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4章
77話 最後の一撃
しおりを挟む「まずはあの黒いのをなんとかせなあかんな!」
邪竜が創り出した漆黒の太陽
その大きさは創り出した邪竜より大きい
「うん、あれはさっき地面を破壊した黒い球の巨大版だね。あれを避けるのはーー「我がやろう」」
「へ?」
和歌太郎はあの漆黒の太陽を壊すことは不可能と判断し、避ける方針で行こうとしたが、その言葉に里石が割って入った。
「え?」
「我があの黒いのを消す……いや、奴の放つ攻撃は我と佐高殿が受け持とう。だな!佐高殿」
「あ…あぁ、そうですね。和歌太郎くん、この僕に任せてください!」
「さぁ……行くぞ!佐高殿!」
そういうと、佐高が運転するレーシングカーのボンネット部分に仁王立ちする里石。
「はい!"回転自在"!!」
低い重低音を鳴らし、佐高のレーシングカーがその場から消えた。
空に架かる光の道を高速で走るレーシングカー
その速度に操縦者の佐高も驚いていた。
(速い。ほんとすごい機体ですね。これだけ速度が出ているのにこの安定感。これが風になる、いや光になる感覚なんですね!)
そして、その音速に近い速度で走るレーシングカーに立ち、一切動じない男"里石"
里石は目の前に迫る漆黒の太陽を睨みつけ笑う。
「ハハハハ、高鳴るわ!佐高殿そのまま突っ切てくれ」
運転する佐高に声をかけ、里石は車体の上で構えを取る。
中腰で上半身を捻り半身になり、左腕は垂れ下げ、右拳を腰の部分で構える。
これぞ、里石が辿り着いた極地"一撃必殺の構え"
「行きます!!」
ついに佐高のレーシングカーが漆黒の太陽へとぶち当たる。
ーーその時、音が消え……
漆黒の太陽が霧散した。
そして、送れて鳴る……
"シュパッ!!"
空気が破裂する音
「これが真・正拳突きだ。我の武は太陽をも打ち砕く」
里石の放った正拳突きが漆黒の太陽を霧散させた。
だが、その一撃が邪竜を本気にさせた。
"グォォォォォアァォォアアア!"
世界を轟かせるほどの咆吼を上げ、無数の黒い球が出現。
一斉に佐高のレーシングカーに向かっていく。
まるで雨のよう激しい攻撃
しかし、その隙間ない攻撃を流れるように避けていく佐高
「この程度朝飯前ですよ。後は任せました!和歌太郎さん!」
敵の攻撃を全て引きつけ、佐高の車は空を駆け巡る。
空に刻まれた光の道がまるで和歌太郎にエールを送っているように見える。
そして、そのエールは届いた。
「受け取ったよ!」
和歌太郎が右手に罪の業剣を邪竜へと向ける。
「ほな行くか!奴に引導を渡しに!」
多古山が深くニット棒を被り、ステルス戦闘機に乗り込む。
和歌太郎も続けて後部座席に乗り込む。
「じゃあ作戦通りよろしく!」
「おう!この浪速のスピードスターに任せとき!!」
そう言い多古山は"推進力"を最大出力で使用し、ステルス戦闘機B-2が急加速。
邪竜D・Cの元へ一直線に突っ込んでいく。
その速度は音の壁を突き破り、音速に至る。
「"開発"!」
ステルス戦闘機の先端にランスのような突起物が出現。
和歌太郎が能力にてステルス戦闘機を変形させたのだ。
「いくでぇぇぇ!!!」
多古山はそのまま邪竜の身体目掛けて突っ込む。
だが、その圧倒的な速度に邪竜は反応し、身を翻し避ける。
そしてお返しとばかりに長い尾でステルス戦闘機に向けて攻撃してきた。
多古山はその攻撃を機体を旋回させる事で避ける。
まさに高速の空中線。
多古山は速度とテクニックを駆使して、邪竜の攻撃を避けながら攻撃を行う。
そして
"スパッ!!'
戦闘機先端のランスが尾に突き刺さり切断したのだ。
だがほぼ同時に邪竜の爪の攻撃がステルス戦闘機に直撃。
破壊されはしないものの地面に向けて吹き飛ばされる。
戦闘機は地面へと吹き飛ばし、レーシングカーは大量の黒の球が追跡している。
もう決着が着いた。邪竜はそう思った。
だが、邪竜は異変に気づく
先程までは太陽の光が明るかったのに、まるで分厚い雲に空が覆われたが如く辺りが暗い事に
邪竜は自分の上の方へと目を向ける。
すると、そこには恐ろしい程巨大な剣が落ちてきていた。
勿論、使い手は
「これが俺の最後の一撃だ!この世界にに終止符を打つ!」
和歌太郎が創り出したのは、邪竜並みの大きさの大剣
"罪の業剣を基に構築した巨大な剣
その色は透明な深紅、伝説の物質の中でも最強の物質
"賢者の石"
和歌太郎の大剣は賢者の石によってできていたのだ。
まさに"伝説の剣"
その伝説の剣が邪竜へと迫る。
邪竜は全身の銀色のオーラを全開にし、和歌太郎へと突っ込んでくる。
深紅の光と銀の光が激突した。
衝突した地点から凄まじい衝撃波が発生、世界が揺れた。
そして、訪れる静寂
「……やった…」
微かに聞こえる和歌太郎の声
地面へと落下が続いていく。
手に持つ伝説の剣は光の粒になり空へと溶けていく。
そしてーー邪竜D・Cは身体を真っ二つに切断されていた。
和歌太郎は邪竜D・Cを#倒したのだ。
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