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本編
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けぷっ
お腹いっぱい…
「ティア。さっきから気になってたんだけどその背中のリュックは何?」
「あ。これ?私のカバンだよ?」
「それは分かるけど…なんで今持ってるの?」
私は首を傾げた。
「私治癒師になるの」
「…まさかこれから出ていくとか言わないよね?」
「そのつもりだよ?」
「「「早すぎ(だ/だわ)!!」」」
…そんなに?
「私が10歳だから?大丈夫。自分のことは自分で出来るよ。まだお料理は心配だけど…」
「いや心配してるのはそこじゃなくて…ティア。君はまだ子供なんだ」
「悩んだら行動すべし!!」
「その行動が早すぎるの。もう少し待てないの?せめて成人するまで」
「ん~」
…待っていいの?
スミタは?
ーーなるべく早く…お願い
「無理!!ウィルスがそう言ってる!!」
「「「ウィルス?」」」
「ウィルス神!!女神様なんだよ~」
「…待て。ティア…ウィルス神様がそう仰っているのか?」
「うん!!スミタってところに行ってほしいって!!」
私は手を両手をあげた。
するとお父様はため息をついた。
「神託だ…寂しいが送り出すしかないな」
「そんな…!!何かの間違いよ!!」
「ティアが神託を受けるなんて…」
「皆どうしたの?」
ーー私がお願いしたから皆うなだれているのよ
どうして?
ーーティアラリースはまだ10歳でしょう?普通神託を受け取れるのは神の声を聞ける者。それもほとんどが成人してるのよ
じゃあなんで私に話しかけられるの?
ーーあら。覚えていないの?あなたが死んだ後転生する前に私に合っているはずよ?
覚えてないっ!!
ーー…そうね。あの部屋を出たら忘れてしまうものね
「ティアラリース!!頑張りますっ!!」
「…あぁ。ティア。これを持っていきなさい」
お父様はあの小さな箱を手渡した。
「これは魔術籠だ。父様も母様もネイサンも持っているから寂しくなったら連絡しなさい」
「どうやるの?」
「話したい人を思い浮かべるんだ」
う~む
お兄様でいっか
私は頭の中にお兄様を思い浮かべた。
『ティア。聞こえる?』
「お兄様の声っ!!」
「ティア。この箱の使い方は分かったか?」
「うん!!」
「向こうの街についたら連絡するんだぞ」
「父様でも母様でも兄様でもいいからね」
「…寂しいけれど…お別れしなくちゃいけないのよね」
「行ってくるね!!」
私は号泣している料理長から1週間分の保存食と今日の分のお弁当、水筒を渡された。
「重い…」
リュックにしまわないと…
私はリュックに全部入れた。
水筒は紐を付けてもらって首からかけた。
「行ってきます!!」
「「「行ってらっしゃい」」」
「私お嬢様についていきます!!」
うちで1番若いメイドのマナがそう言った。
マナは私よりも年上で今年で15のはず…
「マナ。いいの?」
「いいんです!!旦那様。お暇をいただいてもよろしいですか!?」
「いや。こちらからもお願いだ。ティアをよろしく。その代わりマナの分の賃金を送る」
「かしこまりました!!…あの賃金は私の出身の孤児院に送ってください。私は1割程度で構いませんから」
「マナは私が養う!!」
「「「ティアが?」」」
「出来るもん!!」
…治癒師になれればだけど
治癒魔法はもう完璧だし大丈夫なはず!!
…スミタに行きながら魔力をねっておかなきゃ…
使い切って回復してってすれば増えるし!!
お腹いっぱい…
「ティア。さっきから気になってたんだけどその背中のリュックは何?」
「あ。これ?私のカバンだよ?」
「それは分かるけど…なんで今持ってるの?」
私は首を傾げた。
「私治癒師になるの」
「…まさかこれから出ていくとか言わないよね?」
「そのつもりだよ?」
「「「早すぎ(だ/だわ)!!」」」
…そんなに?
「私が10歳だから?大丈夫。自分のことは自分で出来るよ。まだお料理は心配だけど…」
「いや心配してるのはそこじゃなくて…ティア。君はまだ子供なんだ」
「悩んだら行動すべし!!」
「その行動が早すぎるの。もう少し待てないの?せめて成人するまで」
「ん~」
…待っていいの?
スミタは?
ーーなるべく早く…お願い
「無理!!ウィルスがそう言ってる!!」
「「「ウィルス?」」」
「ウィルス神!!女神様なんだよ~」
「…待て。ティア…ウィルス神様がそう仰っているのか?」
「うん!!スミタってところに行ってほしいって!!」
私は手を両手をあげた。
するとお父様はため息をついた。
「神託だ…寂しいが送り出すしかないな」
「そんな…!!何かの間違いよ!!」
「ティアが神託を受けるなんて…」
「皆どうしたの?」
ーー私がお願いしたから皆うなだれているのよ
どうして?
ーーティアラリースはまだ10歳でしょう?普通神託を受け取れるのは神の声を聞ける者。それもほとんどが成人してるのよ
じゃあなんで私に話しかけられるの?
ーーあら。覚えていないの?あなたが死んだ後転生する前に私に合っているはずよ?
覚えてないっ!!
ーー…そうね。あの部屋を出たら忘れてしまうものね
「ティアラリース!!頑張りますっ!!」
「…あぁ。ティア。これを持っていきなさい」
お父様はあの小さな箱を手渡した。
「これは魔術籠だ。父様も母様もネイサンも持っているから寂しくなったら連絡しなさい」
「どうやるの?」
「話したい人を思い浮かべるんだ」
う~む
お兄様でいっか
私は頭の中にお兄様を思い浮かべた。
『ティア。聞こえる?』
「お兄様の声っ!!」
「ティア。この箱の使い方は分かったか?」
「うん!!」
「向こうの街についたら連絡するんだぞ」
「父様でも母様でも兄様でもいいからね」
「…寂しいけれど…お別れしなくちゃいけないのよね」
「行ってくるね!!」
私は号泣している料理長から1週間分の保存食と今日の分のお弁当、水筒を渡された。
「重い…」
リュックにしまわないと…
私はリュックに全部入れた。
水筒は紐を付けてもらって首からかけた。
「行ってきます!!」
「「「行ってらっしゃい」」」
「私お嬢様についていきます!!」
うちで1番若いメイドのマナがそう言った。
マナは私よりも年上で今年で15のはず…
「マナ。いいの?」
「いいんです!!旦那様。お暇をいただいてもよろしいですか!?」
「いや。こちらからもお願いだ。ティアをよろしく。その代わりマナの分の賃金を送る」
「かしこまりました!!…あの賃金は私の出身の孤児院に送ってください。私は1割程度で構いませんから」
「マナは私が養う!!」
「「「ティアが?」」」
「出来るもん!!」
…治癒師になれればだけど
治癒魔法はもう完璧だし大丈夫なはず!!
…スミタに行きながら魔力をねっておかなきゃ…
使い切って回復してってすれば増えるし!!
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