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11章.重なる世界
#Ex6-2.その後エルゼは少しだけ成長した
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中庭では、エルゼがエルフィリースやヴァルキリーと共にのんびりとしたひと時を過ごしていた。
温かな陽射しの中、誰に邪魔されるでもなく、ゆったりとしたお茶の時間。
トワイライトフォレストから送られた果実を使ってのフルーツティーは、三人の鼻を優しく癒してくれていた。
「良い香りね。セシリアさんには感謝しないと」
「ほんとそう。こういうお茶も中々新鮮よねぇ」
「癒されますよね。それに、美味しくって。スコーンともよく合います」
三者三様、幸せそうな様子であった。
「エルゼが焼いたクッキーも美味しいですよ。ハーブ入りのようですが」
テーブル中央の器に盛られた固焼きのクッキーをかじりながら、ヴァルキリーが柔らかく微笑みかける。
「あ、はい。師匠に食べてもらえたらって思って試しに焼いてみたんですけど、お味は大丈夫な感じです?」
「ええ、これでしたら、旦那様も喜ぶのではないでしょうか。お茶菓子としては申し分ありません」
ヴァルキリーのお墨付きであった。これにはエルゼも破顔する。
「やたっ、これでようやく、師匠に美味しいものを食べてもらえます! お茶にお菓子に、お料理に……ちゃんとできないと、お嫁さんにはなれませんものね」
屈託なく笑う少女を前に、エルフィリースもヴァルキリーも顔を見合わせ、そして笑った。
「ええ、そうね。男性の胃袋を掴むのはとても大切だわ」
「料理上手でなくては、旦那様の舌を楽しませることは出来ないでしょうしね――」
意外と、魔王はグルメなのだ。
食に関しては無頓着に見える事も多いが、変わった物、美味い物には寄ってくる性質でもあるのか、作っているとちょくちょく顔を見せたりする。
特に人間世界の料理には興味そそられるのか、ただそれを食べるためだけにわざわざ訪れる事もあるほどで、魔王の食への好奇心は存外、幅広い方向へと向いていた。
「エルゼは、旦那様の妻になりたいのですか?」
ニコニコと笑う可愛らしい姫君に癒されながら、ヴァルキリーは問うた。
「はい! 最初はお妾でも良いと思いましたけど、私、師匠の事大好きです! ずっと傍に居たいですし、もう、離れたくないです!!」
無邪気な恋慕がそこにあった。
それがどこか懐かしく感じ、ヴァルキリーは立ち上がって、身を乗り出す。
「ヴァルキリーさん……?」
そうして、その気障な髪型の頭を優しく撫で、無言のまま笑いかけていた。
「……えへへっ」
それがどこかとても優しく感じられて。
エルゼは、嬉しそうに微笑んでいた。
「エルゼを見ていると、昔の自分を思い出しますわ」
「奇遇ねヴァルキリーさん、私もだわ」
用事を思い出したからと席を外したエルゼの背を見やりながら、ヴァルキリーとエルフィリースは、二人してぽつり、かつての自分を思い出していた。
「なんていうか、一生懸命で、ひたむきで」
「自分の気持ちに一杯揺すられて、ぐらぐらになって。でも、想いを遂げたくて」
ほう、と息をつきながら、二人、カップに揺れるお茶を飲む。
「応援したくなるわね」
「がんばって欲しいですよね。ああいう娘は」
そのひたむきさが懐かしく、どこか寂しくもあり。
女二人、少女の恋を応援していた。
「早く師匠に食べてもらいたいなあ――」
部屋から取ってきたクッキーの沢山詰まった袋を手に、エルゼはいそいそと魔王の部屋へと歩く。
どんな反応をしてくれるだろう、褒めてくれるかな、頭を撫でてくれるかも、など、色んな想像をしながら、頬をちょっとだけ赤くして、耳をぴょこぴょこ揺らしながら。
エルゼは大好きな師匠の部屋の前に着き、ぴたり、足を止める。
(んーと……変なところはないかしら……? 笑われてしまわないようにしないとっ)
手鏡を見やりながら、変な所はないか、ちらちらと見て回る。
髪型、よし。ドレス、よし。靴、綺麗。顔、いつもと同じで恥ずかしくない、よし。と言った具合に。
全身のチェックを終え、いざ師匠へ、と、ドアをノックしようとしたところであった。
『――エルゼ、私の妻になってくれないか?』
「……えっ?」
手を向けようとしたところで、エルゼの耳に飛び込んできたのは、全く予想だにしない、そんな言葉であった。
(あっ、何かの……お芝居、とか?)
何かの聞き間違いだとか、師匠の悪戯か何かでは、と、考えてしまったが、しばし待っていても何事かある訳でもなく。
『君はまだ幼い。周りからはロリコンと呼ばれてしまうだろうが、だが、私はもう覚悟が出来た! ロリコンでも構わない、どうか、私の妻になって欲しい!! 魔界にサブカルチャーを広める、その手伝いをしてくれ!!』
(――あっ、師匠……そんな、わたし――)
胸がきゅん、と締め付けられるのを感じ、エルゼは眼の端から涙を零していた。
(私も……私も、師匠の事――)
それは甘酸っぱくも苦しげで、だけれど、エルゼの心を満たしてくれていた。
ずっと欲しかった、少女が夢見ていた『幸せの言葉』であった。
(あ、でも、師匠、私に言わずにいるという事は、まだその時ではないのですね。いますぐ師匠に抱きしめて欲しいですけど、エルゼは我慢しますっ)
ぎゅ、と、胸を押さえながら、エルゼは新たな決意を胸に、その場から歩き出した。
部屋の前に、菓子袋をちょこんと置きながら。
温かな陽射しの中、誰に邪魔されるでもなく、ゆったりとしたお茶の時間。
トワイライトフォレストから送られた果実を使ってのフルーツティーは、三人の鼻を優しく癒してくれていた。
「良い香りね。セシリアさんには感謝しないと」
「ほんとそう。こういうお茶も中々新鮮よねぇ」
「癒されますよね。それに、美味しくって。スコーンともよく合います」
三者三様、幸せそうな様子であった。
「エルゼが焼いたクッキーも美味しいですよ。ハーブ入りのようですが」
テーブル中央の器に盛られた固焼きのクッキーをかじりながら、ヴァルキリーが柔らかく微笑みかける。
「あ、はい。師匠に食べてもらえたらって思って試しに焼いてみたんですけど、お味は大丈夫な感じです?」
「ええ、これでしたら、旦那様も喜ぶのではないでしょうか。お茶菓子としては申し分ありません」
ヴァルキリーのお墨付きであった。これにはエルゼも破顔する。
「やたっ、これでようやく、師匠に美味しいものを食べてもらえます! お茶にお菓子に、お料理に……ちゃんとできないと、お嫁さんにはなれませんものね」
屈託なく笑う少女を前に、エルフィリースもヴァルキリーも顔を見合わせ、そして笑った。
「ええ、そうね。男性の胃袋を掴むのはとても大切だわ」
「料理上手でなくては、旦那様の舌を楽しませることは出来ないでしょうしね――」
意外と、魔王はグルメなのだ。
食に関しては無頓着に見える事も多いが、変わった物、美味い物には寄ってくる性質でもあるのか、作っているとちょくちょく顔を見せたりする。
特に人間世界の料理には興味そそられるのか、ただそれを食べるためだけにわざわざ訪れる事もあるほどで、魔王の食への好奇心は存外、幅広い方向へと向いていた。
「エルゼは、旦那様の妻になりたいのですか?」
ニコニコと笑う可愛らしい姫君に癒されながら、ヴァルキリーは問うた。
「はい! 最初はお妾でも良いと思いましたけど、私、師匠の事大好きです! ずっと傍に居たいですし、もう、離れたくないです!!」
無邪気な恋慕がそこにあった。
それがどこか懐かしく感じ、ヴァルキリーは立ち上がって、身を乗り出す。
「ヴァルキリーさん……?」
そうして、その気障な髪型の頭を優しく撫で、無言のまま笑いかけていた。
「……えへへっ」
それがどこかとても優しく感じられて。
エルゼは、嬉しそうに微笑んでいた。
「エルゼを見ていると、昔の自分を思い出しますわ」
「奇遇ねヴァルキリーさん、私もだわ」
用事を思い出したからと席を外したエルゼの背を見やりながら、ヴァルキリーとエルフィリースは、二人してぽつり、かつての自分を思い出していた。
「なんていうか、一生懸命で、ひたむきで」
「自分の気持ちに一杯揺すられて、ぐらぐらになって。でも、想いを遂げたくて」
ほう、と息をつきながら、二人、カップに揺れるお茶を飲む。
「応援したくなるわね」
「がんばって欲しいですよね。ああいう娘は」
そのひたむきさが懐かしく、どこか寂しくもあり。
女二人、少女の恋を応援していた。
「早く師匠に食べてもらいたいなあ――」
部屋から取ってきたクッキーの沢山詰まった袋を手に、エルゼはいそいそと魔王の部屋へと歩く。
どんな反応をしてくれるだろう、褒めてくれるかな、頭を撫でてくれるかも、など、色んな想像をしながら、頬をちょっとだけ赤くして、耳をぴょこぴょこ揺らしながら。
エルゼは大好きな師匠の部屋の前に着き、ぴたり、足を止める。
(んーと……変なところはないかしら……? 笑われてしまわないようにしないとっ)
手鏡を見やりながら、変な所はないか、ちらちらと見て回る。
髪型、よし。ドレス、よし。靴、綺麗。顔、いつもと同じで恥ずかしくない、よし。と言った具合に。
全身のチェックを終え、いざ師匠へ、と、ドアをノックしようとしたところであった。
『――エルゼ、私の妻になってくれないか?』
「……えっ?」
手を向けようとしたところで、エルゼの耳に飛び込んできたのは、全く予想だにしない、そんな言葉であった。
(あっ、何かの……お芝居、とか?)
何かの聞き間違いだとか、師匠の悪戯か何かでは、と、考えてしまったが、しばし待っていても何事かある訳でもなく。
『君はまだ幼い。周りからはロリコンと呼ばれてしまうだろうが、だが、私はもう覚悟が出来た! ロリコンでも構わない、どうか、私の妻になって欲しい!! 魔界にサブカルチャーを広める、その手伝いをしてくれ!!』
(――あっ、師匠……そんな、わたし――)
胸がきゅん、と締め付けられるのを感じ、エルゼは眼の端から涙を零していた。
(私も……私も、師匠の事――)
それは甘酸っぱくも苦しげで、だけれど、エルゼの心を満たしてくれていた。
ずっと欲しかった、少女が夢見ていた『幸せの言葉』であった。
(あ、でも、師匠、私に言わずにいるという事は、まだその時ではないのですね。いますぐ師匠に抱きしめて欲しいですけど、エルゼは我慢しますっ)
ぎゅ、と、胸を押さえながら、エルゼは新たな決意を胸に、その場から歩き出した。
部屋の前に、菓子袋をちょこんと置きながら。
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