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目を調べ終わった私達は見える子と見えない子に分かれた。
「すまないがここからの授業は2組に分かれて行う。妖精が見える見えないでこれからの就職など変わってくるからな」
「…多分見える方がエリートなんだろうな。エルは生まれた時からだよね?すごいね」
「妖精はお友達だもん」
『友達!?エル様光栄デス!!』
クラスの3分の1ぐらいしか見える子はいなかった。
もともと30人ほどしかいなかったクラスメイトが10人に減った。
「魔法科はやっぱり妖精重視だね」
「妖精重視?どうして?」
「これは兄様の推測だけど魔法を使うのに妖精の力がいるんじゃないかな」
…人間に妖精の力を貸してるの?
なんのために?
『人間ハ魔力ゴハンをクレルノー』
…ふぅん。
「では皆さんは教室を移りましょうか」
先生について行くと小さな部屋にたどり着いた。
「ここでは思いっきり魔法を使っても構いませんよ。色々な呪文を学びながら使ってみましょう」
「…また呪文?どうして?」
「エルーシア嬢は魔法を使ったことがおありですか?」
「うん」
「呪文を唱えることで妖精に気づいてもらうのですよ」
…妖精に気づいてもらう。
ならエルには関係ないね。
「ではまずは初級魔法を皆さんだけで使ってみてください」
先生は私達に1冊ずつ本を手渡した。
お…重たい!!
私はすぐさま本を空中浮遊させた。
そしてパラパラとページをめくってみてすぐに閉じた。
「…エル。何かいい魔法は見つかった?」
「初級魔法って簡単すぎだね。兄様もすぐ出来るでしょ?」
「どうかな。兄様はやったことないからなぁ」
兄様は本を開いてしばらく眺めていた。
「…むぅ。エルひまー!!」
「ごめんね。覚えるのにちょっと時間がかかるかな」
「…いいもん。エルだけで魔法使うもん」
私は自らの体をふわりと浮かせ天井付近にまで飛んだ。
「エルーシア嬢!?それは上級魔法では!?」
「そうなの?」
私は兄様の横まで行きふわふわ浮いた。
「兄様。褒めて~」
「エル。えらいえらい」
「えへへ~」
兄様は私と手を繋いでくれた。
「エル。先生に説明できる?」
「…なんで?」
「エルがすごいことをしたから。いつも母様や父様に言われてるでしょ?」
私は頬をふくらませながら先生に説明した。
「全部にぃが教えてくれたの」
「にぃってのは僕じゃないですよ」
「りゅーにぃとジルにぃ!!兄様も強くなったら会いに行こーね」
「うん。それより先に説明ね」
むぅ…話逸らせなかった。
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