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「おぎゃあ!!おぎゃあ!!」
…泣き声?
誰の?
というか…どこ?
体が動かせない…。
魔力足りない…集めなきゃ。
私は必死に周りの空気から魔力を回収した。
…この空気…魔力濃い。
ここ好きかも…。
「お医者様!!お嬢様が…お嬢様が泣きません!!」
「何!?」
私は少々乱暴に誰かに抱き上げられるとお尻を叩かれた。
ふぇ!?
にい達以外がエルに触っちゃダメ!!
「…ほっ…けほっ…」
口から何かが出た。
「…良かった…」
「羊水が詰まっていたんだな」
「…お医者さま…わたくしの…わたくしの娘は?」
「奥様…元気ですよ。少しばかり羊水を飲み込んでしまっただけでした」
私は今度は優しく誰かに抱きとめられた。
…だあれ?
エルに優しくしてくれる人?
人間じゃないのかな…。
妖精かな?
でも妖精達には遊ぶ時にしか会ってないよね。
誰だろう?
それに…妖精達はこんなにおっきくないし…。
エルよりおっきいなんてにい達と人間以外見たことないもん。
「…わたくしの可愛い娘……生まれてきてくれて…ありがとう」
「身重な体なのに聖剣の元へ行くなんて奥様は何を考えているんですか」
「…呼ばれた気がしたのよ」
…呼ばれた?
エル…呼んでないよ。
にい達かな?
…あれ?
なんで…エル…今…この人を知ってるの?
エルが見た人間…優しそうな人…。
あの…にい達が教えてくれた…『にんぷ』…。
エル…吸い込まれちゃったんだ。
じゃあエルの宿り木はこの人に変わったのかな?
でも…人間を宿り木になんて出来るの?
その時私の手を何かが包み込んだ。
「あら」
「…ふふ。なんだか騎士のようですね」
「…兄だもの…妹を守りたいのよね」
兄…?
にいがいるの!?
…でもにいの気配じゃない。
違う。
でも…安心できる。
ポカポカするな…。
私はその幸せな気分まま眠りについた。
…泣き声?
誰の?
というか…どこ?
体が動かせない…。
魔力足りない…集めなきゃ。
私は必死に周りの空気から魔力を回収した。
…この空気…魔力濃い。
ここ好きかも…。
「お医者様!!お嬢様が…お嬢様が泣きません!!」
「何!?」
私は少々乱暴に誰かに抱き上げられるとお尻を叩かれた。
ふぇ!?
にい達以外がエルに触っちゃダメ!!
「…ほっ…けほっ…」
口から何かが出た。
「…良かった…」
「羊水が詰まっていたんだな」
「…お医者さま…わたくしの…わたくしの娘は?」
「奥様…元気ですよ。少しばかり羊水を飲み込んでしまっただけでした」
私は今度は優しく誰かに抱きとめられた。
…だあれ?
エルに優しくしてくれる人?
人間じゃないのかな…。
妖精かな?
でも妖精達には遊ぶ時にしか会ってないよね。
誰だろう?
それに…妖精達はこんなにおっきくないし…。
エルよりおっきいなんてにい達と人間以外見たことないもん。
「…わたくしの可愛い娘……生まれてきてくれて…ありがとう」
「身重な体なのに聖剣の元へ行くなんて奥様は何を考えているんですか」
「…呼ばれた気がしたのよ」
…呼ばれた?
エル…呼んでないよ。
にい達かな?
…あれ?
なんで…エル…今…この人を知ってるの?
エルが見た人間…優しそうな人…。
あの…にい達が教えてくれた…『にんぷ』…。
エル…吸い込まれちゃったんだ。
じゃあエルの宿り木はこの人に変わったのかな?
でも…人間を宿り木になんて出来るの?
その時私の手を何かが包み込んだ。
「あら」
「…ふふ。なんだか騎士のようですね」
「…兄だもの…妹を守りたいのよね」
兄…?
にいがいるの!?
…でもにいの気配じゃない。
違う。
でも…安心できる。
ポカポカするな…。
私はその幸せな気分まま眠りについた。
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