90 / 147
もう15歳
17
しおりを挟む
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・カーラ様、本当にそちらをお召しになって行かれるのですか?」
たっぷりの間の後、クラウドが私から視線を外して言いました。
私だってこの、製作者の絶対領域への念と、揺れる胸への狂気を感じる、ミニスカ、ニーハイ、胸下ボタンのジャケットなんて着たくありません。
とは言いつつもインパクトを与える為に、胸はつぶさず、コルセットで強調してありますけど。
「カーラ様とお呼び!」
玄関に設置してある大鏡の前で、ゲームのカーラ風に腰に手を当てて、にいっと笑ってみました。ピンヒールの編み上げブーツを履いて、鞭を構えたい気分ですね!
ついでにとんとん、とその場で跳んでみると、ゲームの時のように胸がたゆんたゆんしました。
ふむ。日常生活のどこに、胸が揺れるシチュエーションがあるのでしょうか。思い当たるのは階段くらいです。普通の令嬢は走ったりしませんし。という事は、他の方法で胸をアピールしなければなりませんかね。
胸下で腕を組んで二の腕で胸を寄せ、前かがみになってみます。
おお。これは・・・。
『カーラ。その辺でやめておけ』
呆れきったオニキスの声に振り向くと、クラウドが耳まで真っ赤にして私に背を向けていました。
ずっと一緒にいるクラウドがこれなのですから、効果は抜群ですね!
「姉上・・・」
もうひとつ、呆れた声が降ってきました。眉を寄せて、口を横へ引き結んだルーカスが、何か言いたげに階段を下りてきます。
しまった。寄せて上げてを見られてしまったようです。
オニキスがふんすと息を吐いて、私の影に溶け込みました。耳を寝かせて主を見上げていたモリオンも、クラウドの影に飛び込みます。
「食堂へ朝食をいただきに行きませんか? この時間でしたら、生徒も少ないと思いますし」
じっとりした空気を払拭するために、自ら扉を開けて玄関を出ます。ルーカスは先ほどの表情を消して、ほわーっと笑いました。かわゆす。
そして私の隣へ来ると、彼の左腕を差し出しました。どうやらエスコートしてくれるようです。
「クラウド」
ルーカスが戸締りを終えたクラウドを呼ぶと、心得たとばかりに私の斜め前に立ちました。いつもは斜め後ろなのですか、どうしたのでしょうか。
「行きましょう。姉上」
私の左斜め前にクラウド、右隣にルーカスという配置で歩き始めます。
「おはよう。ルーカス」
「レオン。おはよう」
どこからともなく現れたレオンが私の左隣へ着きました。なんだかシークレットサービスに護衛されている気分ですね。
「何が言いたいかなんとなく分かりますから、言わないでください」
「・・・うん。そうする」
何とも言えない表情のレオンが、視線を落として私の絶対領域をチラ見しています。
脚フェチか? 攻略対象の一人、レオンハルト・ペンタクロム伯爵令息は脚フェチなのか?!
「いや・・・まあ、上半身は慣れたというか・・・」
私の視線に気付いたらしいレオンが、頬を染めつつ言いました。
それはつまり、この2つの狂気に慣れるほど、よく私に抱き着いてきたという事ではありませんかね?
伯爵令息として、それもどうかと思うのですが・・・あぁ。男子側はありかもしれません。20歳前に結婚を済ませる貴族がほとんどなのですから、すでにそういう体験を済ませていてもおかしくはありませんし。
「・・・なんか、誤解されているような気がするんだけど」
無表情なつもりなのですが、やはり顔に出てしまっているのでしょうか。もっと精進せねば。
なんとなく緊張した様子の3人にエスコートされながら学食へ行くと、おそらく護衛や側仕えと思われる生徒たちが朝食をとっていました。その数20人前後。皆、私の姿を目にした途端に、俯き、かき込むようにして食事を終えていきます。
私は気にしないことにして、クラウドに案内された端の方だけれど、きれいに手入れされた中庭が見える席へ着きました。丸いテーブルの私の右側にルーカス、左側にレオンが腰かけ、クラウドが離れた所で震えていた給仕のところへ向かっていきます。そして役割を放棄した給仕の代わりに、メニューを私たちへ開いて渡してくれました。そのまま立って控えていることから、注文を取ってくれるようです。
この学食はレストラン形式で、専属の給仕がちゃんといるのですが、動けないのでは仕方がありませんね。クラウドが戸惑うことなく代わりを務めていることからして、昨日の昼にも同じようなやり取りがあったのかもしれません。
メニューには卵の調理法、ハムやソーセージ等の肉類、サラダ、スープの種類、フルーツ、飲み物が書かれていて、選択方式になっていました。もちろん複数選択も可。そして焼き立てのパンを給仕がすすめに来る・・・はずです。
「クラウド。この状態を3年間続けるというのはどうかと思います。給仕を呼んできてれませんか?」
「かしこまりました」
だってそうでないと、焼き立てパンをすすめに来てくれないかもしれないではないですか。食事の途中でクラウドに持ってきてもらうのも、気が咎めますし。
クラウドに連れられてやってきた若い・・・と言っても18歳くらいの給仕は、真っ青な顔で私の頭を見ながら震える声で言いました。
「ご、ご注文をお取りいたしましゅっ」
噛みましたね。
しかし羞恥に顔を赤くするのではなく、さらに血の気を無くして涙目になる給仕君。私は敵意がない事を示すように、できる限り優しく、柔らかに微笑んでみました。
「ありがとう。では私はオムレツと・・・」
私の努力の甲斐あってか、無事に美味しい朝食と、焼き立てパンにありつくことができました。
朝食後、別館へ戻るのも面倒だった私たちはそのまま教室へ向かい、雑談をしていました。
しばらくして私と同じクラスになった可哀相な方々がおみえになりましたが、皆びくっとすると教室へ入ることなくどこかへ行ってしまいます。そんなところへ比較的早くやってきた殿下を、立って出迎えました。
「カ・・・カム・・・ごめん・・・」
なぜか開口一番、謝罪されました。
「いいえ、殿下。殿下が私に謝罪される理由がございません。それに王子殿下ともあろうお方が、そう簡単に謝罪の言葉を述べるものではありませんよ」
私の首から下へ焦点を合わせないようにしているのでしょう。殿下は頬を赤く染めながらも、まっすぐに私の目を見ていらっしゃいます。
その後ろにいたアレクシス様はというと、盛大にむせながら、涙目でご自分の足元へ視線を落としていらっしゃいました。
「おはようございます。殿下。アレクシス様」
朝の挨拶がまだだったので優雅に淑女の礼をしてから顔を上げると、お二人に目をそらされました。
うん。見てしまったのですね。目線からして谷間を。ここはもう二度と「着て来い」と言われないように、狂気たちを強調しておきましょう。
「殿下、アレクシス様。どうされましたか?」
二の腕でぐっと寄せつつ、やや前かがみの姿勢で、殿下の顔を覗き込むようにしてみます。アレクシス様は私に背を向けて再びむせ始め、殿下は両手で顔を覆ってしゃがみ込んでしまいました。
殿下を立たせようと、私は慌ててその近くに跪きます。他の生徒たちが来る前に、誤解されることが確実な現状を改善しておきたいからです。
「おやめください、殿下。人目を引いてしまいます」
殿下は指の隙間からちらりと私のどこかを見て、今度は耳まで赤く染めました。
「ごめん。私が悪かった。もう許して・・・」
人聞きの悪い・・・私が何をしたというのですか。殿下の護衛たちが廊下にいますが、他の生徒が教室にいなくて本当に良かった。
「何の事だか分かりかねますが、立っていただかないと私が困ります。立てないのでしたら、手をお貸しいたしましょうか?」
「ひゃん!」
殿下の肩に触れたら、飛び上がられた上に変な声を上げられました。殿下は顔を覆ったままで、いやいやをするように頭を横に振っています。
これではまるで私が、殿下を手籠めにしようとしている様ではないですか。
「あ、あの・・・殿下。そろそろ悪ふざけはおやめくださいませんか?」
「やぁんっ」
焦って殿下の肩を掴んだら、もっと変な声をあげられました。
ヤバす。軽く萌えた。
どうやら中性的な美人が、赤面しながら潤んだ目で恥ずかしそうにこちらを見るしぐさにやられたらしいです。
自分の嗜好に愕然として硬直していたら、扉の方からねっとりとした視線を感じました。
驚いて顔を上げると、扉の隙間からこちらを覗き見ていたテスラ侯爵令嬢、イングリッド様と目が合います。彼女は私と目が合うと、うっとりとほほ笑みました。
「すれきった殿下の純情を呼び覚ました挙句に弄ぶなんて・・・さすがカーラ様ですわっ!」
をい。制作者。どうせ死んでしまうからって、適当にキャラを設定したのではあるまいな?!
そして帰ってきて! 面白がってないで、私を助けて! イングリッド様!!
うふふ・・・と扉の隙間から不気味に微笑む、イングリッド様。
座り込んだまま、潤んだ瞳で私の萌えをつついてくる、殿下。
相変わらずむせながらぜいぜい言っている、アレクシス様。
どうしたらいいのかわからない、私。
混乱は、見かねたルーカスとレオン、それに従ったクラウドが助けてくれるまで続きました。
たっぷりの間の後、クラウドが私から視線を外して言いました。
私だってこの、製作者の絶対領域への念と、揺れる胸への狂気を感じる、ミニスカ、ニーハイ、胸下ボタンのジャケットなんて着たくありません。
とは言いつつもインパクトを与える為に、胸はつぶさず、コルセットで強調してありますけど。
「カーラ様とお呼び!」
玄関に設置してある大鏡の前で、ゲームのカーラ風に腰に手を当てて、にいっと笑ってみました。ピンヒールの編み上げブーツを履いて、鞭を構えたい気分ですね!
ついでにとんとん、とその場で跳んでみると、ゲームの時のように胸がたゆんたゆんしました。
ふむ。日常生活のどこに、胸が揺れるシチュエーションがあるのでしょうか。思い当たるのは階段くらいです。普通の令嬢は走ったりしませんし。という事は、他の方法で胸をアピールしなければなりませんかね。
胸下で腕を組んで二の腕で胸を寄せ、前かがみになってみます。
おお。これは・・・。
『カーラ。その辺でやめておけ』
呆れきったオニキスの声に振り向くと、クラウドが耳まで真っ赤にして私に背を向けていました。
ずっと一緒にいるクラウドがこれなのですから、効果は抜群ですね!
「姉上・・・」
もうひとつ、呆れた声が降ってきました。眉を寄せて、口を横へ引き結んだルーカスが、何か言いたげに階段を下りてきます。
しまった。寄せて上げてを見られてしまったようです。
オニキスがふんすと息を吐いて、私の影に溶け込みました。耳を寝かせて主を見上げていたモリオンも、クラウドの影に飛び込みます。
「食堂へ朝食をいただきに行きませんか? この時間でしたら、生徒も少ないと思いますし」
じっとりした空気を払拭するために、自ら扉を開けて玄関を出ます。ルーカスは先ほどの表情を消して、ほわーっと笑いました。かわゆす。
そして私の隣へ来ると、彼の左腕を差し出しました。どうやらエスコートしてくれるようです。
「クラウド」
ルーカスが戸締りを終えたクラウドを呼ぶと、心得たとばかりに私の斜め前に立ちました。いつもは斜め後ろなのですか、どうしたのでしょうか。
「行きましょう。姉上」
私の左斜め前にクラウド、右隣にルーカスという配置で歩き始めます。
「おはよう。ルーカス」
「レオン。おはよう」
どこからともなく現れたレオンが私の左隣へ着きました。なんだかシークレットサービスに護衛されている気分ですね。
「何が言いたいかなんとなく分かりますから、言わないでください」
「・・・うん。そうする」
何とも言えない表情のレオンが、視線を落として私の絶対領域をチラ見しています。
脚フェチか? 攻略対象の一人、レオンハルト・ペンタクロム伯爵令息は脚フェチなのか?!
「いや・・・まあ、上半身は慣れたというか・・・」
私の視線に気付いたらしいレオンが、頬を染めつつ言いました。
それはつまり、この2つの狂気に慣れるほど、よく私に抱き着いてきたという事ではありませんかね?
伯爵令息として、それもどうかと思うのですが・・・あぁ。男子側はありかもしれません。20歳前に結婚を済ませる貴族がほとんどなのですから、すでにそういう体験を済ませていてもおかしくはありませんし。
「・・・なんか、誤解されているような気がするんだけど」
無表情なつもりなのですが、やはり顔に出てしまっているのでしょうか。もっと精進せねば。
なんとなく緊張した様子の3人にエスコートされながら学食へ行くと、おそらく護衛や側仕えと思われる生徒たちが朝食をとっていました。その数20人前後。皆、私の姿を目にした途端に、俯き、かき込むようにして食事を終えていきます。
私は気にしないことにして、クラウドに案内された端の方だけれど、きれいに手入れされた中庭が見える席へ着きました。丸いテーブルの私の右側にルーカス、左側にレオンが腰かけ、クラウドが離れた所で震えていた給仕のところへ向かっていきます。そして役割を放棄した給仕の代わりに、メニューを私たちへ開いて渡してくれました。そのまま立って控えていることから、注文を取ってくれるようです。
この学食はレストラン形式で、専属の給仕がちゃんといるのですが、動けないのでは仕方がありませんね。クラウドが戸惑うことなく代わりを務めていることからして、昨日の昼にも同じようなやり取りがあったのかもしれません。
メニューには卵の調理法、ハムやソーセージ等の肉類、サラダ、スープの種類、フルーツ、飲み物が書かれていて、選択方式になっていました。もちろん複数選択も可。そして焼き立てのパンを給仕がすすめに来る・・・はずです。
「クラウド。この状態を3年間続けるというのはどうかと思います。給仕を呼んできてれませんか?」
「かしこまりました」
だってそうでないと、焼き立てパンをすすめに来てくれないかもしれないではないですか。食事の途中でクラウドに持ってきてもらうのも、気が咎めますし。
クラウドに連れられてやってきた若い・・・と言っても18歳くらいの給仕は、真っ青な顔で私の頭を見ながら震える声で言いました。
「ご、ご注文をお取りいたしましゅっ」
噛みましたね。
しかし羞恥に顔を赤くするのではなく、さらに血の気を無くして涙目になる給仕君。私は敵意がない事を示すように、できる限り優しく、柔らかに微笑んでみました。
「ありがとう。では私はオムレツと・・・」
私の努力の甲斐あってか、無事に美味しい朝食と、焼き立てパンにありつくことができました。
朝食後、別館へ戻るのも面倒だった私たちはそのまま教室へ向かい、雑談をしていました。
しばらくして私と同じクラスになった可哀相な方々がおみえになりましたが、皆びくっとすると教室へ入ることなくどこかへ行ってしまいます。そんなところへ比較的早くやってきた殿下を、立って出迎えました。
「カ・・・カム・・・ごめん・・・」
なぜか開口一番、謝罪されました。
「いいえ、殿下。殿下が私に謝罪される理由がございません。それに王子殿下ともあろうお方が、そう簡単に謝罪の言葉を述べるものではありませんよ」
私の首から下へ焦点を合わせないようにしているのでしょう。殿下は頬を赤く染めながらも、まっすぐに私の目を見ていらっしゃいます。
その後ろにいたアレクシス様はというと、盛大にむせながら、涙目でご自分の足元へ視線を落としていらっしゃいました。
「おはようございます。殿下。アレクシス様」
朝の挨拶がまだだったので優雅に淑女の礼をしてから顔を上げると、お二人に目をそらされました。
うん。見てしまったのですね。目線からして谷間を。ここはもう二度と「着て来い」と言われないように、狂気たちを強調しておきましょう。
「殿下、アレクシス様。どうされましたか?」
二の腕でぐっと寄せつつ、やや前かがみの姿勢で、殿下の顔を覗き込むようにしてみます。アレクシス様は私に背を向けて再びむせ始め、殿下は両手で顔を覆ってしゃがみ込んでしまいました。
殿下を立たせようと、私は慌ててその近くに跪きます。他の生徒たちが来る前に、誤解されることが確実な現状を改善しておきたいからです。
「おやめください、殿下。人目を引いてしまいます」
殿下は指の隙間からちらりと私のどこかを見て、今度は耳まで赤く染めました。
「ごめん。私が悪かった。もう許して・・・」
人聞きの悪い・・・私が何をしたというのですか。殿下の護衛たちが廊下にいますが、他の生徒が教室にいなくて本当に良かった。
「何の事だか分かりかねますが、立っていただかないと私が困ります。立てないのでしたら、手をお貸しいたしましょうか?」
「ひゃん!」
殿下の肩に触れたら、飛び上がられた上に変な声を上げられました。殿下は顔を覆ったままで、いやいやをするように頭を横に振っています。
これではまるで私が、殿下を手籠めにしようとしている様ではないですか。
「あ、あの・・・殿下。そろそろ悪ふざけはおやめくださいませんか?」
「やぁんっ」
焦って殿下の肩を掴んだら、もっと変な声をあげられました。
ヤバす。軽く萌えた。
どうやら中性的な美人が、赤面しながら潤んだ目で恥ずかしそうにこちらを見るしぐさにやられたらしいです。
自分の嗜好に愕然として硬直していたら、扉の方からねっとりとした視線を感じました。
驚いて顔を上げると、扉の隙間からこちらを覗き見ていたテスラ侯爵令嬢、イングリッド様と目が合います。彼女は私と目が合うと、うっとりとほほ笑みました。
「すれきった殿下の純情を呼び覚ました挙句に弄ぶなんて・・・さすがカーラ様ですわっ!」
をい。制作者。どうせ死んでしまうからって、適当にキャラを設定したのではあるまいな?!
そして帰ってきて! 面白がってないで、私を助けて! イングリッド様!!
うふふ・・・と扉の隙間から不気味に微笑む、イングリッド様。
座り込んだまま、潤んだ瞳で私の萌えをつついてくる、殿下。
相変わらずむせながらぜいぜい言っている、アレクシス様。
どうしたらいいのかわからない、私。
混乱は、見かねたルーカスとレオン、それに従ったクラウドが助けてくれるまで続きました。
40
お気に入りに追加
2,896
あなたにおすすめの小説

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)

悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる