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2章 祓え 妖とともに
14話
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『 終わらない うた を聞け 』
オペラハウス、ステージだけに照明のついた場所にグランドピアノが一台。
正装した女性が入場すると歓喜の声があがる。
席につくと演奏が始まる。
それを聞いている人々は気持ち良さそうに聞く。
夜の路上、一人ギターを持って歌う青年(ジェイク)。
その前を人々は横切るが見向きもしない。
「うるせー!!」
酔っぱらいの男が酒のビンを投げつける。
ビンはギターケースに落ちて酒もこぼれる。
ジェイクはケースを抱えて歩く。
ビンで少しだけ切ってしまい血が頭ににじむ。
「クソー、 いまに見てろ・・・」
「 まったくだ、どいつもこいつも見る目ないねぇ。 」
ジェイク「誰だ?」
「 ワタシはあんたの曲に惚れてんだよ、ファンなんだ。 」
ジェイク「そ、そうか?」
「 手を組もうよ、いろんな人に少しでも聞いてもらえるように。
なに、悪いようにはしないからさ。 」
酔っぱらい男は別の酒ビンを開けようとするが開かない。
一瞬何かの感触が伝わる。
「?」
男は突然倒れて酒ビンは口の部分が切れている。
「 そうと決まればまずはアンチはいらねえよなぁ。 」
数ヵ月後、
華南とメタモは町に来る。
「あ、あれはなに?」
メタモは遠くを指さし、華南は見る。
その隙にメタモは背後から剣を振るが華南は避けて向かってくるときに念じて拘束する。
「いたたたた! ウソ、ウソだからっ!!」
オペラハウスの前を通り過ぎてポスターを華南は見るがメタモはやる気なさそうに歩いていく。
広場ではジェイクの路上ライブがされていて人だかりもすごい。
華南とメタモも足を止める。
その最中に静かそうな青年(モルト)は横切る。
しばらくすると演奏が終わり拍手の音。
華南とメタモも簡単に拍手した後で去っていく。
華南「特に変わったところはないな。」
歩いていると話声を聞く。
「 さっきの演奏どうだった? 」
「 さあ、オレは悪くないと思ったけど。 」
華南とメタモも近寄る。
華南「ねえ、あれって有名なの?」
「ここ最近になって急にだ。 それまでどうだったのかは知らないが。」
「ねえちゃんの身なりもロックみたいだから似合うんじゃねえか?」
メタモ「なにそれ?」
「くだらねえな、あんな騒がしいもの音楽なんて言わねえよ。」
ガラの悪い男(ダニー)は吸っていたタバコを踏んで消す。
「聞くならクラシックだろ。」
みんなの前から去っていく。
「まあ気にするな、好みなんて人それぞれだ。」
夜、部屋のシャワールームで体を流すダニー。
小さく笑い声が聞こえると周囲を気にする。
「誰だ!?」
突然 公園で聞いた曲が聞こえる。
ダニーは耳を塞ぐが音は小さくならない。
「 どうだ、いい曲だろ。 」
ダニー「うるせえ! さっさと止めろ!」
「 しょうがねえなぁ。 」
音が鳴り止み、シャワーヘッドに手をかけると一瞬だけ何かの感触が伝わる。
「?」
ダニーは倒れ、ヘッドはお湯が出ながら床に落ちる。
「 ひっひっひっ・・・・・・ 」
翌日、
「殺人が起きたらしいぞ。」
「遺体は首を切られてたんだって。 しかもシャワールームで。」
「犯人も特定できなければ証拠も何一つねえんだと。」
華南は近寄る。
華南「その事件、詳しく聞かせて。」
事情を聞いた後で二人は歩く。
華南「やられた相手は確か昨日会った 」
メタモ「ギターはただうるさいだけって言ってたね。
恨みを持ってやられたのかな。」
ジェイクはチューニングをする。
「 さあ、この調子でどんどん聞いてもらおう。 」
「おう。」
華南とメタモが歩いていると目の前にジェイク。
華南「確か、あの公園で。」
それぞれ会ってジェイクは人見知りな感じ。
華南「なあ、自分のまわりで何か変わったことはなかったか?」
ジェイク「なんのことか分からないな。」
華南「だが 」
ジェイク「俺はちょうどノリに乗ってきたところなんだ。 みんなが魅力に気づいてくれてる時なんだ。
邪魔をするなら関わらないでくれ。」
メタモ「どう思った?」
華南「あんな人が本当にやるだろうか。」
その日の夜、部屋で読書をするモルト。
コーヒーカップに手をかける。
「!」
前触れもなくロックが聞こえて思わずカップをこかしてしまう。
学校で読んだ新聞を思い出す。
(変死体は殺害される前に黙るように叫んだ)
頭を枕で伏せるが曲はフル音量で流れる。
別の場所ではピアノの練習をする先生と生徒。
そして耳障りと感じながら聞く隣に住む家族。
「「「「「「「 !? 」」」」」」」
重厚なロックが聞こえる。
「やかましい!!」
新聞〝 バラバラの死体が数人発見 〟と報道。
華南「また人が変死体で。」
メタモ「被害に遭った人は死ぬ前に変な幻聴でも聞いてるって。」
華南とメタモは歩いているとモルトが自転車で走ってる途中で転ぶ。
モルトは耳を気にしている。
華南「どうした?」
モルト「頭の中で公園で聞いた音楽が!」
華南「!?」 メタモ「!?」
モルト「でも、聞いてなければ殺される・・・・・・」
自転車を押しながら去っていく。
メタモ「別に、なにも聞こえないけど。」
ジェイクの路上ライブが終わり片付けてる途中で華南とメタモは来る。
「またお前ら 」
ガッ
華南はジェイクの首を掴んで無理矢理引っ張っていく。
橋の上に引っ張って来ると下では工事をしている。
華南「あれを見ろ。」
モルトは作業員のバイトでスコップで掘るが、途中で力尽きて倒れる。
華南「寝てる間も一日中お前の曲を聞いているんだ。 あれが本当に望んでいたことなのか?」
ジェイク「!?
違う、俺は多くの人に聞いてほしいだけなのにこんなのいくらなんでも・・・」
歩きながら話を聞く。
ジェイク「俺の曲をいいと言ってくれたやつがいる。 でも、どんなやつかまでは知らない。」
華南「それはもしかすると人ではないなにかという可能性もあるな。」
ジェイク「?」
華南「では、また曲を聞きに来るから。 でもまわりに人がいると危ないかもしれないから二人だけで。」
メタモ「え? メタモちゃんも?」
華南「逃げたら永遠にお仕置きだぞ。」
メタモ「・・・・・・」
夜のひとけのない場所。
ジェイクはギターを持って演奏し、華南とメタモは聞く。
聞いてる途中でメタモがあくびをすると近くが歪んで襲いかかる。
華南はメタモを押して攻撃を回避、何者かは姿を消す。
メタモ「なに?」
華南「やはりなにかいる。
演奏を続けろ、メタモは聞いておけ。」
道を走りながら刀で弾いたり火の玉を飛ばす。
何者かを追って高く飛ぶ。
「?」
下で歩いていた女子は見上げるがなにかまでは分からない。
電波塔の上に華南は来ると何者かは姿を現す。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
〔 死神やよい 〕
人の弱みや欲望につけ込んで襲う。
大きな鎌を使って体や魂を切り裂く。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
死神やよい「せっかくいいところだったのに。
甘い言葉をかければすぐその気になる、人間はチョロいもんなのにな。」
華南「人の夢や望みをなんだと思ってるんだ!?」
死神やよい「そんなの見るだけ無駄なんだよ。
夢見がちのまま死んでしまえばいつまでも幸せだろ?」
華南と死神やよいは戦う。
ズバッ
「!!」
鎌は華南の胸に突き刺さる。
ニヤリ
ズバッ
「!!!」
死神やよいは胴体を切られ、違う場所から華南が刀を振っている。
刺された華南の体は霧状になって消える。
「人間が~~~・・・・・・!!」
死神やよいは消滅する。
それと同時に演奏も終わり、メタモも小さく拍手。
数日後、工事現場でスコップで掘っているとモルトはよろけてしまう。
それを支えるジェイクも作業をしていて気をつけるように言った後で一輪車を押して行く。
メタモ「なにこれ?」
華南の手に持っていたものを取るとオペラハウスのチケット。
華南「別になんだっていいだろ。」
メタモ「え、でもこれもう終わってるよ。 別にいらなくない?」
華南「いいだろ、返せ!」
華南とメタモは追いかけっこしながら町を去る。
[ 後日談 ]
それからこの町で謎の惨殺事件が起きたという話は聞かなくなった。
そして彼もまたミュージシャンとしての夢をあきらめたのかどうかは定かではない。
オペラハウス、ステージだけに照明のついた場所にグランドピアノが一台。
正装した女性が入場すると歓喜の声があがる。
席につくと演奏が始まる。
それを聞いている人々は気持ち良さそうに聞く。
夜の路上、一人ギターを持って歌う青年(ジェイク)。
その前を人々は横切るが見向きもしない。
「うるせー!!」
酔っぱらいの男が酒のビンを投げつける。
ビンはギターケースに落ちて酒もこぼれる。
ジェイクはケースを抱えて歩く。
ビンで少しだけ切ってしまい血が頭ににじむ。
「クソー、 いまに見てろ・・・」
「 まったくだ、どいつもこいつも見る目ないねぇ。 」
ジェイク「誰だ?」
「 ワタシはあんたの曲に惚れてんだよ、ファンなんだ。 」
ジェイク「そ、そうか?」
「 手を組もうよ、いろんな人に少しでも聞いてもらえるように。
なに、悪いようにはしないからさ。 」
酔っぱらい男は別の酒ビンを開けようとするが開かない。
一瞬何かの感触が伝わる。
「?」
男は突然倒れて酒ビンは口の部分が切れている。
「 そうと決まればまずはアンチはいらねえよなぁ。 」
数ヵ月後、
華南とメタモは町に来る。
「あ、あれはなに?」
メタモは遠くを指さし、華南は見る。
その隙にメタモは背後から剣を振るが華南は避けて向かってくるときに念じて拘束する。
「いたたたた! ウソ、ウソだからっ!!」
オペラハウスの前を通り過ぎてポスターを華南は見るがメタモはやる気なさそうに歩いていく。
広場ではジェイクの路上ライブがされていて人だかりもすごい。
華南とメタモも足を止める。
その最中に静かそうな青年(モルト)は横切る。
しばらくすると演奏が終わり拍手の音。
華南とメタモも簡単に拍手した後で去っていく。
華南「特に変わったところはないな。」
歩いていると話声を聞く。
「 さっきの演奏どうだった? 」
「 さあ、オレは悪くないと思ったけど。 」
華南とメタモも近寄る。
華南「ねえ、あれって有名なの?」
「ここ最近になって急にだ。 それまでどうだったのかは知らないが。」
「ねえちゃんの身なりもロックみたいだから似合うんじゃねえか?」
メタモ「なにそれ?」
「くだらねえな、あんな騒がしいもの音楽なんて言わねえよ。」
ガラの悪い男(ダニー)は吸っていたタバコを踏んで消す。
「聞くならクラシックだろ。」
みんなの前から去っていく。
「まあ気にするな、好みなんて人それぞれだ。」
夜、部屋のシャワールームで体を流すダニー。
小さく笑い声が聞こえると周囲を気にする。
「誰だ!?」
突然 公園で聞いた曲が聞こえる。
ダニーは耳を塞ぐが音は小さくならない。
「 どうだ、いい曲だろ。 」
ダニー「うるせえ! さっさと止めろ!」
「 しょうがねえなぁ。 」
音が鳴り止み、シャワーヘッドに手をかけると一瞬だけ何かの感触が伝わる。
「?」
ダニーは倒れ、ヘッドはお湯が出ながら床に落ちる。
「 ひっひっひっ・・・・・・ 」
翌日、
「殺人が起きたらしいぞ。」
「遺体は首を切られてたんだって。 しかもシャワールームで。」
「犯人も特定できなければ証拠も何一つねえんだと。」
華南は近寄る。
華南「その事件、詳しく聞かせて。」
事情を聞いた後で二人は歩く。
華南「やられた相手は確か昨日会った 」
メタモ「ギターはただうるさいだけって言ってたね。
恨みを持ってやられたのかな。」
ジェイクはチューニングをする。
「 さあ、この調子でどんどん聞いてもらおう。 」
「おう。」
華南とメタモが歩いていると目の前にジェイク。
華南「確か、あの公園で。」
それぞれ会ってジェイクは人見知りな感じ。
華南「なあ、自分のまわりで何か変わったことはなかったか?」
ジェイク「なんのことか分からないな。」
華南「だが 」
ジェイク「俺はちょうどノリに乗ってきたところなんだ。 みんなが魅力に気づいてくれてる時なんだ。
邪魔をするなら関わらないでくれ。」
メタモ「どう思った?」
華南「あんな人が本当にやるだろうか。」
その日の夜、部屋で読書をするモルト。
コーヒーカップに手をかける。
「!」
前触れもなくロックが聞こえて思わずカップをこかしてしまう。
学校で読んだ新聞を思い出す。
(変死体は殺害される前に黙るように叫んだ)
頭を枕で伏せるが曲はフル音量で流れる。
別の場所ではピアノの練習をする先生と生徒。
そして耳障りと感じながら聞く隣に住む家族。
「「「「「「「 !? 」」」」」」」
重厚なロックが聞こえる。
「やかましい!!」
新聞〝 バラバラの死体が数人発見 〟と報道。
華南「また人が変死体で。」
メタモ「被害に遭った人は死ぬ前に変な幻聴でも聞いてるって。」
華南とメタモは歩いているとモルトが自転車で走ってる途中で転ぶ。
モルトは耳を気にしている。
華南「どうした?」
モルト「頭の中で公園で聞いた音楽が!」
華南「!?」 メタモ「!?」
モルト「でも、聞いてなければ殺される・・・・・・」
自転車を押しながら去っていく。
メタモ「別に、なにも聞こえないけど。」
ジェイクの路上ライブが終わり片付けてる途中で華南とメタモは来る。
「またお前ら 」
ガッ
華南はジェイクの首を掴んで無理矢理引っ張っていく。
橋の上に引っ張って来ると下では工事をしている。
華南「あれを見ろ。」
モルトは作業員のバイトでスコップで掘るが、途中で力尽きて倒れる。
華南「寝てる間も一日中お前の曲を聞いているんだ。 あれが本当に望んでいたことなのか?」
ジェイク「!?
違う、俺は多くの人に聞いてほしいだけなのにこんなのいくらなんでも・・・」
歩きながら話を聞く。
ジェイク「俺の曲をいいと言ってくれたやつがいる。 でも、どんなやつかまでは知らない。」
華南「それはもしかすると人ではないなにかという可能性もあるな。」
ジェイク「?」
華南「では、また曲を聞きに来るから。 でもまわりに人がいると危ないかもしれないから二人だけで。」
メタモ「え? メタモちゃんも?」
華南「逃げたら永遠にお仕置きだぞ。」
メタモ「・・・・・・」
夜のひとけのない場所。
ジェイクはギターを持って演奏し、華南とメタモは聞く。
聞いてる途中でメタモがあくびをすると近くが歪んで襲いかかる。
華南はメタモを押して攻撃を回避、何者かは姿を消す。
メタモ「なに?」
華南「やはりなにかいる。
演奏を続けろ、メタモは聞いておけ。」
道を走りながら刀で弾いたり火の玉を飛ばす。
何者かを追って高く飛ぶ。
「?」
下で歩いていた女子は見上げるがなにかまでは分からない。
電波塔の上に華南は来ると何者かは姿を現す。
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〔 死神やよい 〕
人の弱みや欲望につけ込んで襲う。
大きな鎌を使って体や魂を切り裂く。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
死神やよい「せっかくいいところだったのに。
甘い言葉をかければすぐその気になる、人間はチョロいもんなのにな。」
華南「人の夢や望みをなんだと思ってるんだ!?」
死神やよい「そんなの見るだけ無駄なんだよ。
夢見がちのまま死んでしまえばいつまでも幸せだろ?」
華南と死神やよいは戦う。
ズバッ
「!!」
鎌は華南の胸に突き刺さる。
ニヤリ
ズバッ
「!!!」
死神やよいは胴体を切られ、違う場所から華南が刀を振っている。
刺された華南の体は霧状になって消える。
「人間が~~~・・・・・・!!」
死神やよいは消滅する。
それと同時に演奏も終わり、メタモも小さく拍手。
数日後、工事現場でスコップで掘っているとモルトはよろけてしまう。
それを支えるジェイクも作業をしていて気をつけるように言った後で一輪車を押して行く。
メタモ「なにこれ?」
華南の手に持っていたものを取るとオペラハウスのチケット。
華南「別になんだっていいだろ。」
メタモ「え、でもこれもう終わってるよ。 別にいらなくない?」
華南「いいだろ、返せ!」
華南とメタモは追いかけっこしながら町を去る。
[ 後日談 ]
それからこの町で謎の惨殺事件が起きたという話は聞かなくなった。
そして彼もまたミュージシャンとしての夢をあきらめたのかどうかは定かではない。
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