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お家〜…お説教です
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「千夏!!どうしたの?そんなに濡れて…」
「ママ。大丈夫。これシャワーの水だから」
「シャワー?…シャワーを浴びなきゃいけないことがあったの?」
…うぐ
ママってたまに鋭い…
私はカバンを床に置いた。
「なんでもないよ。ちょっとシャワー貸してもらっただけ」
「なら…なんでこんなに早く帰ってきたの?仕事?」
「「「仕事?」」」
…ママ
後で…お説教だよ
春斗くん達が首を傾げるのを見て私はため息をついた。
「小説家やってるの。リーチェってペンネームなんだけど…」
「リーチェ!?女の子達がいつもリーチェ様リーチェ様って言ってるけどそのリーチェ!?」
…冬真くん
知ってるの?
私が書いてるの女の子向けのファンタジー小説なんだけど…
…まぁ裏もあるけどね
「…僕も名前だけなら聞いたことあるよ」
「俺も」
「あらあら。千夏ったら有名人ね~」
…困る
色々と
その時プルルルと仕事用のスマホが鳴った。
「はい。もしもし」
『椎名様。至急こちらに来ていただくことは可能でしょうか?』
「…白川。どうしたの?」
『取引先が椎名様も交えて話したいとのことで』
「わかった。会社?」
『応接間です』
「今すぐ行くから待ってて」
私は電話を切るとスマホをポケットに入れまたカバンを持った。
「ごめん。ママ。行ってくるね」
「いってらっしゃい。帰ってこられないなら連絡するのよ?」
「わかってるよ」
私は急いで靴を履きタクシーを呼んだ。
「ちなちゃん!!」
「ん?」
…春斗くん
そんな顔して何の用?
「…僕も行くよ」
「え?…一応春斗くんといえど部外者なんだからダメ」
「…だよね。ごめんね。我儘言って」
…我儘だってわかってるじゃん
私は行き先を告げると席に深く腰掛けた。
…白川が私を呼ぶなんて…
対処できない相手?
…あまりキツい要求をするところならこちらから手を切ることも考えないと
大量生産は難しいわけだし
うちはサンプルを作ってそれを他の会社に大量生産してもらって売るって感じだし
…プログラムは大変な作業だから今の人数で回すのは難しい…かも
そろそろ増員も考えないとな…
「あの…お客さん?」
「はい?」
顔を上げるともう会社についていた。
私は代金を払うとすぐに応接間に入った。
「失礼します………」
そして固まった。
うわぁぁ…
ちゃんと会社の名前聞くんだった…
「千夏…ちゃん?」
…裕翔さん
「椎名様。お知り合いですか?」
「うん…まぁ…ちょっと」
「…椎名様…ということは…千夏ちゃんがここの社長?」
「…相沢さん。プライベートは無しにしましょう」
「…そうですね。続きは後で」
ゾクッ
うわぁぁぁぁん!!
これ後で絶対なんか言われる!!
白川にホテルをとりにいかせよう!!
それで私そこで1晩過ごすもん!!
制服もカバンもここにあるし!!
私は商談を終えるとすぐに部署へ向かった。
「むむむ…さすが裕翔さん…話がうますぎる…」
受け入れられないような内容じゃないし…
利益もしっかりあるし…
大きい会社は違うなぁ
…ん?
てか…裕翔さんのところって今までアプリ系扱ってた?
「白川」
「はい?」
「…相沢さんのところって今までは普通の雑貨類とかチェーン店とかそんな感じを主にしてなかったっけ?」
「そうですね…」
…おかしいでしょ
急にアプリ系に手を出すなんて
「…裏を読みすぎか」
新事業展開なんてよくあることだし
…あまり疑いすぎるとそれが伝わっちゃうしね
…よし
こうなったら娘として聞いてやる
今日だけパパと呼んであげるから!!
私は仕事をこなすと家に帰った。
「ただいま」
「おかえりなさい」
私はリビングに向かって…やっぱり固まった。
ははは…
いるよね~
そりゃいるよね~?
「…千夏ちゃん。色々聞かせてほしいんだけど」
「…隠しててごめんなさい?」
「それもそうだけど」
…やっぱお説教?
「…商談上手いね。あれ独学?」
「独学もあるけど…話術はママとか白川に教えられたよ」
「…高校生相手にあそこまでやられるとは思わなかったよ。息子達とは雲泥の差だよ」
「…さすがにまだ実業には手を出してないからね」
「経験してもないことに取り組んでいきなり完璧とか無理だ」
「僕12歳だし」
…だよね
普通やんないし
私はソファーに腰掛けた。
「…元々こちらが得するように動くはずだったんだけどな」
「それだったらうちの白川が対処しますよ~なんだったら白川の身内も連れてきましょうか?」
「…いい。白川って名前で大体想像つく。…四葉か…あそこは敵に回したくないな」
…四葉?
どこ?
それ
…おっきいところ?
…う~む
白川から連想されるものにそんなものないぞ?
「…今は提携してるし…東郷さえ関わらなければ大丈夫…か。千夏ちゃんも気をつけた方がいいよ。あそこはあまりいい噂を聞かないから」
「気をつけま~す。でも大体白川がやってくれるから大丈夫だよ?私がしてるのはほんの一部だけ」
「…白川…血の繋がりって凄いな」
…裕翔さんは知ってるの?
白川の家族を
「ママ。大丈夫。これシャワーの水だから」
「シャワー?…シャワーを浴びなきゃいけないことがあったの?」
…うぐ
ママってたまに鋭い…
私はカバンを床に置いた。
「なんでもないよ。ちょっとシャワー貸してもらっただけ」
「なら…なんでこんなに早く帰ってきたの?仕事?」
「「「仕事?」」」
…ママ
後で…お説教だよ
春斗くん達が首を傾げるのを見て私はため息をついた。
「小説家やってるの。リーチェってペンネームなんだけど…」
「リーチェ!?女の子達がいつもリーチェ様リーチェ様って言ってるけどそのリーチェ!?」
…冬真くん
知ってるの?
私が書いてるの女の子向けのファンタジー小説なんだけど…
…まぁ裏もあるけどね
「…僕も名前だけなら聞いたことあるよ」
「俺も」
「あらあら。千夏ったら有名人ね~」
…困る
色々と
その時プルルルと仕事用のスマホが鳴った。
「はい。もしもし」
『椎名様。至急こちらに来ていただくことは可能でしょうか?』
「…白川。どうしたの?」
『取引先が椎名様も交えて話したいとのことで』
「わかった。会社?」
『応接間です』
「今すぐ行くから待ってて」
私は電話を切るとスマホをポケットに入れまたカバンを持った。
「ごめん。ママ。行ってくるね」
「いってらっしゃい。帰ってこられないなら連絡するのよ?」
「わかってるよ」
私は急いで靴を履きタクシーを呼んだ。
「ちなちゃん!!」
「ん?」
…春斗くん
そんな顔して何の用?
「…僕も行くよ」
「え?…一応春斗くんといえど部外者なんだからダメ」
「…だよね。ごめんね。我儘言って」
…我儘だってわかってるじゃん
私は行き先を告げると席に深く腰掛けた。
…白川が私を呼ぶなんて…
対処できない相手?
…あまりキツい要求をするところならこちらから手を切ることも考えないと
大量生産は難しいわけだし
うちはサンプルを作ってそれを他の会社に大量生産してもらって売るって感じだし
…プログラムは大変な作業だから今の人数で回すのは難しい…かも
そろそろ増員も考えないとな…
「あの…お客さん?」
「はい?」
顔を上げるともう会社についていた。
私は代金を払うとすぐに応接間に入った。
「失礼します………」
そして固まった。
うわぁぁ…
ちゃんと会社の名前聞くんだった…
「千夏…ちゃん?」
…裕翔さん
「椎名様。お知り合いですか?」
「うん…まぁ…ちょっと」
「…椎名様…ということは…千夏ちゃんがここの社長?」
「…相沢さん。プライベートは無しにしましょう」
「…そうですね。続きは後で」
ゾクッ
うわぁぁぁぁん!!
これ後で絶対なんか言われる!!
白川にホテルをとりにいかせよう!!
それで私そこで1晩過ごすもん!!
制服もカバンもここにあるし!!
私は商談を終えるとすぐに部署へ向かった。
「むむむ…さすが裕翔さん…話がうますぎる…」
受け入れられないような内容じゃないし…
利益もしっかりあるし…
大きい会社は違うなぁ
…ん?
てか…裕翔さんのところって今までアプリ系扱ってた?
「白川」
「はい?」
「…相沢さんのところって今までは普通の雑貨類とかチェーン店とかそんな感じを主にしてなかったっけ?」
「そうですね…」
…おかしいでしょ
急にアプリ系に手を出すなんて
「…裏を読みすぎか」
新事業展開なんてよくあることだし
…あまり疑いすぎるとそれが伝わっちゃうしね
…よし
こうなったら娘として聞いてやる
今日だけパパと呼んであげるから!!
私は仕事をこなすと家に帰った。
「ただいま」
「おかえりなさい」
私はリビングに向かって…やっぱり固まった。
ははは…
いるよね~
そりゃいるよね~?
「…千夏ちゃん。色々聞かせてほしいんだけど」
「…隠しててごめんなさい?」
「それもそうだけど」
…やっぱお説教?
「…商談上手いね。あれ独学?」
「独学もあるけど…話術はママとか白川に教えられたよ」
「…高校生相手にあそこまでやられるとは思わなかったよ。息子達とは雲泥の差だよ」
「…さすがにまだ実業には手を出してないからね」
「経験してもないことに取り組んでいきなり完璧とか無理だ」
「僕12歳だし」
…だよね
普通やんないし
私はソファーに腰掛けた。
「…元々こちらが得するように動くはずだったんだけどな」
「それだったらうちの白川が対処しますよ~なんだったら白川の身内も連れてきましょうか?」
「…いい。白川って名前で大体想像つく。…四葉か…あそこは敵に回したくないな」
…四葉?
どこ?
それ
…おっきいところ?
…う~む
白川から連想されるものにそんなものないぞ?
「…今は提携してるし…東郷さえ関わらなければ大丈夫…か。千夏ちゃんも気をつけた方がいいよ。あそこはあまりいい噂を聞かないから」
「気をつけま~す。でも大体白川がやってくれるから大丈夫だよ?私がしてるのはほんの一部だけ」
「…白川…血の繋がりって凄いな」
…裕翔さんは知ってるの?
白川の家族を
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