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「…ごーかく」
合格した。
首席で。
…いやまさか満点取れるとは思ってなかったんよ?
記号問題は勘だったし。
「ぱぱ。ごーかくした」
「…したね」
「どーするの?」
「寮に入って…勉強の日々かな」
「じゃありょーにはいるじゅんびしなきゃねー」
「…はぁ」
パパ、ため息ついたら幸せが逃げるんだよ?

「ままー!!くつしたどこ?」
「もう全部入れてあるわよ」
「えとえと…ない!!」
「何がないの?」
「じゅんびするもの!!どーしてままはまえもってじゅんびしてたの?」
「アイルなら合格できるって信じてたからよ」
ママはそう言うと私を抱きしめてくれた。
「ええ。本家の人達には絶対負けないとも信じているわ」
「僕達が何も教えてないのに覚えてたしね。…計算は僕達以上にできるし」
「あとはマナーさえ覚えれば貴族相手にさえ互角に戦えるわ」
…え?
「そうだね…食事マナーは基本として」
「あとはダンスね」
…ほわい?
「礼儀作法もあるんだよな…」
「学園入学はいつだったかしら」
「来年。…あと5ヶ月ってとこか。それぐらいあればいけるかな」
「目上の人に対する礼。…令嬢としての情報操作の技術も覚えてもらうわよ」
「まま…ぱぱ?こわいよ…?」
「あら。ちょーっと勉強するだけよ?」
…それって貴族の勉強ですよね?
私貴族じゃないし…。
「そうだよ。少し…いや大分役に立つはずだから」
「学んでおいて損することはないわよ」
嫌だぁぁぁぁぁぁ!!

「…しんだ。わたしののーはしんだ…」
私の灰色の脳細胞は死んだぞ…。
…ダメだ…何も考えられん。
私が何を言い出すか…。
「…ぱぱ…がくえんはらいねんでしょー?…そんなにいそがなくても…」
「油断してるとすぐに入学になってしまうよ?公爵家に匹敵するとなると…1年では厳しいかな」
「…え」
1年で厳しいのになぜ私は勉強している…?
「まぁ…伯爵家ぐらいならいけるかな。これでも英才教育を施されてきたからね。アイル1人に教えるくらいどうってことないよ」
「…あの…わたしはずっとへーみんでいるつもり…」
「いれると思う?」
…はい?
私は訳が分からなくて首を傾げた。
「…アイル…気づいてないとは言わせないよ。ステータス、自分で読めるんだろう?」
「ぎくっ」
「…僕も鑑定を持ってるからね。レベルは低いけど他人のしかも自分の娘で鍵もかけてないアイルのステータスなら見えるんだよ」
み…見られた?
私のあのダメダメ能力を?
「…まさか魅了まで持ってるとはね…」
「し…しってたの?」
「僕だけね。…このことママにはしーだよ?…魅了っていい面もあるけど悪い面もあるから」
「…しってる」
だってさ?
庇護愛って…ロリコンからしたらただただ愛でる…って感じでしょ?
いやこの世界にロリコンがいるかもわかんないんだけど…。
捕まったらオ・ワ・タ!!
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