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今世

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「…え…あの…え?」
「これから社交界にいくのよ?」
「え…デビュー…まだ」
「そんなもの存在しないわよ」
「…え?だって…先生が…」
「今回だけ特別よ。社交界と言っても小さなパーティーだもの。デビューは必要ないわ」

…それって社交界じゃないような気がする…

「リリーの婚約者になりたいって人を集めたのよ」
「…こんやくしゃ?」
「そう。お父様に内緒でね。開催自体は伝えているけど日時は教えていないの」
「…いいの?」
「ふふ。宰相にも手伝ってもらったから大丈夫よ」

…お仕事かな?
急に来るとびっくりするからやめてほしいけど…

私はいつもより豪華な服に着替えてお母様と大きなホールに入った。

「お母様」
「ん?どうしたの?」
「全然小さくない…あと後ろにお父様」
「リ~ズ~?これはどういうことかな?僕を妬かせたいの?何?もう1人作るの?いいよ。大歓迎。今から行こうか。1週間ぐらいなら抜けても大丈夫だし」
「ちょっと?あなた?勘違いしてない?これはリリーのためよ?」

お母様がそう言うとお父様は会場にいる人を睨んだ。

「あ?僕のリリーに何の用だ?…婚約は認めない。解散。以上」

短い…けど意味が伝わる文…

私はお父様に抱き抱えられてお部屋に戻された。

「リリー。いい?まだ婚約はダメ」
「どうして?お母様もお姉様もいいって言ってたよ?」
「お父様が認めないと婚約は出来ないんだよ?」
「…じゃあこんにゃく出来ないの?」
「婚約ね。食べ物じゃないから」

…間違えちゃった

「リリーのお相手はお父様が選んであげるからリリーは好きなことしてていいんだよ」
「好きなこと?」

私の好きなこと…勉強?お庭のお手入れ?おさんぽ?
どれ?

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