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2章
22話 side アレクサンダー
しおりを挟む僕は、ごく普通のアニメ好きの両親の元に生まれた。
だが、不幸はそこにあったのかもしれない。
命名 : 散田 荒駒 (さんだ あれく)
アニメ好きの両親が名付けた俗に言うキラキラネームだ。
だが名前とは異なり、一人で本を読む事が好きな大人しい地味目な少年だった。
最初はいじり程度だった。
小太りで地味な自分と派手な名前とのギャップをいじる。そう子供の戯れ程度のものだ。
しかし、成長と共に"いじり"は"いじめ"に変化していった。
いじめも最初は、学校にバレないように行う小さな陰湿なものだった。だが、それは次第にヒートアップして行き、高校3年の夏には、全身に焼き炭を当てられ、僕は大きな火傷を覆い、全治半年の重傷を負った。
だが、そんな僕にも味方はいた。
それは両親だ。
両親は僕のために仕事や家庭を犠牲にしてでも助けてくれた。
僕のために何度も転校処理をしてくれて、何度も学校に抗議をしてくれた。
でも、両親の頑張りは報われなかった。
一庶民の抵抗など大きな権力の前には無に等しく
最終的には過度のストレスによる自殺
俺は引きこもった。
アニメや漫画の世界に逃げた。
だが、逃げても現実は変わらずそこにある。
苦しみは紛れても、消えることはない。
最終的に選んだのは"自殺"
両親には申し訳ないと思ったが、仕方ない。
これで楽になれる……と
だが神はまだ苦しみから解放させてはくれなかった。
最初は夢か、死後の世界かと思ったが違った。
そのような優しいものではなく、"デスゲーム"
僕はまだ死ねないらしい
でも僕は力を手に入れた。
容姿は敢えて現実の時の姿にした。人に馬鹿にされる事が多い容姿だが、両親からもらった大切なものだ。
あの頃には無かった力を手に入れた今、この名に恥じない強者になろうと誓った。
だが、世界はそれを認めなかった。
同じ力を持つプレイヤーの存在。
アニメのように自分だけが特別な訳ではない事を思い知らされる。
この世界でも敗者……虐げられる側
やはり何も変わらないまま、何もできないまま死んでいく、そう思った時
僕の目の前に救いが現れた。
それが"madder様"だった。
madder様の瞳には差別や侮蔑といった色は一切なかった。
僕は思った。そして、決意した。
既に捨てた命であり、救われた命。
『全て"madder様のために"』
******
この世界は"madder様"に牙を剥く
絶えず"madder様"の宝玉を奪いにくる略奪者達
そして、今回もそいつらは現れた。
卑怯にも毒性の煙を用いて、村人達を襲い
僕の情報を鑑定で覗き見ては、嘲笑っている野郎である。
しかも、話も聞かずに"うるせぇ"と逆ギレ
僕が今からこの害悪を始末します。
吉報待っててください"madder様"
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