DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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3章

57話 待合室

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転送された和歌太郎は再び待合室に戻っていた。

そこには和歌太郎がナンバープレートを譲った多古山が一人ラーメンをすすり食っていた。

「をおっ!兄さんやないか!さっきはほんまありがとうやで」

待合室に戻ってきた和歌太郎に気づいた多古山が急いで立ち上がり和歌太郎に頭を下げる。

「あっ!さっきの人。良かった無事チェックポイントに行けたんだ」

「おぅ。待合室にもどったら体力も傷もすっかり回復や。それにしても兄さん、あの女倒したんか!」

「うん、まぁね。ここってクリアした人が来るのかな?」

「確かにそれっぽいわ。って事は後数人くるんかもしれへんな」

「かもね。それまでゆっくりって事かな?」

「まぁな。こんな飯もう食えるか分かれへんし、堪能しようや」

「そうだね!」

和歌太郎は多古山と会話と食事ををしながら時間を潰すことにした。

そして二人で話始めて10分程が経過した時、ほぼ同時に2人のプレイヤーが待合室に現れた。

一人は

「へへへ…」

和歌太郎と多古山を見るや否や顔を真っ赤にし、薄ら笑いを浮かべながらそそくさと席に座る男。
自己紹介の時和歌太郎と隣の席に座っていた少し不気味な男。
"カワデン'である。  

そして、もう一人は

「ふむふむ……この状況を察するにこの場にいる人達はクリア者というわけですか」

上下黒ジャージのエルフの男性"イツカ"であった。
イツカはメガネを人差し指で押し上げ、ぶつぶつと呟きながら席についた。

すると中央の画面に文字が現れた。

"神経衰弱"クリア者4名"
"次のゲームまで30分"

画面に残り時間が表示される。

「ふむふむ10人から4人。この減りを考えますと次のゲームがラストな確率が高いですね。」

エルフ族のプレイヤー"イツカ"がその場のプレイヤー全員に聞こるくらいの少し大きなの声で呟いた。
その一言に対して和歌太郎を含めた3人は頷く。

「ここで提案なのですが、私に宝玉を譲ってくれませんか?」

「えっ!」

「はぁ……何言ってるんか分かってるんか?」

「………」

イツカの爆弾発言に場がピリつく

「これは提案ですよ。私は宝玉を集める一つのグループに所属しています。もし、譲って頂けるならば私達の長から現実世界にて多額の報酬を渡すことを約束できますよ。悪くない話では無いですか?」

「確かに俺には数億という金が欲しい。やけどその長とやらが信用できる保証がどこにあんねん!」

「それはあの方に会えば分かりますよ。私も当初は宝玉を一人で集めるつもりでしたがあの方にあって思いました。無理だと、敵わないと、格が違うと…。ですがあの方は寛容です。手伝えば現実世界で数十億の財を与えると誓ってくれました。どうです多古山さん?」

「ふーん、俺はええわ。会った事ないけど何か嫌いやわ」

「ふん、後で必ず後悔しますよ!和歌太郎さん、カワデンさんはどうですか?数十億ですよ?」

多古山にあっさりと振られたイツカは、和歌太郎とカワデンに話を振る。

「うーん、俺もいいかな?俺の願いはお金じゃ解決できないしね」

「へへへへ……」

和歌太郎も話を断る。
カワデンに至っては薄ら笑いを浮かべるのみ

「そうですか……ゔぅっ…キモ!本当に頭悪い奴ら!マジファック!!」

突然頭を押さえると人格が変わったかのように悪態をつき始め、和歌太郎達3人に中指を立てるイツカ

(まただ……やはり二重人格って奴かな。それにしても宝玉を集めているグループ。かなり要注意だね)

「テメェら後で後悔しても襲いからな!」

イツカが暴言を吐き散らかすが他の3名は無言。

その後、4人のプレイヤー間に会話はなく、皆黙々と時間を過ごした。

そして、カウンドダウンが0になり、次のゲーム名が表示された。


final ゲーム"宝玉探し"
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