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第2章 カップルみたいな事をしてるけどまだ付き合ってすらいないんだぜ
第12話 夫婦になるんだから裸の付き合いも大事だと思うけど?
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浴室でシャワーを浴び始めてから数分が経過した頃、突然誰もいないはずの脱衣所で物音がし始める。
「……ひょっとして母さんか?」
時間的にはまだほんの少し早いがもしかしたら母さんが起きてきたのかもしれない。多分脱衣所に何か取りに来たのだろう。そう思っていると勢いよく浴室の扉が開かれ、アリスが入ってくる。
「お、おい。一体何のつもりだよ!?」
「えっ、私もシャワー浴びにきただけだけど?」
なんとアリスは全裸で何も身に付けていなかったのだ。胸や下半身を一切隠しておらず、完全に全てが丸見えだった。言うまでもなく母親以外の女性の裸を生で見るのはこれが初めてだ。
「いやいや、どう考えてもそれは駄目だろ」
「えっ、何が駄目なの?」
激しく慌てふためく俺に対してアリスはニヤニヤしながらそう口にした。分かっててわざと聞いて来ているに違いない。絶対俺の反応を見て楽しんでいるに決まっている。
「とにかく出ていってくれ」
「えー、別にいいじゃん。夫婦になるんだから裸の付き合いも大事だと思うけど?」
童貞の俺にはあまりに刺激が強過ぎたため追い出そうとするが、アリスはそんな事を言って中々浴室から出て行こうとしない。
「じゃあ俺が出る、アリスはゆっくりシャワーを浴びてていいから」
動こうとしないアリスに対して俺が出ていけば全て解決する事に気付いたため、浴室入り口の扉に向かって手を伸ばした。
「あっ、拓馬待ってよ」
「ちょっ!?」
突然アリスから腕を掴まれた事に驚いた俺は濡れた床に足を滑らせてバランスを崩してしまう。そのままアリスを巻き込んで一緒に床へと倒れ込んだ。
倒れる瞬間思わず目を閉じてしまった俺だが、瞼を開くと目の前にはピンク色と肌色の双丘が広がっていた。どうやらアリスの胸と俺の顔がちょうど重なってしまったらしい。
「こ、この体制は流石に不味いから今すぐそこをどいてくれ」
「……分かった」
俺の上にアリスが覆い被さっている今の体勢は誰がどう見ても一線を超えているようにしか見えない。万が一母さんに見られでもしたら間違いなく大事件だ。父さんを緊急招集して家族会議が開かれるに違いない。
さっきまでは俺の言う事を一切聞いてくれなかったアリスも流石に今回は従ってくれた。どく時にアリスがちょっと残念そうな表情を浮かべていたように見えたのは多分気のせいに違いない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
浴室でとんでもないハプニングがあったせいでアリスの顔をまともに見れない俺だったが、時間が経つにつれていつも通りに戻っていた。
現在はアリスの希望でやってきたシャイニングサンシティという巨大複合商業施設の中にある水族館の館内を二人であちこち歩き回っているところだ。
「色々な種類の魚がいるね」
「へー、小さくてめちゃくちゃ綺麗じゃん」
「一体何種類くらいの魚がいるんだろう?」
目の前の水槽の中にいる色とりどりでカラフルな魚を見たアリスはそうつぶやいた。俺は近くにあった説明用のプレートを見て水槽を泳いでいる魚の名前を読み始める。
「カクレクマノミとレモンピール、コバルトスズメダイ、ナンヨウハギ……他にも色々いるみたいだな」
「ねえねえ拓馬。あっちにクラゲとサメがいるって」
アリスが嬉しそうにはしゃいでいる姿を見てほっこりさせられた。時々異様なオーラを体から出すアリスだったが、ちゃんと普通の女の子らしい一面もあるようだ。
それから二人でゆっくりと館内を見て回り、そろそろお昼ご飯を食べようかなと思っているタイミングでアリスが何かを見つけたらしく俺に駆け寄る。
「あっ、拓馬。見て見て、あそこにペンギンがいるよ」
「本当だ、気持ち良さそうに泳いでるな」
水槽が正面から頭上にかけて広がっていて真横や真下から眺めることができ、さらに空も透けているためまるでペンギン達が飛んでいるように見えるのだ。
ちなみにパンフレットによるとこのエリアは大空のペンギンという名前が付いていて、この水族館の中で一番人気の映えスポットらしい。現に周りにいるカップルや家族連れはスマホで写真を撮りまくっている。
「せっかくだし私達も一緒に写真撮ろうよ」
「分かったからそんなに引っ張るなって」
「ごめんごめん」
そんなやり取りをした後、俺達はペンギンの水槽をバックに自撮りした。撮れた写真は空の上にいるようにも水中の中にいるようにも見え、かなり良い感じだった。
その後もしばらくペンギンを堪能した俺達はレストランへと移動する。ちょうど昼時という事でそこそこ混雑はしていたが特に待ち時間無く入る事ができた。
メニュー表を見てそれぞれ食べたい物を注文した俺達はパンフレットをテーブルの上に広げて昼食後にどうするか話し始める。
「この後はイルカショーを見に行かない? 一時間後に始まるみたいだから昼を食べてたらちょうど良いくらいの時間になりそうだしさ」
「そうだな、そうしようか。やっぱり水族館って言ったらイルカショーのイメージがあるし」
「よし、決まり。じゃあその後は……」
テーブルに注文した料理が運ばれてくるまでの間、俺達予定を話して盛り上がった。
「……ひょっとして母さんか?」
時間的にはまだほんの少し早いがもしかしたら母さんが起きてきたのかもしれない。多分脱衣所に何か取りに来たのだろう。そう思っていると勢いよく浴室の扉が開かれ、アリスが入ってくる。
「お、おい。一体何のつもりだよ!?」
「えっ、私もシャワー浴びにきただけだけど?」
なんとアリスは全裸で何も身に付けていなかったのだ。胸や下半身を一切隠しておらず、完全に全てが丸見えだった。言うまでもなく母親以外の女性の裸を生で見るのはこれが初めてだ。
「いやいや、どう考えてもそれは駄目だろ」
「えっ、何が駄目なの?」
激しく慌てふためく俺に対してアリスはニヤニヤしながらそう口にした。分かっててわざと聞いて来ているに違いない。絶対俺の反応を見て楽しんでいるに決まっている。
「とにかく出ていってくれ」
「えー、別にいいじゃん。夫婦になるんだから裸の付き合いも大事だと思うけど?」
童貞の俺にはあまりに刺激が強過ぎたため追い出そうとするが、アリスはそんな事を言って中々浴室から出て行こうとしない。
「じゃあ俺が出る、アリスはゆっくりシャワーを浴びてていいから」
動こうとしないアリスに対して俺が出ていけば全て解決する事に気付いたため、浴室入り口の扉に向かって手を伸ばした。
「あっ、拓馬待ってよ」
「ちょっ!?」
突然アリスから腕を掴まれた事に驚いた俺は濡れた床に足を滑らせてバランスを崩してしまう。そのままアリスを巻き込んで一緒に床へと倒れ込んだ。
倒れる瞬間思わず目を閉じてしまった俺だが、瞼を開くと目の前にはピンク色と肌色の双丘が広がっていた。どうやらアリスの胸と俺の顔がちょうど重なってしまったらしい。
「こ、この体制は流石に不味いから今すぐそこをどいてくれ」
「……分かった」
俺の上にアリスが覆い被さっている今の体勢は誰がどう見ても一線を超えているようにしか見えない。万が一母さんに見られでもしたら間違いなく大事件だ。父さんを緊急招集して家族会議が開かれるに違いない。
さっきまでは俺の言う事を一切聞いてくれなかったアリスも流石に今回は従ってくれた。どく時にアリスがちょっと残念そうな表情を浮かべていたように見えたのは多分気のせいに違いない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
浴室でとんでもないハプニングがあったせいでアリスの顔をまともに見れない俺だったが、時間が経つにつれていつも通りに戻っていた。
現在はアリスの希望でやってきたシャイニングサンシティという巨大複合商業施設の中にある水族館の館内を二人であちこち歩き回っているところだ。
「色々な種類の魚がいるね」
「へー、小さくてめちゃくちゃ綺麗じゃん」
「一体何種類くらいの魚がいるんだろう?」
目の前の水槽の中にいる色とりどりでカラフルな魚を見たアリスはそうつぶやいた。俺は近くにあった説明用のプレートを見て水槽を泳いでいる魚の名前を読み始める。
「カクレクマノミとレモンピール、コバルトスズメダイ、ナンヨウハギ……他にも色々いるみたいだな」
「ねえねえ拓馬。あっちにクラゲとサメがいるって」
アリスが嬉しそうにはしゃいでいる姿を見てほっこりさせられた。時々異様なオーラを体から出すアリスだったが、ちゃんと普通の女の子らしい一面もあるようだ。
それから二人でゆっくりと館内を見て回り、そろそろお昼ご飯を食べようかなと思っているタイミングでアリスが何かを見つけたらしく俺に駆け寄る。
「あっ、拓馬。見て見て、あそこにペンギンがいるよ」
「本当だ、気持ち良さそうに泳いでるな」
水槽が正面から頭上にかけて広がっていて真横や真下から眺めることができ、さらに空も透けているためまるでペンギン達が飛んでいるように見えるのだ。
ちなみにパンフレットによるとこのエリアは大空のペンギンという名前が付いていて、この水族館の中で一番人気の映えスポットらしい。現に周りにいるカップルや家族連れはスマホで写真を撮りまくっている。
「せっかくだし私達も一緒に写真撮ろうよ」
「分かったからそんなに引っ張るなって」
「ごめんごめん」
そんなやり取りをした後、俺達はペンギンの水槽をバックに自撮りした。撮れた写真は空の上にいるようにも水中の中にいるようにも見え、かなり良い感じだった。
その後もしばらくペンギンを堪能した俺達はレストランへと移動する。ちょうど昼時という事でそこそこ混雑はしていたが特に待ち時間無く入る事ができた。
メニュー表を見てそれぞれ食べたい物を注文した俺達はパンフレットをテーブルの上に広げて昼食後にどうするか話し始める。
「この後はイルカショーを見に行かない? 一時間後に始まるみたいだから昼を食べてたらちょうど良いくらいの時間になりそうだしさ」
「そうだな、そうしようか。やっぱり水族館って言ったらイルカショーのイメージがあるし」
「よし、決まり。じゃあその後は……」
テーブルに注文した料理が運ばれてくるまでの間、俺達予定を話して盛り上がった。
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