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2章
26話 side madder
しおりを挟む"madder"
それは彼女がゲームなどでよく使用するユーザー名
彼女は幼い頃からゲームやコンピュータが好きで、その世界にのめり込んだ。
その結果、若干15歳で彼女はネット上で数々の人気ゲームを作成する、有名なゲームプログラマーとなった。また、一方で知る人ぞ知るwizard級のハッカーでもあった。
そう、彼女には"天賦の才"があった。
それも人とは一線を画すほどの
だが周りの人間は秀でた才能を持つ彼女を良く思わなかった。
故に常に一人ぼっちであった。
しかし、彼女は決して諦めなかった。
だが彼女に向けられる嫉妬、羨望は、いじめとなって彼女を襲った。
ーー結果
彼女の心は折れた。
部屋に引きこもり、電子の世界にひたすらに引き篭もった。
電子の世界が本当の居場所のように感じていた。
だが、そんな彼女にある時、救いとなる人物が現れた。
それはネットで知り合った女性であった。
その女性は30歳で世界を旅して、ボランティアをしているとのこと。
ネットでは知り得ない驚きの話に彼女はのめり込んだ。
それから2人は密に連絡を取り合うようになり、女性から直接会おうとの連絡を受けた。
彼女は悩んだが、もう一度心を開いてみようと女性と会うことを決めた。
数年ぶりの外の世界に目眩を覚えたが、女性と一緒に見る外の世界は、自身の思い出の中より色鮮やかに輝いてみえた。
長く閉ざされた心の氷が女性との出会いにより溶けたのだ。
それから彼女と女性は、年齢や境遇も関係なく、まるで昔からの親友のように楽しい日々を送った。
だがーー
幸せな日々は突然失われた。
"ボランティア女性殺害事件"
犯人は20代前半の引きこもり男性、青年Aであった。
女性は彼女のような心を閉ざした人を救おうと、引きこもり支援のプロジェクトに参加した。
そして、担当したのが青年Aであった。
青年Aは、高校時代に壮絶ないじめを受け、ひきこもりとなった。
女性はそんな青年Aに対して、彼女と同様にネットを通じて接触を試みた。
最初は、無愛想であった青年Aも徐々に女性に心を許していき、2人は会うことになった。
しかし、青年Aの自宅に訪問した女性に待っていたのは"死"であった。
女性は、1人の若き青年が心を開いていく事が嬉しかった。
それ故に気づかなかった。"深く刻まれ悪意に"
青年Aは社会に対して、人間に対して深い恨みを持ってた。
それは女性の慈愛さえ届かないほどに
彼女は人の善意を信じ過ぎた。
青年Aは、後に語っている。
自分が外の世界を知らないのに、外の世界を楽しげに話す女に腹が立ち、殺意が湧いた。と
この事実を彼女が知ったのは、ネットのニュースであった。
彼女は再び、部屋へと引きこもった。
犯人である"青年A"へと強い復讐心を宿して
彼女は女性と出会い、辞めたハッキング行為を再び解禁し、政府の情報セキュリティーを乗っ取り、青年Aの個人情報を剥き出しに、家族構成、性的嗜好をネット上で拡散した。
社会的な抹消である。
結果"青年A"は無期懲役となった。
だが彼女の心は一切晴れなかった。
何をしても虚しさが胸を支配し、あらゆる感情が消失した。
何も食べず、何も飲まず、このまま死んでいく。
そんなこのまま死を待つだけの彼女をいきなり光が包んだ。
そして、再び灯る希望の光
ゲームクリアの報酬"何でも願いを叶える権利"
「絶対に救うから!!さやえ!」
何をしてでも、何を犠牲にしてでも必ず叶えると誓って……
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