へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します

如月花恋

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本編

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さてどうしましょうか
私はドレスの下にダラダラと汗をかいていた。
理由は簡単
…婚約者指名が行われるからだ
どれだけ手紙を送っても返事が来ないことを不思議に思ったのか国王陛下は大胆な手に出た。
3兄弟。
全員がこの夜会で婚約者指名を行う。
そしてその婚約者と最初のダンスを踊るのだ。
…逃げたい
物凄く逃げたい
「ではレオン」
「…俺はシユリス公爵令嬢を」
「次エリック」
「俺はアイリス伯爵令嬢で」
「最後。リュゼ」
…来た!!
私はお母様のドレスをくいっと引っ張った。
「どうしたの?」
そしてテラスを指さした。
「今日はダメよ。あとはリュゼリオ殿下だけなのだから我慢しなさい」
やだぁ!!
私やだぁ!!
「僕はティア…ティアラリース侯爵令嬢を指名します」
来たぁぁぁ!!
「指名された令嬢は前へ」
嫌だ嫌だ嫌だ!!
行きたくない!!
私はお母様に背中を押されて無理矢理前に出された。
嫌だってば!!
「ではレオン、エリック、リュゼ。指名した令嬢の手を取りダンスを申し込みなさい」
「「「はい。父上」」」
ぎゃぁぁぁ!!
私は最後まで逃げようとしていた。
だが後ろにいるお母様がそれを許さなかった。
結局私はお母様のドレスにぎゅっと抱きついていることしか出来なかった。
「ティア。手を。僕とダンスを踊ろう?大丈夫。またリードするよ」
嫌だぁ!!
「ティア。行くのよ」
お母様は私をリュゼリオ殿下の方へ向かせた。
うぅ…覚悟決めるしかないか
「お断りします」
私はついに声を出した。
だって…そうじゃないと断れないんだもん
それにしても私…こんな声だっけ?
私の声は鈴を転がしたような小さくか細い。
けれどよく通る声だった。
「ティア…声が…」
「殿下。私は治癒師になりたいのです。私のように声を出せなくて困っている人もいるでしょう。私はそういう方を助けたいのです。ですから私は殿下の手をとることは出来ません」
「…ふふ。あはは!!」
リュゼリオ殿下は急に笑い出した。
「あ~面白い。そうやって逃げるのかぁ…さすがに夢までは諦めろとは言えないもんね。強制的に僕の花嫁にしてもティアは子をなすこともなく逃げそうだし」
「…」
何も言えない
「じゃあ僕王族をやめるよ」
「え!?」
「「「は!?」」」
兄弟、それに国王陛下も声を上げた。
「…だって王位は兄上が次ぐし別に僕いらないでしょ?ならティアといたい」
「いや…リュゼ。待て。そんな簡単に出来るはずがないだろう」
「…じゃあ僕が犯罪を犯したら?今ここでティアに酷いことしたら?」
「…お前狂ってんじゃねぇの?」
「冗談。ティアが悲しむからしないよ。だからティア。戻っておいで」
嫌だ…絶対戻りたくない
実はレオン殿下が出てきたあたりからお兄様にひっついていたのだ。
「ティア。呼ばれてるよ」
「やだ。行かない」
「…ティアの声を聞けて嬉しいけど…そのきっかけが殿下との婚約を断るためってのがなぁ」
だって!!
イヤイヤってしても伝わらないでしょ!?
「嫌!!ティアは治癒師になるの!!」
「だから僕もついて行くって言ってるのに…」
「リュゼリオ殿下はついてこなくていいの!!1人で行くの!!」
「つれないなぁ」
ツンデレじゃないから!!
ツンツンだから!!
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