愛を知らない少女は溺愛の海に溺れる

今世

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｢…不格好…｣
｢サイズが小さいですからね｡それに男の子か女の子かも分からないのに作って大丈夫ですか？｣
｢大丈夫!!一応どっちでもいいように似合う色をお義母様が選んでくれたの!!｣
｢…子供どれだけ欲しいんですか…しかも選んだの王妃様ですか…｣

…ダメだったの？
だって…お義母様…嬉しそうだったよ？

｢…はぁ｡…まぁ子供が出来にくいので選択としてはあってますけど…｣
｢子供…？｣
｢あ｡コウノトリが運んでくるとでも思っといてください｡…現実は過激なので｣

…最後なんて言ったの？
聞こえなかった

｢リナ｡変な事教えてないよね？｣
｢子供は鳥が運んでくると言っておきました｡現実は殿下が教えてあげてください｣
｢現実って…何年後だと｣
｢1年後｣
｢まぁ婚約期間はそれくらいにしようとは思ってるけど｣

婚約期間…
じゃあ私のこれ…早すぎた？

私は肩を落とした｡

｢リリー？｣
｢…上手くなれる気がしない｣
｢いざとなれば私達メイドがいます!!というか本来はメイドの仕事なんですけどね!!｣
｢…そうなの？お母様はいつも自分でお洋服を作っていたよ？｣
｢特殊です!!特例です!!なので私にリリアーネ様の服を作らせてください!!｣
｢待て待て｡どこからリリーの話になった｣
｢最初からです!!｣

…2人のいい争いを見てるのは楽しいかも

｢ふふっ｣
｢リリー…笑わないでリナを宥めてよ…｣
｢今の私の創作意欲は誰にも止められないのだ～!!というかなんで私不敬罪で処刑されないの～！？｣
｢…リナを処刑したら絶対にリリーに嫌われるから｡心も塞ぎ込んで国に帰りかねないし｣

…それはするかもしれない
お母様のとこに帰って泣くかもしれない
…お母様に会いたい

｢アレク｡そろそろお母様に会いたいの｡国に帰っても？｣
｢…それならいいよ｡帰ってくるんだよ？｣
｢殿下～帰るのは国であってここではありませんよ～まだリリアーネ様にとっては家じゃありませんからね～｣
｢リナ｡君もついていって｣
｢そのつもりです!!殿下の許可がなくともついていきます!!｣
｢…リナ｡ほんと君はマナーを覚え直してくれないかな…｣
｢何故です！？リリアーネ様を愛でるのが私の役目!!役目を全うしているだけではありませんか!!｣
｢メイドとしての役目もやってね！？｣
｢当然のことです!!｣

…やっぱり面白い