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本編

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「シア。新しいレシピは必要?」
お店が終わったあとのティータイムにタマがそう聞いてきた。
…いることにはいるけど
メニューが増えればそれだけ材料も手間も増える
2人で作ってて…しかも私は子供で
ニールはまだまだ日の浅い素人に近いし…
どれだけ簡単でも…ミスをするかも
「…欲しいには欲しいけど…今の人数じゃ無理」
「そうよね。私はお菓子作りなら少し出来る程度だし…」
「タマはダメ。ダークマターを生み出しかねない」
「やらないわよ!!」
…どうかな
私は泡立てていた生クリームを見つめた。
「この生クリームだってなんとか形になってるだけで味はまだ程遠い。固めるのに時間もかかるし泡立て器じゃ限度がある。調理器具の改良もしなきゃいけないし…」
「やることはいっぱいね」
「あの…シア様。魔道具でしたら僕がやりましょうか?」
「「「「ニールが?」」」」

4人で揃った
「はい。影時代から道具の作成修理は僕の担当でしたので」
「…じゃあ私のナイフも磨いてほしい」
「私のも…」
「…あなた達は何に使う気よ」
「「お嬢様をお守りするために」」
「じゃあ僕も影時代のものを出してきますかね」
「ニールが握る刃物は包丁で」
「…切れ味をよくすればいいんですか?」
「ダメっ!!まな板まで切れたらどうする!!」
「…すみません」
元影なら仕方ないか
いや…仕方ないのか?
「う~ん…日持ちのするクッキーでも作る?それなら私でも出来るわよ?」
「でもクッキーは既にあるよ?あぁ!!ココアクッキー!!」
私は椅子から勢いよく立ち上がった。
この世界にあるのは全てプレーンのクッキーだった
アイシングクッキーだってないみたいだし…
じゃあ動物の形とかに型抜きしたりココアの味とかをつけたのなら売れるかも!!
「タマ!!ココアパウダーって何で作られてる!?」
「…いや…ココアがあるんだからそれを使えば?」
「分かってないなぁ。私が言ってるのはお菓子用のココアだって。飲み物用のやつよりも苦味があるの。チョコレートケーキの上とかにかかってるでしょ?」
「そういえばそうね」
…知らなかったんかい
まぁ…今はそのココアパウダーで代用するか
甘みがあるから…生地の方を苦めにして…
でも子供用に甘くした方が…
「タマ。お菓子のレシピいくつか書き写しておいて」
「珍しいわね。いつもは私と一緒に見るのに」
「…ニールも作れるように」
「僕ですか?」
「そう。ニールにも手伝ってもらわないと私一人じゃ無理だもん」
盗まれたらまずいから位置固定魔法と書き写し禁止の特別な魔法でもかけておくか
…ん
多分…指定した人しか見れないような魔法がいいかな
それで口で伝えることもできないようにしなきゃ
まだまだ魔法の開発必要だな…
『『『『『魔法作るの~』』』』』
…妖精は手伝わなくていいから
『『『『『なんで!?』』』』』
暴走するから!!
本来の目的以上のものが出来ちゃいけないの!!
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