へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します

如月花恋

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本編

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さぁ
驚きの事実を知りました
この世界では女性はつり目で体力があって何か武器を扱えるのが好ましいそうです
…私?
どちらかと言うとタレ目で体力はなくて武器なんて触ったこともありませんが何か?
1歳児に武器を渡すはずがないとも言えるけど
「ティア~今日はお医者様が来るのよ~じっとしていられるわよね?」
…そうだった
いつまでも話そうとしない私を心配してお母様達はお医者さんを呼んだのだ。
…最近は意味の無い言葉を発することもやめたしね
自分で言ってて何言ってんのか分かんないし恥ずいもん

「失語…症ですの?」
お医者さんは私をそう診断した。
ふっ
これで喋らなくても良くなったぜ
「お嬢様の場合ですと…おそらく治ることはないでしょう」
「そんな…!!」
「なんとかならないのか!?」
お父様はお医者さんに今にも掴みかかりそうだ。
「…治療法はありません。なるべくストレスをためないように静かに生活をさせてあげてください。もしウィルス神がご慈悲を与えてくださるのでしたら奇跡が起きて言葉を発するようになるかもしれません」
「…全ては神次第…か」
「そんなの…嫌よ…ティア…ママと言って」
お母様は私を抱きしめて涙を流した。
「母様…」
そんなお母様をお兄様は優しく慰めていた。
「…父様。ティアは王都には連れて行かずにこのまま領地で暮らさせてあげたら…?ここなら空気も綺麗だし領民だってティアを蔑んだりはしないよ」
「そう…だな。だが学園はどうする。夜会は?」
「そういう時だけ連れていくしかないよ。王都に連れていくとしてもここと同じ暮らしを出来るようにしてあげよう?ね?母様も」
「えぇ…そうね…でも…私ティアと離れたくないわ…シュウ。私も領地に残るわ。ティアのお世話を誰かに任せっきりは嫌なの」
…お母様?
なんか物凄い大事になってる気がするけど…
ただの赤子のわがままですよ?
「…そうか…」
ほら
お父様が落ち込んだ
こういう家ってさ
結構夫が妻を溺愛していることが多いんだよね
「ちゃんと1ヶ月に1度は行きますわよ。夜会は外せませんもの。ティアも連れていきますわ」
しかも私連れていくこと決定っすか
「…誰か他の女を連れ込んでいたら許しませんわよ。ネイサン。あなたが私に報告してちょうだい」
「分かったよ。父様に限ってそれはないと思うけど…」
「いいえ!!この人ったら私と婚約している時に別の女をベッドに連れ込んでいたのよ!?」
「それは誤解だって話したじゃないか!!夜這いされたんだよ!!」
「婚約者がいる相手に夜這いする人なんてやましい気持ちを抱いているに決まってるじゃない!!なんで気配を読めないのよ!!」
「酒飲んで寝てたんだよ!!んな無茶なことを言うな!!」
「元騎士でしょう!?自分の身の回りの気配ぐらい感じなさいよ!!」
「ちょ…ちょっと…父様も母様も落ち着いて…」
「「ネイサンは黙っていろ!!/黙ってなさい!!」」
…えと
お兄様どんまい
私はお兄様の頭を撫でた。
「ティア…慰めてるの?」
…よしよし
大丈夫だよ~
…ただの夫婦喧嘩だろうし
収める方法知ってるからね~
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