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パフェうまうま
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うん。
なんで私ロリータ服に着替えたんだっけ?
そしてなんで打ち合わせでカフェを選んだっけ?
「…まさかこんな所を選ぶとは思いませんでした」
「私も。なんでここに来たのか…」
まぁ…今日の服は左目に花のコサージュ付けてるから素顔はバレないんだけどね?
「…これが今回の挿し絵です。何か注文はありますか?」
「いえ。満足です」
…髪色とかは表紙で決められるし…。
なによりこの絵師さんの絵が私の好みすぎる!!
「…こんなところで打ち合わせしてバレませんかね」
「大丈夫です。バレた時はバレた時です。顔を晒すくらいはまだ大丈夫なので」
メイクしてるし。
素顔が分からないような工夫は一応やってる。
「ご注文の期間限定あまおうスペシャルパフェです」
「パフェ…!!」
美味しそう!!
いちごたっぷり!!
「…いいですね。若いって」
「新藤さん。まだ20代でしょ?早すぎないですか?」
「…もう30手前ですよ。この歳になると色々気を使うんですよ」
ふぅん。
じゃあ若者のうちにお菓子を堪能しとこうか。
「私が隠してる理由はただプライベートと仕事は分けたい…ただそれだけですから」
「あの…それここで話して大丈夫なんですか?」
「いざとなったらメガネかけます。学生社長としての顔があるのでそれでなんとかなりますよ」
今回のロリータ服はあんまりロリータに見えないものだし。
中に履いてるペチコートとかを抜けばふんわり感はなくなってプリーツスカートみたいになるし。
なんか…良家のお嬢様みたいな服で気に入ったから買っちゃった♪
「簡単ですね…」
「簡単でいいんですよ。シンプルイズベストです」
私はカフェオレのグラスを取った。
「…苦」
「苦いもの苦手なんですね」
「…カッコつけてコーヒー飲もうとして一口でやめました」
…そのあと白川に『飲めないなら頼まないでください』って怒られたよ。
「私が甘いものを好んでいるのは幼少期に勉強する時必ず母がお菓子をくれたんです。糖分補給も必要よって…」
「優しいお母さんですね」
「…はい。ちょっと抜けてますけど」
携帯忘れるなんてしょっちゅうだし。
「そろそろお開きにしますか…」
「…え」
…このまま学校サボるつもりだったのに。
「私はこのパフェ食べてからにしますっ!!」
「ちゃんと学校も行ってくださいよ?」
「…はい」
なんか母親より母親らしい。
新藤さんが出ていったあとも私はゆっくりとパフェを食べた。
ピロン。
ん?
誰かメッセージ送ってきた?
『千夏。お前今どこにいる?』
…え…昴お兄ちゃん…。
なんで…アドレス知ってるの…。
『遅刻するって言ったでしょ?』
『…午後は来るんだよな?』
『大丈夫!!』
…よし。
私はパフェも食べ終わり店の外に出た。
あ。
ここの路地から行った方が近いんだよね~。
…でもその選択が間違っていた。
うん。
思い出した。
路地に入って…抜けたところで車に入れられて薬かがされて…今に至る。
まぁ…なんとかなるかな。
スマホはポケットにあるし(手は塞がってるけど)連絡してあるし(ただし午後から行く…のみ)白川だっているし(あれ?仕事用スマホって部屋で充電中じゃなかったっけ)…オワタ。
ちょ…誰かいませんか~!!
私は叫びたかったのだが口に嵌められたタオルでくぐもった声しか出なかった。
「ふふ。いい気味よ」
いや…誰やねん。
目の前に現れた人につっこんじゃったよ。
「これで四葉を返り討ちにできるわ」
返り討ち…?
その瞬間、金属で出来た扉が吹っ飛んだ。
「千夏!!」
あ。
華だ。
やほ~。
ん……?
その後ろのお方はうちの白川のお父様ではなくて?
「ごめんね…私のせいで巻き込んじゃって…」
「だいじょぶ。ネタ考えてたから」
「マイペースだね。…白川。お祖母様へ連絡」
「もうしましたよ。お嬢様。扉はいかがいたしましょうか」
「そうね…騒ぎになっても困るし直しておいて」
「かしこまりました」
んん?
直す?
…直せるの?
金属だよ?
専用の道具ないんだよ?
華は私に手を貸して立たせてくれた。
「車で送っていくよ」
「あ。ありがと~」
なんか忘れてる気がするけどね~。
それは外に出た瞬間に分かった。
ピロン
ん?
誰?
『昴お兄ちゃん:千夏…お前連絡もなしに休みやがって。事故にでもあったのか?事件か?』
…うん。
ある意味事件だね~。
『ごめんね~』
『アホか!!連絡ぐらいしろ!!俺達がどれだけ探し回ったと!!』
『え?探してくれてたの?』
『当たり前だ!!親にまで頼んだわ!!』
大人になってまで親に頼るなんて嫌だって言ってたあのお兄ちゃんが…。
『本当にごめんなさい』
『…明日は来れるんだな?事故じゃないんだな?怪我はないんだな?』
『大丈夫だからそんなに心配しないで。お兄ちゃんのお母さん達には私から連絡するね』
…皆心配してくれてる。
なんか……照れるな。
なんで私ロリータ服に着替えたんだっけ?
そしてなんで打ち合わせでカフェを選んだっけ?
「…まさかこんな所を選ぶとは思いませんでした」
「私も。なんでここに来たのか…」
まぁ…今日の服は左目に花のコサージュ付けてるから素顔はバレないんだけどね?
「…これが今回の挿し絵です。何か注文はありますか?」
「いえ。満足です」
…髪色とかは表紙で決められるし…。
なによりこの絵師さんの絵が私の好みすぎる!!
「…こんなところで打ち合わせしてバレませんかね」
「大丈夫です。バレた時はバレた時です。顔を晒すくらいはまだ大丈夫なので」
メイクしてるし。
素顔が分からないような工夫は一応やってる。
「ご注文の期間限定あまおうスペシャルパフェです」
「パフェ…!!」
美味しそう!!
いちごたっぷり!!
「…いいですね。若いって」
「新藤さん。まだ20代でしょ?早すぎないですか?」
「…もう30手前ですよ。この歳になると色々気を使うんですよ」
ふぅん。
じゃあ若者のうちにお菓子を堪能しとこうか。
「私が隠してる理由はただプライベートと仕事は分けたい…ただそれだけですから」
「あの…それここで話して大丈夫なんですか?」
「いざとなったらメガネかけます。学生社長としての顔があるのでそれでなんとかなりますよ」
今回のロリータ服はあんまりロリータに見えないものだし。
中に履いてるペチコートとかを抜けばふんわり感はなくなってプリーツスカートみたいになるし。
なんか…良家のお嬢様みたいな服で気に入ったから買っちゃった♪
「簡単ですね…」
「簡単でいいんですよ。シンプルイズベストです」
私はカフェオレのグラスを取った。
「…苦」
「苦いもの苦手なんですね」
「…カッコつけてコーヒー飲もうとして一口でやめました」
…そのあと白川に『飲めないなら頼まないでください』って怒られたよ。
「私が甘いものを好んでいるのは幼少期に勉強する時必ず母がお菓子をくれたんです。糖分補給も必要よって…」
「優しいお母さんですね」
「…はい。ちょっと抜けてますけど」
携帯忘れるなんてしょっちゅうだし。
「そろそろお開きにしますか…」
「…え」
…このまま学校サボるつもりだったのに。
「私はこのパフェ食べてからにしますっ!!」
「ちゃんと学校も行ってくださいよ?」
「…はい」
なんか母親より母親らしい。
新藤さんが出ていったあとも私はゆっくりとパフェを食べた。
ピロン。
ん?
誰かメッセージ送ってきた?
『千夏。お前今どこにいる?』
…え…昴お兄ちゃん…。
なんで…アドレス知ってるの…。
『遅刻するって言ったでしょ?』
『…午後は来るんだよな?』
『大丈夫!!』
…よし。
私はパフェも食べ終わり店の外に出た。
あ。
ここの路地から行った方が近いんだよね~。
…でもその選択が間違っていた。
うん。
思い出した。
路地に入って…抜けたところで車に入れられて薬かがされて…今に至る。
まぁ…なんとかなるかな。
スマホはポケットにあるし(手は塞がってるけど)連絡してあるし(ただし午後から行く…のみ)白川だっているし(あれ?仕事用スマホって部屋で充電中じゃなかったっけ)…オワタ。
ちょ…誰かいませんか~!!
私は叫びたかったのだが口に嵌められたタオルでくぐもった声しか出なかった。
「ふふ。いい気味よ」
いや…誰やねん。
目の前に現れた人につっこんじゃったよ。
「これで四葉を返り討ちにできるわ」
返り討ち…?
その瞬間、金属で出来た扉が吹っ飛んだ。
「千夏!!」
あ。
華だ。
やほ~。
ん……?
その後ろのお方はうちの白川のお父様ではなくて?
「ごめんね…私のせいで巻き込んじゃって…」
「だいじょぶ。ネタ考えてたから」
「マイペースだね。…白川。お祖母様へ連絡」
「もうしましたよ。お嬢様。扉はいかがいたしましょうか」
「そうね…騒ぎになっても困るし直しておいて」
「かしこまりました」
んん?
直す?
…直せるの?
金属だよ?
専用の道具ないんだよ?
華は私に手を貸して立たせてくれた。
「車で送っていくよ」
「あ。ありがと~」
なんか忘れてる気がするけどね~。
それは外に出た瞬間に分かった。
ピロン
ん?
誰?
『昴お兄ちゃん:千夏…お前連絡もなしに休みやがって。事故にでもあったのか?事件か?』
…うん。
ある意味事件だね~。
『ごめんね~』
『アホか!!連絡ぐらいしろ!!俺達がどれだけ探し回ったと!!』
『え?探してくれてたの?』
『当たり前だ!!親にまで頼んだわ!!』
大人になってまで親に頼るなんて嫌だって言ってたあのお兄ちゃんが…。
『本当にごめんなさい』
『…明日は来れるんだな?事故じゃないんだな?怪我はないんだな?』
『大丈夫だからそんなに心配しないで。お兄ちゃんのお母さん達には私から連絡するね』
…皆心配してくれてる。
なんか……照れるな。
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