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3章 妖の使いと死の呪い
21話
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『 メタモにおまかせ 』
小さなオフィス、上司を含めて社員はその場で立つ。
《〝 ラジオ体操第一!
腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動から、はい! 〟》
体操が終わる。
「では今日も一日よろしくお願いします!」
「「「「「 よろしくお願いします!! 」」」」」
「ガオー!!」
泣いてる子ども達の近くで威嚇するメタモ。
華南「コラ! なに子どもをいじめてるんだ!?」
念じて拘束する。
メタモ「痛い痛い! 違う、違うって!!」
「やめてお姉ちゃん、黒ビキニのお姉ちゃんはいじめっ子を追い払ってくれたんだ。」
華南「え?」
メタモは腕が変な方向に曲がったまま。
メタモ「ヒドいな華南は! 少しはこっちの言うことも聞いてよね。」
華南「あまり必要以上に関わるな。」
メタモ「そんなんだから、友達作るの苦手でしょ?」
華南「私は妖を祓うのが務めだ!
そんなものができたら離れにくいだろ!」
二人は足を止める。
華南「ここだ。」
メタモ「ただの小さなオフィスビルみたいだけど。」
華南「人の出入りしてるところを見たことがほとんどないとのことだ。」
華南は足を踏み入れようとすると見えないなにかに遮られてはじかれる。
「・・・すごい結界だ!
ますます怪しいが、正面からは無理だ。」
メタモは近くを見る。
メタモ「そうだ、いいこと考えた。 あそこの側溝から中に入れたりしないかな。」
華南「それでいけるのか?」
メタモ「まあ任せてよ、華南はその間近くでゆっくりしていればいいから。」
オフィスの廊下の隅にある排水溝。
そこから出てくる。
「やっぱり、建物以外には結界を張ってない。
さて、どうしようか。」
メタモは休憩所を横切ると休んでいた男達は気づく。
「 不審者がいたぞー!! 」
メタモも声に驚き、後から男達が追ってくる。
逃げているときに前の方からも追っ手が迫り、メタモは慌てる。
男達がそれぞれ来るとスーツ姿の男性が一人。
「あれ、どこいった?」
「それなら俺見たぞ。 怪しいやつは向こうの方へ逃げていった。」
「よし!」
男達は走り、その途中で後ろにいた男性は足を止める。
いなくなった後で顔だけメタモに戻る。
「あは。」
廊下の真ん中に設置されたスイッチを気にする。
「なんだろ? 明かり、にしては不自然なところにあるし。」
メタモは押そうとする。
「そこで何をしている!?
見かけない顔だな。」
メタモ「いやその、アタシ会社に入ったばかりだからよくわかりませんで・・・」
「そうか。
侵入者はここだー!!!」
メタモ「え? どうして?」
「ここはもう10年以上新しい者は入れておらん、さらにお前みたいな女だって一人もいないんだ!」
男達は再びやってきて、もみくちゃにされながらメタモは間を抜ける。
メタモは液体になりながらも逃げるがその都度見つかる。
女性トイレの便器から出てくるが個室のまわりにも男達が待ち受ける。
再び便器の中に入っていこうとするとバキュームを背負った男が吸い込み、メタモは液状でタンクに押し込まれる。
ビルのまわりを探る華南。
「大人しくしてもいいと言われたが、一人で大丈夫だろうか。 ほかに入れそうなところは・・・」
途中で自分の姿に似た存在(ドッペル4号)に遭遇する。
ドッペル4号「戦うことないじゃない。 私達 姉妹のようなものでしょ。」
華南「お前のようなやつは知らない!」
暗い部屋でタンクから出され、メタモも気がつくと人の形になる。
メタモ「メタモちゃんをどうする気?」
「メタモルケル。 覚えているか、俺達のこと。」
男達は人の姿から変わる。
メタモ「ああ、ゴロツ鬼のアホと連んでたやつらか。」
「争うつもりはない、むしろ迎え入れたいんだ。」
メタモ「それにしては随分と乱暴ね。 アタシを殺そうともしたくせに。」
「あの時は脅されて渋々だったんだ。」
「同族にも追われてると聞いたが、少なくとも俺達は違う。 歓迎する。」
「だからまた一緒に人間襲おうぜ。」
「あの退魔師から離れてさ。」
「楽しいことをたくさんしよう、 な。」
メタモ「・・・そうだな。」
「 私は妖を祓うのが務めだ! そんなものができたら離れにくいだろ! 」
刃物で強く切れる音がすると妖の一人から黒いものが吹き出して悲鳴を挙げる。
「何するんだ!?」
メタモ「これでもいろいろ考えたんだよ。 でもさ、気づいちゃった。
メタモちゃんはね、華南と一緒にいるのが楽しいみたい。」
「なぜだ!? お前を痛めつけるやつだぞ!」
メタモ「確かに最初は屈辱だったよ。 でも受けているうちにだんだん くせ になってきちゃった。」
「こいつ変態か!?」
メタモ「そうだよ、変幻自在に姿を変えられる。
なぜなら変態だから!」
戦いの末にドッペル4号を倒す。
「!!」
激痛が走り華南は苦しむ。
次々と倒されて残り一体になる。
「お前は人間を恨んでるんじゃないのか?
そいつに騙されてるんじゃないのか!?」
メタモ「アンタ達じゃ一生かかっても分かんないだろうね。
せいぜいゴロツ鬼と仲良くしていればいいわ。」
腕を斧に変えて真っ二つに割ると妖は消滅する。
結界はまだ張られていてメタモは気になっていたスイッチを押すと結界は消えていく。
華南と合流する。
華南「無事か、どうだった?」
メタモ「たいしたことなかったよ、妖はいたけど、もう倒しちゃった。
そっちは?」
華南「いろいろ探してみたが駄目だったな。」
一瞬だけ顔を歪ませる。
メタモ「どうしたの?」
華南「ちょっとな、さっきメタモにやったバチでも当たったか。」
帰り道。
メタモ「華南。」
華南「ん? ああ。」
メタモは手を上げて華南も上げるとハイタッチする。
ダークマンはとある町に入っていく。
‐ つづく ‐
小さなオフィス、上司を含めて社員はその場で立つ。
《〝 ラジオ体操第一!
腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動から、はい! 〟》
体操が終わる。
「では今日も一日よろしくお願いします!」
「「「「「 よろしくお願いします!! 」」」」」
「ガオー!!」
泣いてる子ども達の近くで威嚇するメタモ。
華南「コラ! なに子どもをいじめてるんだ!?」
念じて拘束する。
メタモ「痛い痛い! 違う、違うって!!」
「やめてお姉ちゃん、黒ビキニのお姉ちゃんはいじめっ子を追い払ってくれたんだ。」
華南「え?」
メタモは腕が変な方向に曲がったまま。
メタモ「ヒドいな華南は! 少しはこっちの言うことも聞いてよね。」
華南「あまり必要以上に関わるな。」
メタモ「そんなんだから、友達作るの苦手でしょ?」
華南「私は妖を祓うのが務めだ!
そんなものができたら離れにくいだろ!」
二人は足を止める。
華南「ここだ。」
メタモ「ただの小さなオフィスビルみたいだけど。」
華南「人の出入りしてるところを見たことがほとんどないとのことだ。」
華南は足を踏み入れようとすると見えないなにかに遮られてはじかれる。
「・・・すごい結界だ!
ますます怪しいが、正面からは無理だ。」
メタモは近くを見る。
メタモ「そうだ、いいこと考えた。 あそこの側溝から中に入れたりしないかな。」
華南「それでいけるのか?」
メタモ「まあ任せてよ、華南はその間近くでゆっくりしていればいいから。」
オフィスの廊下の隅にある排水溝。
そこから出てくる。
「やっぱり、建物以外には結界を張ってない。
さて、どうしようか。」
メタモは休憩所を横切ると休んでいた男達は気づく。
「 不審者がいたぞー!! 」
メタモも声に驚き、後から男達が追ってくる。
逃げているときに前の方からも追っ手が迫り、メタモは慌てる。
男達がそれぞれ来るとスーツ姿の男性が一人。
「あれ、どこいった?」
「それなら俺見たぞ。 怪しいやつは向こうの方へ逃げていった。」
「よし!」
男達は走り、その途中で後ろにいた男性は足を止める。
いなくなった後で顔だけメタモに戻る。
「あは。」
廊下の真ん中に設置されたスイッチを気にする。
「なんだろ? 明かり、にしては不自然なところにあるし。」
メタモは押そうとする。
「そこで何をしている!?
見かけない顔だな。」
メタモ「いやその、アタシ会社に入ったばかりだからよくわかりませんで・・・」
「そうか。
侵入者はここだー!!!」
メタモ「え? どうして?」
「ここはもう10年以上新しい者は入れておらん、さらにお前みたいな女だって一人もいないんだ!」
男達は再びやってきて、もみくちゃにされながらメタモは間を抜ける。
メタモは液体になりながらも逃げるがその都度見つかる。
女性トイレの便器から出てくるが個室のまわりにも男達が待ち受ける。
再び便器の中に入っていこうとするとバキュームを背負った男が吸い込み、メタモは液状でタンクに押し込まれる。
ビルのまわりを探る華南。
「大人しくしてもいいと言われたが、一人で大丈夫だろうか。 ほかに入れそうなところは・・・」
途中で自分の姿に似た存在(ドッペル4号)に遭遇する。
ドッペル4号「戦うことないじゃない。 私達 姉妹のようなものでしょ。」
華南「お前のようなやつは知らない!」
暗い部屋でタンクから出され、メタモも気がつくと人の形になる。
メタモ「メタモちゃんをどうする気?」
「メタモルケル。 覚えているか、俺達のこと。」
男達は人の姿から変わる。
メタモ「ああ、ゴロツ鬼のアホと連んでたやつらか。」
「争うつもりはない、むしろ迎え入れたいんだ。」
メタモ「それにしては随分と乱暴ね。 アタシを殺そうともしたくせに。」
「あの時は脅されて渋々だったんだ。」
「同族にも追われてると聞いたが、少なくとも俺達は違う。 歓迎する。」
「だからまた一緒に人間襲おうぜ。」
「あの退魔師から離れてさ。」
「楽しいことをたくさんしよう、 な。」
メタモ「・・・そうだな。」
「 私は妖を祓うのが務めだ! そんなものができたら離れにくいだろ! 」
刃物で強く切れる音がすると妖の一人から黒いものが吹き出して悲鳴を挙げる。
「何するんだ!?」
メタモ「これでもいろいろ考えたんだよ。 でもさ、気づいちゃった。
メタモちゃんはね、華南と一緒にいるのが楽しいみたい。」
「なぜだ!? お前を痛めつけるやつだぞ!」
メタモ「確かに最初は屈辱だったよ。 でも受けているうちにだんだん くせ になってきちゃった。」
「こいつ変態か!?」
メタモ「そうだよ、変幻自在に姿を変えられる。
なぜなら変態だから!」
戦いの末にドッペル4号を倒す。
「!!」
激痛が走り華南は苦しむ。
次々と倒されて残り一体になる。
「お前は人間を恨んでるんじゃないのか?
そいつに騙されてるんじゃないのか!?」
メタモ「アンタ達じゃ一生かかっても分かんないだろうね。
せいぜいゴロツ鬼と仲良くしていればいいわ。」
腕を斧に変えて真っ二つに割ると妖は消滅する。
結界はまだ張られていてメタモは気になっていたスイッチを押すと結界は消えていく。
華南と合流する。
華南「無事か、どうだった?」
メタモ「たいしたことなかったよ、妖はいたけど、もう倒しちゃった。
そっちは?」
華南「いろいろ探してみたが駄目だったな。」
一瞬だけ顔を歪ませる。
メタモ「どうしたの?」
華南「ちょっとな、さっきメタモにやったバチでも当たったか。」
帰り道。
メタモ「華南。」
華南「ん? ああ。」
メタモは手を上げて華南も上げるとハイタッチする。
ダークマンはとある町に入っていく。
‐ つづく ‐
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