DEATH GAME ー宝玉争奪戦

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2章

33話 協力

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黒衣の男"パイン"に対し、一時的に共闘する事になった3人

「……これでいけるはずだぜ」

ヨーキの言葉にうなずく和歌太郎とmadder
ヨーキの推測をもとに黒衣の男"パイン"を倒す作戦を3人を考えたのでえる。

「それにしても、案外見つからないね?」

和歌太郎が家屋の窓から顔を出して言う。
ちなみに状況説明から作戦決定まで10分程度はかかっている。
ヨーキの話では、madderの察知能力は高く、すぐ見つかるとのことらしいが、

「嗅覚で分からないか?」

見つからない事に少し違和感を感じ取ったヨーキが和歌太郎に尋ねる。

「うーん、室内だとね。少し窓を開けていいかな?」

窓を指差す和歌太郎

「いいわ。見つかった所で後は作戦を遂行するだけだし」

madderの言葉を受け和歌太郎は窓を開ける。
目を閉じ嗅覚に意識を集中させる。

(さっきの臭いを思い出すんだ……)

(……いない)

(……いない)

「ーーいた!」

和歌太郎の嗅覚が"パイン"を反応を捉えたようだ。

「「どこに?」」

「ここから300メートルくらい?村の入り口の方…そこにいるみたい。でも、他にも一人いるみたい」

和歌太郎の嗅覚は、パインの近くに1人の反応を捉えた。
そして、その反応は

「madder……君の配下。僕が気絶させた相手みたいだ。」

和歌太郎が捉えた反応は、オタクっぽい青年"アレクサンダー"のものだった。
どうやら気絶から回復したアレクサンダーがパインと戦闘しているようだ。

「ちなみに状況はーー「行くわよ……味方は多い方がいいでしょ」

詳細を聞こうとしたヨーキの言葉を遮り、madderは入り口の方へと向かう。

「うん!早く行こう。彼の速度があっても一対一はきついと思うし」

「あぁ、急ごうぜ」


和歌太郎の先導でアレクサンダーの元へと向かうことに


******

アレクサンダーと合流すべく、村の入り口へと進む和歌太郎達だが、先頭を走る和歌太郎の足が途中で止まった。

「……間に合わなかった」

その声音と和歌太郎の悲しげな表情が全てを語っていた。

「くっ!……」

悔しくそうに舌を打つヨーキ。
だがmadderは違った。

"ダンっ!!"

地面を強く蹴り、その場から消えたかに思えるような速度でその場から駆け出した。

(やっぱりmadderは俺が思っているような悪い奴ではないのかも)

時折見せる仲間を思うような部分に和歌太郎のmadderに対する見方が変化してきていた。そして、それはヨーキも同じだったようで

「俺たちも追おうぜ。奴は倒すべき敵だが死ぬべき奴じゃないからな」
 
「うん、行こう」

急いでmadderを追う2人


*****

ーー村の入り口の少し開けた場所

ついにmadderに追いついた和歌太郎とヨーキ
madderはまだ戦闘に入らず、動きを止めていた。

いや、固まっていたと言う方が正確だろう。

最初に目に入るのは、周囲に飛び散るおびただしい血肉
そして、アレクサンダーのものと思われる腕をパインが

ーームシャムシャと貪っていた。

骨肉を噛み砕く咀嚼音のみが響く

「……殺す…」

madderが爆発的な速度で黒衣の男へと迫る。
その速度は今まで最速

次の瞬間にはmadderの右のガントレットが

"バゴォンッ!!"

パインの顔面を打ち抜いた。
盛大な音を立て、まるで人形の如く吹き飛ぶパイン

そして、吹き飛ぶパインにすぐさま追走するmadder

「もしかして効いた!?」

「いや……。だが作戦のチャンスかもしれないぜ。俺たちも行くぞ」

ヨーキが今がチャンスと戦闘に加わろうとする。

「ま、待って!」

和歌太郎がヨーキの服を引っ張り動きを止める。

「うん、どうした!」

「madderの様子が何か変だよ」

madderは2撃目を放たず、固まっていた。
パインを見つめたまま。

「……お前だったの」

パインの黒衣のフードが衝撃で取れ、顔が露わになっていた。
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