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4章
74話 諸悪の根源2
しおりを挟む「実はね、この話には裏があるんだ」
ヨーキの悲しき真実を語ったナディル
そして、その話にはまだ続きがあると言う
「これは彼女の方の話になるんだけどね。彼女がオークションに出品される事になった要因はこの僕なのさ。彼女のくしゃみによる唾液が僕の頬に付いたんだ。信じられないだろ?そのような最大級の汚物を僕の無菌状態の頬に……。だから、賠償金を数億程度請求したんだ。すると彼女は悪びれもせず、反抗してきて、警察に言うと脅しまでしてくる始末。ほんと心まで汚物、ヤッベェ奴だったのさ。たから、僕は彼女の家族、親戚に至るまで全員に罪を背負ってもらったわけ、勿論彼女にもね。」
「………」
言葉を無くし、あまりの怒りに震える和歌太郎
「どうかしたのかい?」
ごく普通に和歌太郎の様子を伺い立てるナディル
「……言ったのか?」
「何をだい?」
「それをヨーキに言ったのか!!」
「yse勿論!」
満面の笑みで答えるナディル
「……ぶち殺す!」
和歌太郎は地面を強く蹴り、ナディルへと斬りかかる。
「"殺戮の鳥"……蘇れ!死者の大群」
和歌太郎を阻むように地面から数百体余りの魔物やプレイヤーが現れた。
これこそがナディルの称号"殺戮の鳥"ーー自身が殺したプレイヤーや魔物をアンデットとして操る事ができる。
和歌太郎の前に現れた数百を超える大群
「数こそが力。この圧倒的な力の前に貴方に何ができまー
"バシュッ!"
「へ……?」
口をあんぐりと開け、唖然とするナディル
何故ならナディルの出した大群は全て和歌太郎の一閃で塵とかした。
「数がなんだって?」
赤黒いオーラを持つ剣"罪の業剣"を驚き固まるナディルに向ける。
「……何故なんだ…」
ナディルの出したアンデットの軍は一体一体がスキルや魔法属性を持つ強力な個を持っている。故にナディルの称号は今まで破れた事が無かった。
だが
「お前など俺の相手ではないよ。お前は弱い!」
様々プレイヤーとの出会い、別れ、闘いが和歌太郎を精神、肉体共に強くした。
そして、それこそがナディルと和歌太郎との決定的な差であった。
「強い……強いね。これはかなりヤッベェ、ヤッベェけれども…僕にはまだあるのさ……"精神崩壊"」
ナディルの瞳、黒目と白目が反転した。
「うっ……」
和歌太郎が膝から崩れ落ちる。
「ふふふ……"精神崩壊"。これこそが僕の核なる力。どのプレイヤーもこの力の前には無力。これで宝玉が揃う!!」
両手を広げて、高らかに笑うナディル
スキル"精神崩壊"は半径100メートル以内の対象の精神を破壊する。精神を破壊されたプレイヤーの大半はショックにより死亡する。
最強の技
ーーだった。
「いない!?」
ナディルが気づいた時、和歌太郎の姿はそこに無かった。
「俺に精神系の能力は効かないよ…」
和歌太郎はナディルの背後に立っていた。
「何!?」
ナディルは急いで距離を取ろうとするが、和歌太郎の身体能力に叶うはずもなく
「ウアァァオァァァァ!!!」
両足を切断されたナディルは悲鳴をあげる。
「お前からは今まで出会ったどの誰よりも血の臭いと下衆の臭いがする」
和歌太郎は地面を這いずるナディルを冷ややかな瞳で見下ろす
「痛ぇ…痛ぇよぉー。、、おい、お前何が望みだ?金か……女か……権力か!!言ってみろ僕が叶えてやる!」
涙を流し、鼻水を垂らしながら必死に話しかけるナディル
当初の余裕は一切無くなっている。
「俺の願いは君じゃ叶えられない。君は罪を重ね過ぎた…」
剣を振り上げる和歌太郎
「や、や、やめろ!!もう一度だ!!!精神崩壊!!!!」
ナディルはもう一度和歌太郎に精神崩壊を使用する。
しかし、和歌太郎には効かない
スキル:精神耐性によって和歌太郎に精神系に能力は効かないのだ。
「さよならだ!」
和歌太郎の剣がナディルの首を刎ねた。
首を失ったナディルはそのまま地面に倒れ込み、動がなくなった。
ナディルの死
そして、それは和歌太郎に元に6つの宝玉が集まった事を意味する。
"6つの宝玉の収集を確認"
"ワールドクエストを解放します"
その時……天が割れた
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