DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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2章

35話 黒衣の中

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ついに馬根から黒衣を剥ぎ取ることに成功した和歌太郎とヨーキ
作戦の成功に二人は

「「よっしゃあ!!!」

声を合わせて喜んだ。
しかし、喜びも束の間、露わになった黒衣の中の姿に絶句。

黒衣の中、アンダーウェアのみの姿の馬根は異様であった。
生気を感じない青白い肌、痩せ細り、肋がくっきりと浮き出た骨と皮のみの肉体。そして、全身にびっしり刻まれた"黒の紋様"

「「--!!!」」

2人の全身に強烈な悪寒が疾る。
変わらず馬根は倒れたままで変化は無いが、明らかに纏う雰囲気が変貌した。

「一旦離れるぞ!」
「うん!」

和歌太郎とヨーキは自らの直感を優先しその場から一気に距離を取り、madderの近くまで下がる。

「はぁ……アンタ達…やってくれたわね」

戻ってきた和歌太郎達に最悪だと言わんばかりのmadder
肘先を無くし、大量の出血と激しい痛みにより額に脂汗を垂らし、息も途切れ途切れで相当危険な状態なのが窺える。

「あっ!そうだ!」

苦しそうなmadderを見て、和歌太郎は思い出したとばかりに異次元boxより何か瓶のようなものを取り出した。

「madder。これ飲んで!」

「何!?……ってこれ回復薬じゃない!これを私に渡して一体どういう算段?」

「いや算段も何もないよ。正直俺も君の事はよく分かってないけど君は良い人だと思う。だから死んで欲しくないんだ」

和歌太郎は深読みして疑うmadderに対し正直な心の内を打ち明ける。

「……本当に馬鹿を通り越したお人好しね。でもいいわ。貰ってあげる。後で後悔しても知らないわよ」

「うん、3本あるから1本は飲んで、もう1本は傷口に掛けるといいよ」

そう言って2本の回復薬が入った瓶を渡す。
madderはそれを何も言わずに受け取り、和歌太郎の言う通りに1本は飲んで、もう一本を未だ出血が止まらない片腕にかけた。
すると、みるみる内に出血が止まり、madderの顔色が良くなる。

「後、もう1本あるからヨーキにも。はいっ!」

そういうと和歌太郎はヨーキに対しても回復薬の瓶を投げる。

「お、おい!」

ヨーキは慌てて回復薬の瓶を受け取る。

「かなりダメージ受けてるよね。一応飲んでおいてよ」

和歌太郎は自身も相当のダメージを受けてるにも関わらず、ヨーキにも回復役を渡す。

しかし、

「はぁ、ほんとお前の優しさには叶わないぜ。だがお前も左腕折れてるだろ。俺は半分で十分だからもう半分はお前が使うといいぜ」

ヨーキは回復薬を半分飲むと和歌太郎に再び返した。

「じゃあ、お言葉に甘えてもらうね」

和歌太郎は自身の折れた左腕に回復薬をかける。
折れて紫色になっていた腕が正常な色になる。

「これで準備万全だね!!さぁ、今度こそアイツを皆で倒そう!!」
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