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3章
62話 乱入
しおりを挟む影から影へ移動し、音も気配も無くナイフで刺しに来る
神出鬼没な5人のカワデン
和歌太郎は高速で動き回る事で何とか回避し続ける。
「へへへへ…」
「へへへへ!」
「……ウヒっ…」
「…殺す……へへへへ」
「へへへ……」
5体のカワデンの不気味な笑い声がアトラクションゾーンに響く。
和歌太郎はアトラクションゾーンを駆け巡る。
どこから出現するか分からないカワデンの攻撃を高い身体能力を駆使して避ける。
「高いところならどうだ!!」
和歌太郎はそういうと観覧車を駆け上っていく。
だが、そこに影がある限りカワデンは現れる。
足元の影に現れたカワデンが和歌太郎にナイフを向ける。
和歌太郎はそのナイフに"切削"を使い、刃物を折る。
更にカワデンへと蹴りを放つ。
だが
「…消えた。」
和歌太郎の蹴りはカワデンに当たった。
しかし、カワデンは蹴りを喰らった瞬間に紫の煙と化した。
「なっ!」
困惑する間もなく、新たなカワデンが和歌太郎の真下から現れた。
和歌太郎は避けるために観覧車から飛び降りる。
だが着地地点には既に4体のカワデンが待ち受けている。
「"金属加工"メルヘン崩し!!」
和歌太郎の背後の観覧車がバラバラに崩壊した。
観覧車の残骸が下にいるカワデンへと降り注ぐ。
和歌太郎は観覧車を登りながら力の負荷か多くかかる集中点に穴や切り込みを入れて崩れるように仕向けたのだ。
和歌太郎はその残骸に乗じて、地面へ降り立ち
バラバラに散らばったカワデンの一体にわき目も振らず接近
剣を振るった。
「ーーグフっ!!」
カワデンが吹き飛び、他の4体が煙となり消えた。
ーーまさに電光石火。
「やっぱり殺気までは分身できないみたいだね」
和歌太郎は観覧車から飛び降り、すべてのカワデンの位置を把握し、僅かな殺気の差を読み取り本物を選び抜いたのだ。
「大丈夫……峰打ちだよ」
カワデンは和歌太郎の鞘による一撃を喰らい、煙の分身が消失。
あまりのダメージにカワデンは立ち上がれない。
「ごめんだけど、君にはリタイヤしてもらう」
和歌太郎は吹き飛んだカワデンの方へ気絶させようと向かう。
その時
"ドーーン"
突然、カワデンの上に何かが落下し轟音が鳴り響いた。
和歌太郎は、反射的に剣を抜き警戒する。
「あっ……何か轢いてるし、最悪だわ。ここに置いたのテメェか?あぁ゛?」
「違う。これじゃ助からない……」
カワデンはイツカの空からの一撃によって全身を強打
既に事切れていた。
カワデンの身体が粒子と化していく…
「お前のせいで協力相手轢いてしまったやろが!!あ゛ぁ?」
イツカは殺した相手がカワデンである事に気づき、何故が和歌太郎にキレ始める。
「全く話ならない……。後、多古山君はどうしたんだ」
「あぁ…あの関西弁ね。消し炭にしてやった…。跡形も残って無かったぜ」
まるで自慢するかのように笑いながら話すイツカに対し
「そう……どうやら君は殺してもいい人のようだね」
和歌太郎の殺気が急激に膨れ上がった。
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