36 / 81
2章
35話 黒衣の中
しおりを挟む
ついに馬根から黒衣を剥ぎ取ることに成功した和歌太郎とヨーキ
作戦の成功に二人は
「「よっしゃあ!!!」
声を合わせて喜んだ。
しかし、喜びも束の間、露わになった黒衣の中の姿に絶句。
黒衣の中、アンダーウェアのみの姿の馬根は異様であった。
生気を感じない青白い肌、痩せ細り、肋がくっきりと浮き出た骨と皮のみの肉体。そして、全身にびっしり刻まれた"黒の紋様"
「「--!!!」」
2人の全身に強烈な悪寒が疾る。
変わらず馬根は倒れたままで変化は無いが、明らかに纏う雰囲気が変貌した。
「一旦離れるぞ!」
「うん!」
和歌太郎とヨーキは自らの直感を優先しその場から一気に距離を取り、madderの近くまで下がる。
「はぁ……アンタ達…やってくれたわね」
戻ってきた和歌太郎達に最悪だと言わんばかりのmadder
肘先を無くし、大量の出血と激しい痛みにより額に脂汗を垂らし、息も途切れ途切れで相当危険な状態なのが窺える。
「あっ!そうだ!」
苦しそうなmadderを見て、和歌太郎は思い出したとばかりに異次元boxより何か瓶のようなものを取り出した。
「madder。これ飲んで!」
「何!?……ってこれ回復薬じゃない!これを私に渡して一体どういう算段?」
「いや算段も何もないよ。正直俺も君の事はよく分かってないけど君は良い人だと思う。だから死んで欲しくないんだ」
和歌太郎は深読みして疑うmadderに対し正直な心の内を打ち明ける。
「……本当に馬鹿を通り越したお人好しね。でもいいわ。貰ってあげる。後で後悔しても知らないわよ」
「うん、3本あるから1本は飲んで、もう1本は傷口に掛けるといいよ」
そう言って2本の回復薬が入った瓶を渡す。
madderはそれを何も言わずに受け取り、和歌太郎の言う通りに1本は飲んで、もう一本を未だ出血が止まらない片腕にかけた。
すると、みるみる内に出血が止まり、madderの顔色が良くなる。
「後、もう1本あるからヨーキにも。はいっ!」
そういうと和歌太郎はヨーキに対しても回復薬の瓶を投げる。
「お、おい!」
ヨーキは慌てて回復薬の瓶を受け取る。
「かなりダメージ受けてるよね。一応飲んでおいてよ」
和歌太郎は自身も相当のダメージを受けてるにも関わらず、ヨーキにも回復役を渡す。
しかし、
「はぁ、ほんとお前の優しさには叶わないぜ。だがお前も左腕折れてるだろ。俺は半分で十分だからもう半分はお前が使うといいぜ」
ヨーキは回復薬を半分飲むと和歌太郎に再び返した。
「じゃあ、お言葉に甘えてもらうね」
和歌太郎は自身の折れた左腕に回復薬をかける。
折れて紫色になっていた腕が正常な色になる。
「これで準備万全だね!!さぁ、今度こそアイツを皆で倒そう!!」
作戦の成功に二人は
「「よっしゃあ!!!」
声を合わせて喜んだ。
しかし、喜びも束の間、露わになった黒衣の中の姿に絶句。
黒衣の中、アンダーウェアのみの姿の馬根は異様であった。
生気を感じない青白い肌、痩せ細り、肋がくっきりと浮き出た骨と皮のみの肉体。そして、全身にびっしり刻まれた"黒の紋様"
「「--!!!」」
2人の全身に強烈な悪寒が疾る。
変わらず馬根は倒れたままで変化は無いが、明らかに纏う雰囲気が変貌した。
「一旦離れるぞ!」
「うん!」
和歌太郎とヨーキは自らの直感を優先しその場から一気に距離を取り、madderの近くまで下がる。
「はぁ……アンタ達…やってくれたわね」
戻ってきた和歌太郎達に最悪だと言わんばかりのmadder
肘先を無くし、大量の出血と激しい痛みにより額に脂汗を垂らし、息も途切れ途切れで相当危険な状態なのが窺える。
「あっ!そうだ!」
苦しそうなmadderを見て、和歌太郎は思い出したとばかりに異次元boxより何か瓶のようなものを取り出した。
「madder。これ飲んで!」
「何!?……ってこれ回復薬じゃない!これを私に渡して一体どういう算段?」
「いや算段も何もないよ。正直俺も君の事はよく分かってないけど君は良い人だと思う。だから死んで欲しくないんだ」
和歌太郎は深読みして疑うmadderに対し正直な心の内を打ち明ける。
「……本当に馬鹿を通り越したお人好しね。でもいいわ。貰ってあげる。後で後悔しても知らないわよ」
「うん、3本あるから1本は飲んで、もう1本は傷口に掛けるといいよ」
そう言って2本の回復薬が入った瓶を渡す。
madderはそれを何も言わずに受け取り、和歌太郎の言う通りに1本は飲んで、もう一本を未だ出血が止まらない片腕にかけた。
すると、みるみる内に出血が止まり、madderの顔色が良くなる。
「後、もう1本あるからヨーキにも。はいっ!」
そういうと和歌太郎はヨーキに対しても回復薬の瓶を投げる。
「お、おい!」
ヨーキは慌てて回復薬の瓶を受け取る。
「かなりダメージ受けてるよね。一応飲んでおいてよ」
和歌太郎は自身も相当のダメージを受けてるにも関わらず、ヨーキにも回復役を渡す。
しかし、
「はぁ、ほんとお前の優しさには叶わないぜ。だがお前も左腕折れてるだろ。俺は半分で十分だからもう半分はお前が使うといいぜ」
ヨーキは回復薬を半分飲むと和歌太郎に再び返した。
「じゃあ、お言葉に甘えてもらうね」
和歌太郎は自身の折れた左腕に回復薬をかける。
折れて紫色になっていた腕が正常な色になる。
「これで準備万全だね!!さぁ、今度こそアイツを皆で倒そう!!」
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~
深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公
じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい
…この世界でも生きていける術は用意している
責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう
という訳で異世界暮らし始めちゃいます?
※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです
※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……

侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
成長促進と願望チートで、異世界転生スローライフ?
後藤蓮
ファンタジー
20年生きてきて不幸なことしかなかった青年は、無職となったその日に、女子高生二人を助けた代償として、トラックに轢かれて死んでしまう。
目が覚めたと思ったら、そこは知らない場所。そこでいきなり神様とか名乗る爺さんと出会い、流れで俺は異世界転生することになった。
日本で20年生きた人生は運が悪い人生だった。来世は運が良くて幸せな人生になるといいな..........。
そんな思いを胸に、神様からもらった成長促進と願望というチートスキルを持って青年は異世界転生する。
さて、新しい人生はどんな人生になるのかな?
※ 第11回ファンタジー小説大賞参加してます 。投票よろしくお願いします!
◇◇◇◇◇◇◇◇
お気に入り、感想貰えると作者がとても喜びますので、是非お願いします。
執筆スピードは、ゆるーくまったりとやっていきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇
9/3 0時 HOTランキング一位頂きました!ありがとうございます!
9/4 7時 24hランキング人気・ファンタジー部門、一位頂きました!ありがとうございます!
もう私、好きなようにさせていただきますね? 〜とりあえず、元婚約者はコテンパン〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「婚約破棄ですね、はいどうぞ」
婚約者から、婚約破棄を言い渡されたので、そういう対応を致しました。
もう面倒だし、食い下がる事も辞めたのですが、まぁ家族が許してくれたから全ては大団円ですね。
……え? いまさら何ですか? 殿下。
そんな虫のいいお話に、まさか私が「はい分かりました」と頷くとは思っていませんよね?
もう私の、使い潰されるだけの生活からは解放されたのです。
だって私はもう貴方の婚約者ではありませんから。
これはそうやって、自らが得た自由の為に戦う令嬢の物語。
※本作はそれぞれ違うタイプのざまぁをお届けする、『野菜の夏休みざまぁ』作品、4作の内の1作です。
他作品は検索画面で『野菜の夏休みざまぁ』と打つとヒット致します。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる