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本編
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「君の名前を教えてくれるかな?可愛らしいご令嬢」
…可愛らしいなら恋愛対象じゃないな
よし
恋愛対象として見て褒め称えるなら『美しいご令嬢』だもんね
私は結婚する気ないし
…その為に魔法の腕をあげておいたんだ
お母様達には内緒だけど
飛行魔法、転移魔法、治癒魔法は得意だから治癒師ぐらいにはなれるでしょ?
リュゼリオ殿下は私の横に並んだ。
「…教えてくれないの?」
…声を出すわけにはいかないからね
私はにこっと笑って庭におりた。
「庭園に行くの?…ついて行ってもいいかな」
…え?
まくつもりでおりたんだけど
私は少し走った。
そして垣根の影に入ってから飛行魔法で空に飛んだ。
リュゼリオ殿下は垣根のところをキョロキョロしていた。
…まけたか
私はそのままテラスにおりお兄様達のところへ戻った。
本当にテラスの前にいたお兄様に後ろから抱きついた。
「おかえり。…その上着は?」
「あぁ。これリュゼのだな。リュゼに会ったのか?」
「リュゼ?レオンの弟?確か第3王子だったよね?」
「あぁ。だけどなかなか人前に出なくてな。令嬢達のあの視線が嫌なそうだ。今回も開始早々逃げられたぞ」
「…あれは僕も嫌だな」
「僕も。ティアがそんなふうにならないことを祈るよ」
…ねぇ
お兄様?
この上着ってどうすればいいの?
私は上着を脱いでお兄様に渡した。
そして首をこてんと倒した。
「ん?これをどうしたらいいのって?」
頷いた。
「…洗って兄様から返しておくよ」
「ネイサンがリュゼに会えるか?」
「…レオンに渡せばいいでしょ」
「そうだな。といっても俺もほとんどリュゼには会ってないが」
…おいおい
兄弟だろ
その時向こうからリュゼリオ殿下がキョロキョロしながらやってきた。
「兄上。このくらいの令嬢を見かけませんでしたか?」
リュゼリオ殿下はこのくらいと言って私くらいの身長を示した。
「なんだ。リュゼ。その令嬢はお前のなんなんだ?」
「いや…その令嬢に僕が王子だってことを明かしたんだけどにこって微笑んで逃げられちゃって…ちょっと気になるなって」
…ん?
王子だって明かされたな
そして逃げたな
…私か?
探しているのは私なのか?
「つまり惚れたのか」
惚れた!?
そんなわけないでしょ!!
だって私好ましいとされる特徴の正反対だよ!?
「…簡単に言うと…うん。頭から離れなくなっちゃった」
「…よかったな。ティアラリース令嬢」
びくっ
やっぱり私!?
私なの!?
「…え?」
私はお兄様の後ろから顔を出した。
「さっきの…ティアラリースっていうんだね。ティアって呼んでもいい?」
「…ティア。リュゼリオ殿下とどこで会ったの?兄様に言いなさい」
なんでお兄様怒ってるの!?
私怒られるようなことしちゃったの!?
私はポロポロと涙を流した。
「…ごめんね。兄様…怖かったね。大丈夫大丈夫。もう怒ってないよ」
お兄様は私を抱きしめた。
怒ってるお兄様は嫌い…
…可愛らしいなら恋愛対象じゃないな
よし
恋愛対象として見て褒め称えるなら『美しいご令嬢』だもんね
私は結婚する気ないし
…その為に魔法の腕をあげておいたんだ
お母様達には内緒だけど
飛行魔法、転移魔法、治癒魔法は得意だから治癒師ぐらいにはなれるでしょ?
リュゼリオ殿下は私の横に並んだ。
「…教えてくれないの?」
…声を出すわけにはいかないからね
私はにこっと笑って庭におりた。
「庭園に行くの?…ついて行ってもいいかな」
…え?
まくつもりでおりたんだけど
私は少し走った。
そして垣根の影に入ってから飛行魔法で空に飛んだ。
リュゼリオ殿下は垣根のところをキョロキョロしていた。
…まけたか
私はそのままテラスにおりお兄様達のところへ戻った。
本当にテラスの前にいたお兄様に後ろから抱きついた。
「おかえり。…その上着は?」
「あぁ。これリュゼのだな。リュゼに会ったのか?」
「リュゼ?レオンの弟?確か第3王子だったよね?」
「あぁ。だけどなかなか人前に出なくてな。令嬢達のあの視線が嫌なそうだ。今回も開始早々逃げられたぞ」
「…あれは僕も嫌だな」
「僕も。ティアがそんなふうにならないことを祈るよ」
…ねぇ
お兄様?
この上着ってどうすればいいの?
私は上着を脱いでお兄様に渡した。
そして首をこてんと倒した。
「ん?これをどうしたらいいのって?」
頷いた。
「…洗って兄様から返しておくよ」
「ネイサンがリュゼに会えるか?」
「…レオンに渡せばいいでしょ」
「そうだな。といっても俺もほとんどリュゼには会ってないが」
…おいおい
兄弟だろ
その時向こうからリュゼリオ殿下がキョロキョロしながらやってきた。
「兄上。このくらいの令嬢を見かけませんでしたか?」
リュゼリオ殿下はこのくらいと言って私くらいの身長を示した。
「なんだ。リュゼ。その令嬢はお前のなんなんだ?」
「いや…その令嬢に僕が王子だってことを明かしたんだけどにこって微笑んで逃げられちゃって…ちょっと気になるなって」
…ん?
王子だって明かされたな
そして逃げたな
…私か?
探しているのは私なのか?
「つまり惚れたのか」
惚れた!?
そんなわけないでしょ!!
だって私好ましいとされる特徴の正反対だよ!?
「…簡単に言うと…うん。頭から離れなくなっちゃった」
「…よかったな。ティアラリース令嬢」
びくっ
やっぱり私!?
私なの!?
「…え?」
私はお兄様の後ろから顔を出した。
「さっきの…ティアラリースっていうんだね。ティアって呼んでもいい?」
「…ティア。リュゼリオ殿下とどこで会ったの?兄様に言いなさい」
なんでお兄様怒ってるの!?
私怒られるようなことしちゃったの!?
私はポロポロと涙を流した。
「…ごめんね。兄様…怖かったね。大丈夫大丈夫。もう怒ってないよ」
お兄様は私を抱きしめた。
怒ってるお兄様は嫌い…
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