へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します

如月花恋

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その時、何気なく上を見上げてみると空が光った気がした。
「…光る?…光るはずなんてないのに」
するとまた光った。
…私は…この光を…知っている…
これは…
「っ!!」
私はすぐに抱き上げてくれていた人の腕の中から出て地面に着地した。
それと同時に頭の中でパンっと何かが弾けてたくさんの映像が駆け巡った。
神々の争いラグナロク…!!」
私を探してきたんだ
と…あいつが
「…させる…もんですか!!」
私は地面を強く蹴って屋根の上に乗った。
「ティア!!」
「リース!!」
…ごめん
それ…どっちとも私の名前じゃないから
「お父様!!シュワルツ!!説明は後で!!」
私はさらに足に力を込めると空中に飛び出した。
「神器プロウィット!!」
私が叫ぶと遠くから2つの光がこちらへ向かってきて…2つの光はやがて双対の剣となり私の前に止まった。
「…私のプロウィット…あなたを手に取れば私は完全に忘却の女神として…また神の仲間入りを果たす…」
「リディル!!」
お姉様が私の目の前に現れると私を抱きしめた。
「…お姉様。ごめんなさい」
「いいのよ…思い出したのね…」
「…お姉様…私は…神に戻るべき?」
「…リディルの好きになさい」
私の好きに…
私は下を向いた。
下にはたくさんの人々…お父様やお母様、お兄様にシュワルツ…それに殿下もいた。
「私は…この国を…守りたい。あいつの好きになんてさせるものか!!」
私は手を伸ばしてプロウィットを手に取った。
「形状変更!!プロウィット!!」
そしてすぐに空に放ると2本の剣は重なり、少女の姿になった。
「…長らく待たせちゃった…ごめんね。プロウィット」
『…リディルのための剣が私。リディルが戻ってきてくれるなら他は何も関係ない』
「ありがとう」
私はプロウィットと手を繋いだ。
…私を追ってくる者
それは…
「やっと見つけた。人に成り代わるなんて技を磨いたね?リディル」
私達を作った創造主
…私に求婚してくる人(?)でもある
「気安く名前を呼ばないで。変態」
「酷いなぁ…これでもリディルよりも力を持つ神なんだよ?」
「創造神なだけでしょ。…私に神の戒めを課した張本人でもあるし」
私はプロウィットと繋いだ手と反対側の手をそいつに向けた。
「…求婚するならラグナロクを起こすんじゃなくて普通に話してくれない?」
こいつ…ずっとつきまとってくるんだよね
…正確に言うと…私が生まれて700年ぐらいした時から?
「じゃあ神婚しよう?」
「嫌だ。絶対に。あなたと結婚するぐらいなら死ぬ」
死ぬ
死ねないけど死ぬ
「結局意味無いじゃないか…」
…当然
心の底からご遠慮します
さぁ皆さんご一緒に
満面の笑顔で
「お帰り下さいませっ!!」
私はプロウィットを剣の形に戻し、そいつに飛ばすと同時に自らの魔力をプロウィットに乗せた。
「おっと」
…避けられたけど
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