聖剣エクスカリバーは使い手を好く。そして使い手でない者を嫌う。

如月花恋

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アルトニア視点

…エルは幼い。
幼すぎる。
「あっ!!泉がある!!セイレーンいるかな~」
「どうだろうね」
…というか…心とか頭だけ成長してない気がする。
入学試験は僕に次ぐ2位だったけど。
…どうなってんのエルの頭は。
「エル。落ち着いて?」
「落ち着いてられないっ!!楽しい!!」
…6歳…なのかな。
本当に。
「兄様。学園楽しいかな。人って面白いもん!!」
「…人」
…言動おかしいし。
精神障害でもあるんじゃないの?
この世界の医療で解明できるのか分からないけど。
僕はくすりと笑うとエルの手を握った。
「エル。式の最中は?」
「静かにする!!」
「友達とは?」
「…仲良く……できない」
「できないの?」
「だって…人間怖いもん…エルのこといじめるの…」
「兄様も怖い?」
「兄様は怖くない!!母様に父様…は最初は怖かったけど今は大丈夫!!」
…なんで僕カウンセリングしてるんだろ。
ほんと…エルといると何が起こるか分からないな。
「あ!!お店だっ!!にいの買ってくれるお洋服のお店あるかな~」
…『にい』ってのが誰かも気になるけど…。
「エル。危ないわ。こっちに来なさい」
「母様!!」
エルは母様と父様の間に入り込んだ。
「懐かしい…いつもこうやってにいにぎゅーってしてもらったの」
「エルはまだ抱きしめるがいいの?」
「いつまでも子供だな」
「むぅ。父様酷い。エルはエルなの。他の子供と一緒にしないで」

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