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4章
75話 邪竜降臨
しおりを挟む"ワールドクエストを解放します"
視界に文字が表示された次の瞬間
地面が激しく揺れた。
そして、火山が真っ二つに割れ、洞窟内から空が見えるようになった。
「な……空が割れているーー」
和歌太郎は空を見て絶句する。
何故なら空が文字通り二つに割れていたのだ。
そして、空の割れ目から黒い何かがゆっくりと降りてくる。
「何だ?」
視界に文字が現れる。
-------------
『ワールド クエスト』
・6つの宝玉に封印されし邪竜D・Cの討伐
ーーーーーーーーーーーー
空を見れば、漆黒の鎧のような鱗を持つドラゴンが天から降りてくる。
(あれが邪竜…これが最後のクエスト…)
だが和歌太郎は一切驚いていなかった。
むしろ、口元に笑みをたたえている。
「この敵を倒せば、ついに願いを叶える事ができる。これが俺の最後の戦いだ」
和歌太郎は"罪の業剣を天より飛来する邪竜D・Cへと向ける。
"グァアアァガァァグォ"
邪竜の咆吼が鳴り響き、大地が揺れ動く。
邪竜D・C
数十メートルを超える巨体。天を覆い隠す程の両翼
全身を覆う頑強な漆黒の鱗
見るもの全てに恐怖と畏怖を感じさせる紅き眼光
確実な死を連想させる鋭い爪と牙
そして、何より全身を覆う銀色のオーラ
"人智を超えた強大な存在"
通常であれば立っている事すらままならない程の相手。
だが和歌太郎は恐れない。
何故なら
「この程度の絶望はもう飽き飽きだ。」
和歌太郎と邪竜の闘いが幕を開けた。
"グァァァアァアァ"
邪竜が和歌太郎へと向けて口を大きく開く。
口の中に漆黒のエネルギー玉が形成されていき、和歌太郎のいる地へと放たれた
周囲の空間を歪ませながら迫る黒き球体
(避ける選択肢は無さそうだね)
和歌太郎は自身の周囲へと目を向ける。
周りに地面はあるものの周囲をマグマが囲っている。
故に足場の崩壊は避けなければならなかった。
「全てを斬る!!」
和歌太郎は罪の業剣を横に一閃した。
全てを断ち切る剣と空間をも切り裂く"剣術・極み"の技により
“シュンッ"
漆黒の球体は消滅した。
邪竜が驚きのせいなのかは分からないが動きを止める。
「それにしても距離が遠い…。称号を使って足場を作って移動するにも…うーん」
和歌太郎は空中で留まる邪竜にどのように攻撃を届かせるかを考えていた。
その時、邪竜が再び動き出した。
"グォォォォォアァアォォォ"
大きく咆吼をあげる邪竜。
身体に纏う銀色のオーラが輝きを増す
そして
「なっ……」
邪竜の周囲に先程の漆黒の球体が50余り、天を覆い隠す程の数が一瞬にして出現した。
「これは冗談抜きでヤバいかも)
先程一つを消滅させたとは言え、あの数の球体を見て和歌太郎の背中に汗が流れる。
「あの数を消せるかな…いや、数が多すぎる。じゃあ"称号"を。いや称号を発動するのは今じゃない!でも…くっ」
必死で脳を回転させ、考える和歌太郎
ーーだが邪竜は待ってくれない
放たれた大量の漆黒の球体
一つ一つが大きく、破壊力は相当。
まさに"漆黒の流星郡"が
「くっ……どうする!発動するしかないのか!"物ーー
次の瞬間、黒の球体は地面へ着弾した。
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