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4章
76話 最後の戦いへ
しおりを挟む邪竜D・Cの放った漆黒の球体が地面へと炸裂。
地面は火山噴火の如き大爆発を起こし、灰と煙が辺りに漂う。
煙のせいで見えないが火山の大半が消し飛んだ。
邪竜は翼をはためかせながら立ち込める煙をじっと見つめ、何かに気づいたかのように上を見上げた。
すると邪竜より高い位置に太陽を遮るが如く、浮かぶ存在があった。
「危なかったぁー!」
その声は和歌太郎であった。
和歌太郎は上空へと避難していたのだ。
一体どうやってか?
それは
「ほんま気をつけや。」
聴き馴染みのある関西弁
「ナイスタイミングすぎて驚いたよ。ほんと死んだとばかり…」
「まぁな。逃げ際の見極めには自信あんねん。」
そう和歌太郎を助けたのは、イツカとの闘いで死んだと思われていた"多古山"であった。
和歌太郎は今多古山のスキルによって浮かぶボードに乗っている。
多古山はイツカとの戦いでトドメを刺されそうになった際、自ら気絶し先にリタイアし、逃げ延びたのだ。
「でも、よくここが分かったね」
「まぁな。7つが同じ場所に集まっているのに気づいてな。後、来たのは俺一人やないんや」
多古山はそう言って邪竜の方へと視線を向ける。
和歌太郎も釣られてそっちの方へ視線を向けると
何かが猛スピードで邪竜の前を横切った。
「やぁ、久しぶりだね」
木製の簡易的な自転車のようなものに乗って現れたのは"佐高"であった。
そして、その木製の自転車にはもう一人乗っており
「久しぶりだ」
和歌太郎の師匠の里石であった。
「佐高さん!そして、師匠も!!」
「あの時はたすけてくれてありがとう。その借りを返しに来ました。」
佐高はスイートにトドメを刺されそうな所を和歌太郎に助けられた。その恩を彼は未だに感じ続けていたのだ。
「ふむ、強くなった。今すぐにでもそなたと試合ってみたいくらいだ。じゃが、まずは奴を倒せばな」
「うん、ほんと皆来てくれてありがと!正直、空中戦というのが唯一の不安点だったけど、多古山くんのおかげでその不安点も無くなったよ。」
「おぅ!空は任せとき!」
胸を叩いて微笑む多古山
「僕と里石さんも出来る限りフォローはします。皆で倒しましょう!」
「ふむ、我の武がどこまで通用するか楽しみだ」
頼もしい仲間に和歌太郎は心躍るのを感じていた。
「うん、隠し球は無し最初から全力で行くよ!物質の支配者ー"Professional"」
和歌太郎の全身から黄金の光が溢れ出す。
あまりの眩しさに和歌太郎以外の3人は目を瞑る。
(ヨーキ……君から貰った力で俺はあいつを倒すよ!)
「-ー開発」
黄金の光が線となり、複雑な設計図に変化していき一瞬でものが完成した。
「なんや……これは戦闘機?と」
「レーシングカー!?」
多古山と佐高が驚きの声をあげる。
なんと一瞬で二人の目の前に、ステルス戦闘機と真っ赤なF1レーシングカーが出現した。
「これでサポートよろしく!」
和歌太郎は唖然とする2人に声をかける。
「コレは"スピリット"……B-2やないか。うん?材質が違う?なんやこの材質!」
多古山はステルス戦闘機Bー2に興奮気味に乗り込む
「こらの材質はオリハルコン。鉄よりも硬く、アルミより軽い。この世界に存在する伝説の物質だよ!。あと、そっちのF1も同じ材質だよ。」
「ヤベェな…」
「はい、正直震えます。ですが」
「燃えますね」
「燃えるわな」
2人は心に熱い炎を滾らせていた。
「ふははははははは、良い闘志じゃ。我の心も高鳴ってくるわ」
豪快に笑う里石
「これで準備は整ったね!邪竜の準備も整ったみたいだし」
邪竜の方へ目を向けるとそこには、メラメラと燃え上がる巨大な漆黒の太陽が浮かび上がっていた。
だが和歌太郎は笑って言葉を紡ぐ
「さぁ、最後の戦いを始めよう!」
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