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あなたの隣に千夏ですっ
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「…ラブレターかぁ。初めてもらったラブレターが狂気って嫌だな…」
「…初めてだったんですか?」
「まぁね」
そんなモテるほうじゃないし。
つかモテても困る。
仕事できないじゃないか(両方)。
「…今すぐ送り主潰してきましょうか」
「白川?なんか思考が華に似てるよ?」
怖い。
潰すって何?
物理?
物理なの?
「…失礼しました」
「ん~…じゃあその手紙の件は白川に任せる。私は昴お兄ちゃんから依頼されたやつやるから」
「かしこまりました」
白川はすぐに部屋を出ていった。
…本当に有能すぎでしょ。
私は周りに人がいる状況で仕事するのはあんまり好きじゃないんだよね。
「さて…お父様にも早く会いたいし頑張ろ」
といっても簡単な依頼なんだけどね~。
これ出来たらすぐに持っていく!!
「昴お兄ちゃんのおとーさまー!!」
「千夏ちゃん」
私は押しかけてすぐに抱きついた。
「お久しぶりです!!お仕事持ってきました!!」
「ありがとう。本当に千夏ちゃんは仕事早いね」
「その分勉強面をどうにかしてほしいけどな」
「昴お兄ちゃんがなんでいるの!?」
私は抱きついたまま後ろを振り返った。
「千夏が仕事持ってくって言ってたから仕事終わらせて帰ってきたんだよ」
「来なくていいよ!!お仕事しなよ!!」
「いやだね」
なんで…教師が堂々と…いや仕事サボってんのは私も一緒か。
この届けるやつだって他の人に任せればいいのに私が来てるし。
「本当に2人は仲良しだね」
「「仲良くない!!」」
「ハモらないでよ!!」
「いやお前が真似したんだろ」
がるるる…。
「千夏ちゃん。私のことはいいから妻のところへも行ってくれるかい?」
「はい喜んで!!」
「おー着せ替え人形になってこい。またうちのアルバムが増えるだけだからな」
…それを言うな。
(実はこの家にはママが持っている以上の冊数の私のアルバムがある。…なんで昴お兄ちゃんよりも多いんだよ)
「おかーさまー!!」
「あらあら千夏ちゃん。いらっしゃい」
がしっ。くるっ。とんっ。しゃっ。
…なんの音かお分かりだろうか。
『がしっ』が飛んできた私を捕まえる音。
『くるっ』が体を回転させる音。
『とんっ』が私の背中を押す音。
『しゃっ』が私の後ろで閉められたカーテンの音。
…うん。
簡易試着室のご用意が早いこと…。
「千夏ちゃんは何を着せても似合うからいいわね~やっぱり女の子が欲しかったわ」
「昴お兄ちゃんの従姉妹の子がいるじゃないですかー。ほら…えっと…サクラちゃん?」
「あの子はダメよ。千夏ちゃんみたいにちっちゃくないもの」
…あれ…なんか目から水が…。
「さぁさ!!皆のもの!!カメラの用意は!!」
「してあります」
「さぁ…千夏ちゃん。お着替えしましょうね」
笑顔が怖いですよ…おかーさま。
結局…50着ぐらい着せられたんじゃないだろうか。
「…つかれた」
「迎え呼ぶか?それとも泊まるか?」
「教師と教え子がひとつ屋根の下って大丈夫なの?」
「俺とお前で何かあると?」
「思ってない。よし泊まる」
「ほいよ」
昴お兄ちゃんは私に部屋着を渡してくれた。
…なんかこういうとこは優しいんだよな~。
学校でもこんな優しさがあったらな~。
「…なんかこれ…前のと違くない?」
「違うだろうな」
「…ブランドものですか?」
「うちにそれ以外があると?」
「…でしょうね」
私は諦めて他の部屋に…いや、私の部屋に行き部屋着に着替えた。
「…触り心地はいいのに…なぜだ。落ち着かない」
これを着るとなんか…背筋がしゃんとするよね。
分かる?
この1回も袖を通していないブランド服を着た時の感覚。
「千夏お嬢様。そろそろお食事の時間です」
…このお嬢様ってのも慣れない。
なぜ?
ママがいない時はここにいたはずなんだけどな~。
「…千夏ちゃん。ナイフを持つ手が震えているけど…」
「すみません。マナー忘れました。というか日常的にこんなコース料理食べないので。普段コンビニで買ったもので済ませるので。てことで今すぐここを抜けて晩御飯買いに行っていいですか」
「あら。忘れてしまったの?それならまた覚え直すだけじゃない」
…帰してくれる気がない。
ついでに出してくれる気も。
「…千夏。たった数年で忘れるなんてやっぱり偏りがあるな。お前の知識は」
「…家庭科だもん。マナーは家庭科だもん…外面だけは得意だもん…!!パーティーでは食べなきゃいいだけだし……あ。家族で連れてかれた時どうしよう」
「じゃあ追試やるか?」
…やりません。
昴お兄ちゃんの追試怖い。
「…初めてだったんですか?」
「まぁね」
そんなモテるほうじゃないし。
つかモテても困る。
仕事できないじゃないか(両方)。
「…今すぐ送り主潰してきましょうか」
「白川?なんか思考が華に似てるよ?」
怖い。
潰すって何?
物理?
物理なの?
「…失礼しました」
「ん~…じゃあその手紙の件は白川に任せる。私は昴お兄ちゃんから依頼されたやつやるから」
「かしこまりました」
白川はすぐに部屋を出ていった。
…本当に有能すぎでしょ。
私は周りに人がいる状況で仕事するのはあんまり好きじゃないんだよね。
「さて…お父様にも早く会いたいし頑張ろ」
といっても簡単な依頼なんだけどね~。
これ出来たらすぐに持っていく!!
「昴お兄ちゃんのおとーさまー!!」
「千夏ちゃん」
私は押しかけてすぐに抱きついた。
「お久しぶりです!!お仕事持ってきました!!」
「ありがとう。本当に千夏ちゃんは仕事早いね」
「その分勉強面をどうにかしてほしいけどな」
「昴お兄ちゃんがなんでいるの!?」
私は抱きついたまま後ろを振り返った。
「千夏が仕事持ってくって言ってたから仕事終わらせて帰ってきたんだよ」
「来なくていいよ!!お仕事しなよ!!」
「いやだね」
なんで…教師が堂々と…いや仕事サボってんのは私も一緒か。
この届けるやつだって他の人に任せればいいのに私が来てるし。
「本当に2人は仲良しだね」
「「仲良くない!!」」
「ハモらないでよ!!」
「いやお前が真似したんだろ」
がるるる…。
「千夏ちゃん。私のことはいいから妻のところへも行ってくれるかい?」
「はい喜んで!!」
「おー着せ替え人形になってこい。またうちのアルバムが増えるだけだからな」
…それを言うな。
(実はこの家にはママが持っている以上の冊数の私のアルバムがある。…なんで昴お兄ちゃんよりも多いんだよ)
「おかーさまー!!」
「あらあら千夏ちゃん。いらっしゃい」
がしっ。くるっ。とんっ。しゃっ。
…なんの音かお分かりだろうか。
『がしっ』が飛んできた私を捕まえる音。
『くるっ』が体を回転させる音。
『とんっ』が私の背中を押す音。
『しゃっ』が私の後ろで閉められたカーテンの音。
…うん。
簡易試着室のご用意が早いこと…。
「千夏ちゃんは何を着せても似合うからいいわね~やっぱり女の子が欲しかったわ」
「昴お兄ちゃんの従姉妹の子がいるじゃないですかー。ほら…えっと…サクラちゃん?」
「あの子はダメよ。千夏ちゃんみたいにちっちゃくないもの」
…あれ…なんか目から水が…。
「さぁさ!!皆のもの!!カメラの用意は!!」
「してあります」
「さぁ…千夏ちゃん。お着替えしましょうね」
笑顔が怖いですよ…おかーさま。
結局…50着ぐらい着せられたんじゃないだろうか。
「…つかれた」
「迎え呼ぶか?それとも泊まるか?」
「教師と教え子がひとつ屋根の下って大丈夫なの?」
「俺とお前で何かあると?」
「思ってない。よし泊まる」
「ほいよ」
昴お兄ちゃんは私に部屋着を渡してくれた。
…なんかこういうとこは優しいんだよな~。
学校でもこんな優しさがあったらな~。
「…なんかこれ…前のと違くない?」
「違うだろうな」
「…ブランドものですか?」
「うちにそれ以外があると?」
「…でしょうね」
私は諦めて他の部屋に…いや、私の部屋に行き部屋着に着替えた。
「…触り心地はいいのに…なぜだ。落ち着かない」
これを着るとなんか…背筋がしゃんとするよね。
分かる?
この1回も袖を通していないブランド服を着た時の感覚。
「千夏お嬢様。そろそろお食事の時間です」
…このお嬢様ってのも慣れない。
なぜ?
ママがいない時はここにいたはずなんだけどな~。
「…千夏ちゃん。ナイフを持つ手が震えているけど…」
「すみません。マナー忘れました。というか日常的にこんなコース料理食べないので。普段コンビニで買ったもので済ませるので。てことで今すぐここを抜けて晩御飯買いに行っていいですか」
「あら。忘れてしまったの?それならまた覚え直すだけじゃない」
…帰してくれる気がない。
ついでに出してくれる気も。
「…千夏。たった数年で忘れるなんてやっぱり偏りがあるな。お前の知識は」
「…家庭科だもん。マナーは家庭科だもん…外面だけは得意だもん…!!パーティーでは食べなきゃいいだけだし……あ。家族で連れてかれた時どうしよう」
「じゃあ追試やるか?」
…やりません。
昴お兄ちゃんの追試怖い。
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