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2章
23話 苦戦
しおりを挟むmadderの配下の一人"アレクサンダー"
名前とは裏腹に眼鏡をかけた小太りのオタクのような男
しかし
(この男を舐めていたのは俺だったのか)
和歌太郎はアレクサンダーの認識を間違えていたらしい事に気付く。
和歌太郎はいつもの攻撃方である犬人族の機動力を活かした剣による攻撃。
だが剣はアレクサンダーを捕らえられずにいた。
(捉えきれないっ!)
剣が何度も空を切る。
「死に行く貴様に僕のスキルを教えてやるでありますよ!僕はあいつらみたいな卑怯者じゃないでありますし、まず、一つ目は--」
一瞬にして、和歌太郎の横を通り過ぎる。
剣で防御の体勢をとるのが精一杯でアレクサンダーを動きに対応することができない。
「短距離間での加速力の上昇"瞬加速"。そして、2つ目はーー」
再び瞬加速で距離を詰めてくると同時に剣を振るうアレクサンダー
だが、和歌太郎も今まで様々な魔物と戦ってきた。
数々の戦いに身を置く事で得た力"経験則"により、アレクサンダーの剣をなんとか剣で防いだ。
ーーしかし
「がガッ!!?」
剣を地面に落とし、片膝をつく和歌太郎。
「もう一つは"感電でありますよ。僕の攻撃に触れたものに高圧の電流を走らせ、痺れさせる。防御不可の攻撃なのであります。貴様はなす術もなく負けるのであります」
「くっ……(痺れのせいで手に力が入らない。)」
和歌太郎の武器は、巧みな剣術と犬人族の機動力。
だが、剣も速度も封じられた八方塞がり
「もう終わりであります!貴様みたいな奴でも苦しまずに一瞬で殺してあげます」
アレクサンダーは瞬加速を発動し、剣の間合いまで一瞬で入る。
和歌太郎は未だに膝をついたまま
「さよなら!であります」
アレクサンダーの剣が和歌太郎目掛けて振り下ろされる。
「--なっ!」
思わず声が出るアレクサンダー
なんと和歌太郎は剣が当たるギリギリで地面を思い切り蹴り、剣を避けたのだ。
「貴様……往生際が悪いでありますぞっ!」
トドメの一撃を避けられ腹を立てるアレクサンダー
対する和歌太郎は笑みを浮かべる。
「へへへっ。それが俺の持ち味でね。!勝負はこれからだよ」
痺れが残った身体で何とか立ち上がった和歌太郎は
ーーー近くの家屋に飛び込むように逃げ込んだ
「逃げるでありますか。本当に往生際が悪い奴であります。さぁ狩りを始めるであります」
悠然と和歌太郎が逃げ込んだ家屋へと向かうアレクサンダー
圧倒的優位からくる笑みを浮かべながら
しかし
彼は気づかずにいた。
狩場に踏み入ったのは自分だという事に……
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