転生しました!!

30

｢お嬢様｡朝ですよ｡起きてください｡｣
｢エミリー…眠たい…起きたくないの…｣
私は布団を頭まで被った。
｢…お熱…ですか？｣
エミリーは私のおでこに手を当てた。
｢…少し熱いですね｡旦那様やお医者様に言ってきますね｡｣
｢ボーッとする…｣
｢…38度…完全なる熱ですね｡この前程の高熱ではないですが…｣
｢リィ…大丈夫か？学校で何かあったか？｣
｢…何でもないから…寝かせて…｣
私は布団を被って眠ろうとした｡
｢…眠れない｡｣
その理由は何となく分かった。
｢…何で要がいるの…よ｡｣
｢リィ様が熱を出したと聞いて…学校に届け出を出さないといけませんから｡｣
要はテキパキと動いた。
｢…出てって…要は学校の執事でしょ？ここはお家…ここには執事はたくさんいるの｡｣
私は布団にくるまり要が出ていくのを待った｡
｢…ルナ様もお待ちしていますよ｡｣
要はそう言って部屋を出て行った｡
｢…ルナ…カイル…｣
私は学校で出会った人のことを思い出しながら熱にうなされていた｡
｢…はぁ…はぁ…暑いよぉ…苦しいよぉ…｣
私は本格的に熱が出てきたらしく顔も赤く息も荒くなった｡
｢リィ様…お水入りますか？｣
エミリーはコップにストローをさし私に水を飲ませた｡
｢エミリー…ありがとう…｣
｢私はずっとついていますから何かあったら呼んでくださいね｡｣
エミリーは冷たい水で絞った布を私のおでこに乗せた｡
｢冷たい…｣
私は微笑んだ｡
｢おやすみなさいませ｡｣
エミリーはそれから私が眠るまでずっとついていてくれたようだ｡