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「…ふぁぁ。」
「起きたか?」
「シン様…!?」
「どうして俺がここにいるのかって言いたいんだろ。リィが離してくれなかったんだよ。」
私はシン様の袖を掴んだまま眠っていたようだ。
「!?」
「やっと状況の整理が終わったか…リィ。何かいるもんとかあればそこのメイドに言えよ。すぐに用意してやる。」
そう言ってシン様は部屋の隅を指さした。
そこには2人のメイドがいた。
「お嬢様。メイドのカーラです。」
「同じくメイドのアイリです。」
「…よろしくね?」
「いや何で疑問形なんだよw」
シン様はそう笑った。
「シン様。ありがとうございます。でも今まで私を迎えに来てくれなかったのは私の家が…お金が無くなったからですか?あのお見合いに来ていた人達は皆私を見ていませんでした。私の相続するであろうお金に目をつけていました。シン様もそうですか?」
「…まぁ本音を言えばそうだな。カーニバル家の遺産全てを相続する娘が自分の家に嫁げば家の位も上がるからな。」
シン様は本音を打ち明けてくれた。
「シン様…それは無理ですよ。お父様は私を離す気はありませんでした。シン様を婿養子として貰う気だったと思います。私は誰の物にもならないようにするつもりだったのでしょう。」
「…は?じゃああのお見合いは単に気に入る人を見つけるためだったと?」
「はい。」
「…はぁ。無駄なことをした…あれアピールしなくても良かったのかよ…」
シン様はそう肩を落とした。
「シン様。でも私脱走癖があるので気をつけてくださいね。楽しくないと思うとすぐにお外に遊びに行きますから。」
「…見張りつけるか…それに護衛も何人か…」
シン様はそう言いながら部屋を出て行った。
「カーラ。アイリ。お腹すいたの…何か食べるものない?」
「それでしたら今すぐお食事をご用意します。」
「何かお食べになりたいものはありますか?」
カーラとアイリは私の目線に合わせて言った。
「オムライス!!」
「…庶民の食べるものはダメです。」
「…む~。オムライスが食べたいの!!」
「…カーラ。お嬢様の言う通りにしましょう。」
「はぁ…旦那様には内緒ですよ?」
カーラはため息をつきながらも部屋を出て行った。
「お嬢様。オムライスなどどこでお知りになったのですか?」
「お母様が…食べていたから…メイドが作ってくれたの。メアリーが…」
「そうだったのですね。では思い出の味ですね。」
アイリはそう言いながら私の頭を撫でた。
「アイリって他の人と目の色も髪の色も違うね。」
アイリは黒髪の黒色の瞳だった。
「はい。私は他のメイド達とは出身国が違いますから。」
「私の髪はお母様の銀色。瞳の色はお父様の赤色なの。」
「綺麗ですね。」
「アイリのもね。」
私はアイリと雑談をして楽しんでいた。
「起きたか?」
「シン様…!?」
「どうして俺がここにいるのかって言いたいんだろ。リィが離してくれなかったんだよ。」
私はシン様の袖を掴んだまま眠っていたようだ。
「!?」
「やっと状況の整理が終わったか…リィ。何かいるもんとかあればそこのメイドに言えよ。すぐに用意してやる。」
そう言ってシン様は部屋の隅を指さした。
そこには2人のメイドがいた。
「お嬢様。メイドのカーラです。」
「同じくメイドのアイリです。」
「…よろしくね?」
「いや何で疑問形なんだよw」
シン様はそう笑った。
「シン様。ありがとうございます。でも今まで私を迎えに来てくれなかったのは私の家が…お金が無くなったからですか?あのお見合いに来ていた人達は皆私を見ていませんでした。私の相続するであろうお金に目をつけていました。シン様もそうですか?」
「…まぁ本音を言えばそうだな。カーニバル家の遺産全てを相続する娘が自分の家に嫁げば家の位も上がるからな。」
シン様は本音を打ち明けてくれた。
「シン様…それは無理ですよ。お父様は私を離す気はありませんでした。シン様を婿養子として貰う気だったと思います。私は誰の物にもならないようにするつもりだったのでしょう。」
「…は?じゃああのお見合いは単に気に入る人を見つけるためだったと?」
「はい。」
「…はぁ。無駄なことをした…あれアピールしなくても良かったのかよ…」
シン様はそう肩を落とした。
「シン様。でも私脱走癖があるので気をつけてくださいね。楽しくないと思うとすぐにお外に遊びに行きますから。」
「…見張りつけるか…それに護衛も何人か…」
シン様はそう言いながら部屋を出て行った。
「カーラ。アイリ。お腹すいたの…何か食べるものない?」
「それでしたら今すぐお食事をご用意します。」
「何かお食べになりたいものはありますか?」
カーラとアイリは私の目線に合わせて言った。
「オムライス!!」
「…庶民の食べるものはダメです。」
「…む~。オムライスが食べたいの!!」
「…カーラ。お嬢様の言う通りにしましょう。」
「はぁ…旦那様には内緒ですよ?」
カーラはため息をつきながらも部屋を出て行った。
「お嬢様。オムライスなどどこでお知りになったのですか?」
「お母様が…食べていたから…メイドが作ってくれたの。メアリーが…」
「そうだったのですね。では思い出の味ですね。」
アイリはそう言いながら私の頭を撫でた。
「アイリって他の人と目の色も髪の色も違うね。」
アイリは黒髪の黒色の瞳だった。
「はい。私は他のメイド達とは出身国が違いますから。」
「私の髪はお母様の銀色。瞳の色はお父様の赤色なの。」
「綺麗ですね。」
「アイリのもね。」
私はアイリと雑談をして楽しんでいた。
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