ちゃんと正規のルートを進んでくれませんかね！？ちょっと！？そこ!!外れないで!!

本編

46

ある日…
私は固まっていた｡
目の前の人のせいで
｢…シア｣
｢パパ…え？お仕事は…？｣
｢…会いたかったよ｣
パパは静かに私を抱きしめた｡
｢やめてっ!!せっかく作ったのに無駄になる!!｣
今料理持ってるんだから!!
私はパパから離れるとお客さんの元に料理を置いた｡
…はぁ
これだけはやりたくなかったけど…
なんでやらないかっていうと…
｢皆様!!ご迷惑をおかけしてすみません｡飲み物とデザートサービスいたしますので今からのことは口外しないでくださいね～言ったら私の炎が火をふくぞっ!!｣
儲からないから!!
｢シア｡元々炎は火をふいてるのよ｣
｢じゃあ…水!!｣
｢属性的に無理よ｣
…ぐぬぬ
｢とにかく酷い目に合わすんだから!!｣
｢｢｢｢｢諦めたんかい!!｣｣｣｣｣
私に言い換えは難しかった…
｢…シア？｣
｢あ｡パパは向こう座ってて｡紅茶でいいよね？｣
｢ん？うん｣
｢ニール～紅茶～｣
｢シア｡それぐらい私がやるわ｣
｢え…タマが？出来るの？｣
｢失礼ね｡今日のまかないあなたのおかず取るわよ｣
｢ふぇ！？それは勘弁して～!!｣
タマは不敵な笑みを浮かべるとカウンターの方に行ってしまった｡
ねぇ…？
取らないよね？
今日はトンカツにしようと考えてたんだよ？
やめてよ？
｢はっ!!私キッチンに戻らなきゃ!!パパ!!話はまたあとね!!｣
｢分かった｡じゃあここで見てるよ｣
私はキッチンに戻り作ってあった料理をお客さんのところに運んだ｡
｢なぁシアちゃん？｣
｢ん？｣
｢あのお方って侯爵様だよな？侯爵様のことをパパって呼ぶシアちゃんは一体…｣
｢そのままの意味だよ♪｣
私は唇に人差し指を当てるとキッチンに戻った｡
｢ニール｡何が出来てる？｣
｢味噌汁とご飯は常備してありますし…今焼き魚作ってます｣
｢焦がさないようにね｡病気の原因になるんだから｣
｢かしこまりました｣
｢じゃあ…｣
私はボードに貼ってある注文表を見た｡
…ん
あとは付け合わせの大根おろしとスイーツがあればいいかな
｢スイーツ～♪｣
今日のスイーツはモンブランとチーズケーキ～♪
｢ケーキセットってことはこっちのミニケーキか｡ん～このミニショートケーキよく出来てる｡ニール腕上げたね～｣
｢そんなことないですよ｡シア様にはまだまだ及びません｣
｢だって年数が違うからね～｣
さてさて～
足りなくなったケーキの補充でもしますかな～