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「カイン見つけたぞー!!」
「げっ、アイル!?」
私は逃げ出そうとするカインを魔法で出現させた縄で縛り、こちら側に来させた。
「なんで逃げるの」
「…お前いつの間にお嬢様と仲良くなったんだよ」
え?
…あ、リーシャ様のことか。
「ん~学校卒業したらそこに就職することになったから?」
「はぁ!?…お前公爵とは関わらないんじゃねぇのかよ」
「だから関わってないよ?だってリーシャ様は侯爵でしょ?」
カインはぽかんとした顔をした。
「…お前…聞き間違えた?俺は公爵って言ったんだ。アイルの父親の実家だぞ」
「…え?」
だって…リーシャ様はこう…漢字変換間違えてたのか。
侯爵じゃなくて公爵。
「…そういやお祖父様がどーとか…」
「…アイルのお父さんが嫌ってる人だろうな。俺は聞いただけだがずいぶん仲悪かったらしいぞ。次男なのに跡を継がせようとしたとかで」
あぁ…それは私もちょっと思っちゃった。
パパ、かなり頭良かったんだよね。
教え方もわかりやすいし…スパルタだけど。
「てかカイン、リーシャ様と知り合いなら教えてよ!!」
「…いや…俺…あの人苦手なんだ。笑顔の裏で何考えてるかわかんねぇし」
…あ、それは貴族全員に言えることだね。
ママに言われたよ、何を言われてもされても笑顔でいなさいって。
そうすればなんとかなる!!ってね。
…ママ…庶民になって何かふっきれたの?
夜会の蝶とは思えない言動ですけど?
「まぁ気をつけろよ。ただの貴族の戯れかも知れないからな」
「…戯れにしては私に貢ぐ金が多…あ」
…もしや。
私はステータスを開いた。

名前:アイル
年齢:5歳
性別:女
体力:17/17
魔力:∞(変更:上限20)
能力:『鑑定』
   …見たもの全てを詳しく調べる。ただし自分より魔力の高い人、見たことのある物にしか効果なし。初めて見るものを鑑定したい場合、30秒見つめる必要あり。
   『魅了』
   …人の心さえも自分へと向けさせてしまう。ただし自分より魔力の高い人にしか効果なし。幼児期は庇護愛、ある程度大きくなると妹へ対する愛(溺愛)、15を過ぎれば様々な人から愛される(溺愛&執着)。常時発動パッシブ
   『魔法』
   …想像するだけで発動可能。ただし詠唱すると発動不可。
   『使役』
   …あらゆる物を使役する。ただし発動には相手に自分の魔力を含ませる必要あり。制限時間、使用者が終わりを望むまで。

…ほわい?
∞に上限がついたぞ?
それって無限じゃなくない?

魔力:20/20

…神よ、LIVEで書き換えないでもらいたい。
あと低くなったな私の魔力。

魔力:200/200

それは魅了当てはまる人少なくなりそうだけど。

文句多イ。

うるさい。勝手に殺して転生させたのはお前だろ。

仕方ナイナ。コレカラモ見守ッテイル。

…これはメッセージアプリか何かですか?
…まぁいいけど。
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