くわね。」
「王妃様…」
私は少女に見送られて店を出た。
もう夜は明けていた。
「…そろそろ戻るか…」
私は店の目の前で足に力を込め思いっきり飛んだ。
すると一瞬で城まで飛ぶことが出来た。
「…レオンにバレてないといいけど…」
「バレてるぞ。リィを迎えに来たんだがいないんだから…」
「ぴぃ!!」
私はレオンに捕まった。
「それで?何してたんだ?こんな朝早くに…」
「…街行ってたの。」
「車椅子も使わずにか?」
「…」
「絶対なんかやっただろ。せっかくあげたイヤリングも片方無いし…どこで落とした?」
「言わない。」
私はそっぽを向いた。
「元々聞く気はない。どうせ話さないだろうからな。」
「…帰ろ?疲れた…」
「はぁ…仕方ないか。」
レオンは私を車椅子に乗せ城にいたメイド達も連れてウィール国へ帰った。
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