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9章 変容する反乱
#Ex5-2.セシリアは忘却を受け入れた
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「――さま。お起きになってくださいまし」
優しい声がした。
いつの間にか寝ている自分。いつの間にか朝になっていて、優しい陽の光に、涙目のままに起き上がる自分。
セシリアは、そんな『自分』を感じながら、しかし、それをどこか第三者のような視点で眺めていた。
「うん……? あ、もう、朝……」
眠い目をこすりながら、のそのそとベッドから起き上がる自分。
ベッドの傍には、見慣れた侍女の姿。
「その通り。朝ですよおひい様。ささ、早く朝食を。今朝は、おひい様の大好きなオムライスですから」
優しげに微笑みかけてくれるその侍女に、心底癒されるのを感じながら。
「オムライス……いいわね!」
そのセシリアは、元気一杯に食卓へと向かうのだ。
(……)
それを、もう一人のセシリアは神妙な面持ちで眺めていた。
元気一杯に笑う自分にではない。
オムライスに書かれた名前が『セシリア』ではなく『セツリア』になってる事でもない。
ただ、その『侍女』の顔を見ようとしていた。
――顔の無い女。だというのに、その自分は何故、何も違和感を感じないのか。
オムライスの名前に突っ込みを入れながらもスプーンが卵を壊していく。
ただ一言が言えない。
『なんで貴方、顔が無いの?』と。
全く何の疑問も無く、無邪気な自分はそれを受け入れていたのだ。
そうしてセシリアは、気付いてしまった。
(そうか、私――)
最初から、そうだったのだ。
自分には、この侍女の顔なんて、認識できていなかった。
ただ傍にいるのが当たり前のように感じ、そうして、それが彼女にとって普通で、何の不思議もないことなのだと勝手に思い込んでいただけで。
でも、『実際はこうなのだ』と言われると、なんとも自信がなく、何より不安だらけであった。
だが、確かに覚えてもいたのだ。
悪戯好きな、皮肉ばかり言う、ひねくれものの侍女。
縫い物が得意で、ちょくちょく自分や他の姫君たちに服やなんかを作ってあげていた、そんな彼女を。
なんだかんだ、その料理は美味しく、彼女がいればお茶会に他に誰もいなくても寂しくなくて、何より気が利いていた。
座っていただけでお茶が出てくる。
お茶菓子も、アーモンドなんかよりずっとマシなものがいくつも用意されてあって、それがいつの間にか置かれていたりする。
外から自分が帰れば、必ずお風呂が沸かしてあって、いつでも入れるようになっていた。
荷物なんかを入り口に置いたままにしても、セシリアが気を向けていない間にそれらは綺麗に片付いていて、すぐに取り出せる場所に整理されているのだ。
全て全て、懐かしくも感じ。だからこそ、彼女はその名を呟いた。
『セリエラ』
遥か遠い名のように、その名はずっとずっと離れた場所から発せられた気がした。
だが、侍女は振り向く。彼女が相対する主人にではなく、『自分』に向けて、にこやかに微笑んでくれたのだ。
「なに寂しがってるんですかおひい様。私なんて、いつだって貴方の傍にいるんですから。つまんない顔してると、陛下にそっぽ向かれちゃいますよ?」
悪戯っぽい顔でそう皮肉り、にやり、口元を歪める。
やっと会えたのに何なのこの娘、と、少しムッとなるセシリアに、だけれど、優しい視線を向け、笑った。
「がんばってくださいまし。陛下はまだ誰も選んでいませんし。だからと、私が居ないからとしょぼくれてたら、ヒロインレースから脱落してしまいますわ。気合をお入れなさいな!」
なんとも無責任な事をのたまいながらも。それでも、その言葉には確かに元気付けられる事もあって、セシリアは笑って返す。
『解ってるわよ。そんな事。貴方なんかいなくたって、陛下のお心は私が掴んで見せるわ!』
ぐ、と、握り拳。勝ち気な笑顔を見せるセシリアに、セリエラは澄まし顔で、最後の一言。
「……そう、それでいいのです。ごめんなさいね、セシリア。何も言わずに離れてしまって。だけど、もう貴方は一人でも大丈夫そうだわ。パイも、上手に焼けるようですし――ね」
もう大丈夫、と。認めながらに。
自分が世話をする必要は無いのだと、満足げに口元を緩めながら。
獣耳を生やした『彼女』の何もない顔は、最後にセシリアのソレへと変わっていき――そのまま、消えた。
「……あっ」
そうして、セシリアは、自分が一人きりでお茶をしていた事に気づく。
幻視? 幻覚? 勘違い? 妄想? いいや違う。そんなものではない。違うのだ、と。
目の端から溢れる涙が、いつの間にか置かれたままになっていたカップへと滴り落ちる。
そう、独りぼっちになってしまった。最初からそうだった。それに今気付かされたのだ。
あの、獣耳を生やした自分の顔をした侍女が、誰だったのかはもう、解らない。
今こうしている間も、その記憶がどんどんと薄れていくのが解っていた。
薄らいでいく記憶の中、しかし、彼女は確かに笑っていて、自分を励ましていてくれたような気がして。
だというのに、それをやっていたのが自分と同じ顔をした――違う、自分自身だったなんて、あんまりじゃあないかと。
涙ながらにカップの中の、冷めてしまったミルクティーをごくり、一飲みにする。
味など何も感じない。乳臭さばかりが鼻について、ハーブの香りがやたらツンときて。
自分は、まともに紅茶すら淹れられないと言うのに、何に安心して消えていったというのか。
部屋の入り口には荷物が置かれたまま。お風呂だって沸いてない。これが現実だった。
「……やらないと」
一人ごちる。カップを置いて、何かを決心したように立ち上がった。
「やらないと」
まずは洗い物を。そのままほったらかしになっているミルクパンを、水場へと漬けて洗い始める。
「やらないとっ」
それを綺麗に拭いて、元ある場所に戻す。やる事は山ほどあった。
今の部屋の入り口など、足の踏み場もないではないか。
こんな時に陛下が来訪したらどうするというのか。
無様すぎる。こんなところは見せられない。
「――こんな所で、しょぼくれてる場合じゃないわ!!」
どこか鬼気迫ったような、気迫に溢れる表情で、歯を食いしばりながら。
身体に力が漲ってくるのを感じながら、セシリアは荷物の山を片付けていく。
整理整頓。綺麗に小分けして、取り易いようにしまっていく。たったそれだけ。
そうしてお風呂場へと向かい、湯を沸かす。たったそれだけ。
何のことはない。出来てしまえる。当たり前だ。『彼女』は今までそうしてきたのだ。
誰にやらせたでもない。自分でやっていたのを、他人にやらせたような気がしていただけ。
荒い息。汗が滲む額に掌を当て、それを拭いながら。
セシリアは、笑っていた。
「ええ、大丈夫よセ――ア、私は、できる!!」
何も問題ないわ、と、薄れてしまった記憶をどこか隅へと追いやりながら。
人の手など必要のなくなった自分に、満足していた。
それきり、彼女が今の自分に疑問を抱く事はなくなった。
優しい声がした。
いつの間にか寝ている自分。いつの間にか朝になっていて、優しい陽の光に、涙目のままに起き上がる自分。
セシリアは、そんな『自分』を感じながら、しかし、それをどこか第三者のような視点で眺めていた。
「うん……? あ、もう、朝……」
眠い目をこすりながら、のそのそとベッドから起き上がる自分。
ベッドの傍には、見慣れた侍女の姿。
「その通り。朝ですよおひい様。ささ、早く朝食を。今朝は、おひい様の大好きなオムライスですから」
優しげに微笑みかけてくれるその侍女に、心底癒されるのを感じながら。
「オムライス……いいわね!」
そのセシリアは、元気一杯に食卓へと向かうのだ。
(……)
それを、もう一人のセシリアは神妙な面持ちで眺めていた。
元気一杯に笑う自分にではない。
オムライスに書かれた名前が『セシリア』ではなく『セツリア』になってる事でもない。
ただ、その『侍女』の顔を見ようとしていた。
――顔の無い女。だというのに、その自分は何故、何も違和感を感じないのか。
オムライスの名前に突っ込みを入れながらもスプーンが卵を壊していく。
ただ一言が言えない。
『なんで貴方、顔が無いの?』と。
全く何の疑問も無く、無邪気な自分はそれを受け入れていたのだ。
そうしてセシリアは、気付いてしまった。
(そうか、私――)
最初から、そうだったのだ。
自分には、この侍女の顔なんて、認識できていなかった。
ただ傍にいるのが当たり前のように感じ、そうして、それが彼女にとって普通で、何の不思議もないことなのだと勝手に思い込んでいただけで。
でも、『実際はこうなのだ』と言われると、なんとも自信がなく、何より不安だらけであった。
だが、確かに覚えてもいたのだ。
悪戯好きな、皮肉ばかり言う、ひねくれものの侍女。
縫い物が得意で、ちょくちょく自分や他の姫君たちに服やなんかを作ってあげていた、そんな彼女を。
なんだかんだ、その料理は美味しく、彼女がいればお茶会に他に誰もいなくても寂しくなくて、何より気が利いていた。
座っていただけでお茶が出てくる。
お茶菓子も、アーモンドなんかよりずっとマシなものがいくつも用意されてあって、それがいつの間にか置かれていたりする。
外から自分が帰れば、必ずお風呂が沸かしてあって、いつでも入れるようになっていた。
荷物なんかを入り口に置いたままにしても、セシリアが気を向けていない間にそれらは綺麗に片付いていて、すぐに取り出せる場所に整理されているのだ。
全て全て、懐かしくも感じ。だからこそ、彼女はその名を呟いた。
『セリエラ』
遥か遠い名のように、その名はずっとずっと離れた場所から発せられた気がした。
だが、侍女は振り向く。彼女が相対する主人にではなく、『自分』に向けて、にこやかに微笑んでくれたのだ。
「なに寂しがってるんですかおひい様。私なんて、いつだって貴方の傍にいるんですから。つまんない顔してると、陛下にそっぽ向かれちゃいますよ?」
悪戯っぽい顔でそう皮肉り、にやり、口元を歪める。
やっと会えたのに何なのこの娘、と、少しムッとなるセシリアに、だけれど、優しい視線を向け、笑った。
「がんばってくださいまし。陛下はまだ誰も選んでいませんし。だからと、私が居ないからとしょぼくれてたら、ヒロインレースから脱落してしまいますわ。気合をお入れなさいな!」
なんとも無責任な事をのたまいながらも。それでも、その言葉には確かに元気付けられる事もあって、セシリアは笑って返す。
『解ってるわよ。そんな事。貴方なんかいなくたって、陛下のお心は私が掴んで見せるわ!』
ぐ、と、握り拳。勝ち気な笑顔を見せるセシリアに、セリエラは澄まし顔で、最後の一言。
「……そう、それでいいのです。ごめんなさいね、セシリア。何も言わずに離れてしまって。だけど、もう貴方は一人でも大丈夫そうだわ。パイも、上手に焼けるようですし――ね」
もう大丈夫、と。認めながらに。
自分が世話をする必要は無いのだと、満足げに口元を緩めながら。
獣耳を生やした『彼女』の何もない顔は、最後にセシリアのソレへと変わっていき――そのまま、消えた。
「……あっ」
そうして、セシリアは、自分が一人きりでお茶をしていた事に気づく。
幻視? 幻覚? 勘違い? 妄想? いいや違う。そんなものではない。違うのだ、と。
目の端から溢れる涙が、いつの間にか置かれたままになっていたカップへと滴り落ちる。
そう、独りぼっちになってしまった。最初からそうだった。それに今気付かされたのだ。
あの、獣耳を生やした自分の顔をした侍女が、誰だったのかはもう、解らない。
今こうしている間も、その記憶がどんどんと薄れていくのが解っていた。
薄らいでいく記憶の中、しかし、彼女は確かに笑っていて、自分を励ましていてくれたような気がして。
だというのに、それをやっていたのが自分と同じ顔をした――違う、自分自身だったなんて、あんまりじゃあないかと。
涙ながらにカップの中の、冷めてしまったミルクティーをごくり、一飲みにする。
味など何も感じない。乳臭さばかりが鼻について、ハーブの香りがやたらツンときて。
自分は、まともに紅茶すら淹れられないと言うのに、何に安心して消えていったというのか。
部屋の入り口には荷物が置かれたまま。お風呂だって沸いてない。これが現実だった。
「……やらないと」
一人ごちる。カップを置いて、何かを決心したように立ち上がった。
「やらないと」
まずは洗い物を。そのままほったらかしになっているミルクパンを、水場へと漬けて洗い始める。
「やらないとっ」
それを綺麗に拭いて、元ある場所に戻す。やる事は山ほどあった。
今の部屋の入り口など、足の踏み場もないではないか。
こんな時に陛下が来訪したらどうするというのか。
無様すぎる。こんなところは見せられない。
「――こんな所で、しょぼくれてる場合じゃないわ!!」
どこか鬼気迫ったような、気迫に溢れる表情で、歯を食いしばりながら。
身体に力が漲ってくるのを感じながら、セシリアは荷物の山を片付けていく。
整理整頓。綺麗に小分けして、取り易いようにしまっていく。たったそれだけ。
そうしてお風呂場へと向かい、湯を沸かす。たったそれだけ。
何のことはない。出来てしまえる。当たり前だ。『彼女』は今までそうしてきたのだ。
誰にやらせたでもない。自分でやっていたのを、他人にやらせたような気がしていただけ。
荒い息。汗が滲む額に掌を当て、それを拭いながら。
セシリアは、笑っていた。
「ええ、大丈夫よセ――ア、私は、できる!!」
何も問題ないわ、と、薄れてしまった記憶をどこか隅へと追いやりながら。
人の手など必要のなくなった自分に、満足していた。
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