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1章
9話 勇者
しおりを挟む(あーっ!怖かった!手届かなかったら絶対死んでたな)
周囲から見ればボブゴブリンを瞬殺した男
しかし、その内心はかなりびびっていた。
(おっと!またクエスト報酬だ。今回も②のステータス強化を選択っと!)
クエスト報酬により和歌太郎の身体が一瞬光輝く
(うん、どうやら身体が軽い。身体能力値でも上がった感じかな。走り回って試したいけど、とりあえずはこの状況をなんとかしないとね)
そう現在和歌太郎の周囲は村人により包囲されていた。
そして
""パチパチパチパチ""
「ありがとう勇者様!」
「勇者様」
「「「ありがとうー!」」」
大歓声を受けていた。
(うわぁ~めっちゃ感謝されてる。こんなに感謝されるもんなのかな?)
「この村をお救い頂きありがとうございます!勇者様!私はこの村の村長している"ゴーセン"と言います。」
「はぁ……俺は和歌太郎です。ちなみに今日はこの村で泊まろうと思ってたんですが…(うーん、結構な被害も出てるし難しいそうだな)」
言葉に詰まる和歌太郎
ゴブリンは倒したとはいえ、村の建物や人の被害はかなり大きい。
このような状況の村で泊めてくれとは言えるはずがない
「いえいえ、この程度の損壊など無いに等しいですぞ!良ければ私の家にでも泊まってください」
「ありがとうございます!でもタダで泊めてもらうのもあれなんで、復興の手伝いなどさせてください」
「いえいえ、ゴブリンを退治して頂いたんです!更に復興までとは、そこまでして頂いてはこのエニ村の名折れです。私達のためだと思って勇者様には泊まって頂けませんか?」
「はぁ……そこまでおっしゃられるんでしたら」
(ほんとこの村長すごい圧だな……まぁお言葉に甘えて泊まるとするか)
***********
「これが我が家です!」
自慢げに指し示す村長
そこには赤いレンガの2階建ての建物
村内で最も立派な建物であった。
「いい家ですね」
「そうでしょう!さぁ、和歌太郎様の部屋は2階に用意しております」
「いろいろありがとうございます。でも部屋まで用意して頂いて迷惑じゃなかったですか?」
和歌太郎はあまりの待遇の良さに逆に申し訳なくなってしまう。
庶民の性というものだろう。
「いえいえ、いいんですよ。この広い家に住んでいるのは私だけですからね。むしろ歓迎です。」
一瞬悲しげな表情を浮かべる村長
(魔物がいる世界。もしかしたら家族を亡くしたのかもしれない。ここは触れないでおくのがマナーだよね)
「さっ!遠慮なく上がってくださいな」
「は、はい。失礼します」
内装は男の一人暮らしとは思えない程綺麗であった。
更にまるで森の中にいるような爽やかな香が広がっている。
「これは何かの花の香りですか?」
「はい。マワリの花と言って妻が好きな花でした。いい香りでしょう?」
「そうですね(いい匂いだけど結構強い香りだね。この匂い以外が感じれないね)」
「どうかされましたか?」
考え込む和歌太郎に不審な目を向ける村長
「いえいえ何でも。案内お願いします」
和歌太郎は村長の先導で2階に辿り着き、簡単に部屋の説明を受けた。その後、晩飯時には村長の長い話を聴かせれ、深夜頃やっと眠りにつく事ができた。
和歌太郎の長い1日が終わった。
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