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3章
45話 招待状
しおりを挟む【招待状】
madderから受け継いだ招待状と書かれた紙
特に記載や説明はなく、場所と残り時間のみが示されている。
場所は地図内で8ヶ所程示されており
和歌太郎が最初に見たときには14日と表示されていた残り時間も今では1時間に迫っていた。
和歌太郎が選んだ指定場所は竹林ゾーンと山岳ゾーンの境界の箇所。最も遺跡ダンジョンから近い地点である。
「ここら辺だと思うんだけど……」
不安になる和歌太郎
指定された場所は何て特徴のない場所であった。
ちょうど竹林が途切れ、なだらかな山道に切り替わっている。
まさに境界だ。
「後1時間あるし、少し待ってみようかな。うん?」
気ままに待とうとした和歌太郎の手に持っていた招待状が急に輝き出した。
そして招待状からホログラムの文字が飛び出した。
------------------
【★エキストラクエスト】
○選ばれし者の宴
クリア報酬 質問権,緑の宝玉
参加条件 招待状保持
このクエストを受諾しますか? YES or NO
------------------
突如出現した"エキストラクエスト"
そして、その報酬には宝玉の文字が
「今までとは違って選択式のクエスト?でも、報酬が宝玉ならばやるしかないよね!」
和歌太郎はYESを選択する。
すると次の瞬間、和歌太郎の視界が真っ白に包まれた。
ーーーーーーー
再び視界が戻った時には、先程とは全く違う光景が広がっていた。
「え、円卓?」
ホテルの一室のような高級感あふれる部屋の中央に円卓があり、席が10席用意されている。
そして、円卓の中央にはかなり大きいホログラムの画面が表示されている。
それもどの席からでも見えるように三角錐のような形状だ。
「うーん、どういう事なんだろう。後、誰も席に座っていないし…….とりあえず座ろっかな」
しかし、その円卓には誰も座っておらず、部屋にも人影はない。
和歌太郎は円卓の席に座る
そして改めて室内を観察する。
まず目に止まったのは目の前の大きな画面である。
そこには文字が書かれており
「えーと、この部屋において他者への干渉を禁ずる。どういう事なんだろう?他者って言っても誰もいないし」
顎に手を当て悩む和歌太郎。
そして数十分の時間が経過した時、変化が訪れた。
部屋の電気が消え、真っ暗になったのだ。
加えて和歌太郎自身にも変化が起きていた。
(あれ?声が出ない)
"パンッ"という音が響き、前の画面に光が付いた。
そして、文字が映し出される。
"ようこそ。皆さま。
ここは待合室です。この部屋においてはプレイヤー同士の干渉を禁じています。まずは参加者の皆様同士で順に自己紹介をお願いします。"
(自己紹介?他にも人がいる?でも匂いは全然しないし……)
和歌太郎が戸惑っていると対面の一席にライトアップされた。
先程は誰も座っていなかった席に人の姿がある。どうやら部屋が暗く見えないが各席に人が座っているようだ。
「まいどぉ~。わては生まれも育ちも大阪。多古山とはわてのことや。みんなよろしゅう」
席から立ち上がり、人の良さそうな笑みを浮かべながら堂々と喋る関西弁の男。多古山。
ニット帽を深く被り、上下は緑のオーバーオール。口には棒付きの飴を加えている。
和歌太郎は未だ声を出せないため、鑑定を試みる。
しかし
(鑑定ができない……もしかして鑑定も干渉に含まれるということかな)
最初に画面に記載されていた文"プレイヤー同士の干渉を禁ずる"という言葉を改めて理解する和歌太郎
鑑定が使用できないため和歌太郎は多古山を自身の目で見定める。
(かなり温和そうだけど、内側に熱い灼熱の気を感じる。この人はかなり強そうだ)
和歌太郎は里石との修行により、他者の力量をある程度測れるようになっていた。
多古山が席に着き、再び室内は暗転。
何も見えなくなる。
どうやら自己紹介を行う人のみに光が照らされ言葉を発言できるようだ。
それから順に8人の男女が自己紹介をしていった。
そして、ついに和歌太郎の番が来た。
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火の加護(火魔法 小)
水の加護(水魔法 小)
風の加護(風魔法 小)
地の加護(大地の魔法 小)
空の加護(空間の魔法 小)
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