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9章 変容する反乱

#9-3.その後石像は玉座入り口のオブジェとなった

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「私に、シフォン皇帝らの警護を……?」
魔王城、魔王の執務室にて。
机の前に腰掛け、ぱそこんの画面を見やる魔王を前に、等身大アリスがその言葉を反復する。
「そうだ。アリスちゃんには悪いが、今一度皇帝の元へと行って欲しい。どうにも気になるところがある」
「それは……旦那様がそう仰るのでしたら。ですが、よろしいのでしょうか……?」
主の命に、しかしアリスは上目遣いで気遣う。
魔王城の転送機能が停止し、既にエリーセル・ノアールの両名がこの場に居ないのだ。
この上アリスまでいなくなれば、魔王は自在に各地を移動する事が難しくなる。
行き先が限られるとは言え、今までのように瞬時に目的地に移動する事はできないと言ってもいい。
「構わんよ。必要とあらば、ノアールちゃんとエリーセルちゃんをコールで呼ぶ。それより今は、シフォン夫妻の方が心配なのだ」

 女王エリーシャが何を考え今のような攻勢重視の政策を敷いているのか、魔王には既に解っていた。
同胞であるが故に。同類であるが故に。
今、中央部は北部と南部、双方からの攻撃にさらされている。
軍事バランスで考えるならば双方からの攻撃であっても容易に倒れる中央部ではない。
だが、それでも人手が分散してしまえば、どうしても守りが薄くなる場所が出てきてしまう。
そして、その中には本来ならばもっとも警護を強くしなければいけない場所もあるはずであった。
エリーシャ体制の急所とも言える場所である。
皇帝夫妻が倒れれば、名目上はその下で代理として国の軍務と政務双方を取り仕切っているエリーシャの正当性は瓦解する。
当然、魔王としてもそのリスクを無視はできなかった。
反乱が落ち着きつつある今、魔王城の守りに徹する必要もなくなったから、というのもある。
再び人間世界に本格的に介入するのは人間世界が落ち着いた後でいいとしても、守るべきものを守るため、魔王は出し惜しみするつもりはなかった。

「彼らが万一にでも死ぬようなことがあっては困る。アリスちゃん、頼んだよ」
「かしこまりました。万事、アリスにお任せくださいませ」
腕を組み、難しそうな顔をしながらも自身の顔を見つめる主人に、アリスはすまし顔でそれを受け、可愛らしくお辞儀した。
安堵したのか、それを見て魔王は頬を緩め、小さく頷く。
「うむ。アリスちゃんなら大丈夫だと思う。私の事は心配いらない。人間の娘『アリス』として、皇帝の信頼に適い得る働きをして欲しい」
「ええ。ですが旦那様。アリスは旦那様の人形ですわ。この心の底から愛し、信頼し、忠誠を誓うは旦那様だけです」
「……ありがとう」
胸を張って愛を、信頼を、忠誠を語る人形に、魔王は破顔した。
「では、すぐにでも参りますわ。旦那様、どうかお元気で」
「ああ。アリスちゃんも。怪我などしたらすぐに帰ってくるんだよ?」
「勿論ですわ。それでは、失礼致します」
深々とお辞儀し、きびすを返す。
『いってらっしゃい』
『アリス様、お気をつけて』
『がんばってくださいませ』
ベッドの上から二人のやりとりを見ていた人形達も、口々にアリスを送り出す。
振り向かずそのままこくりと頷き、アリスは部屋を出て行った。


「むむむ……」
玉座の間では、アルルが一人、紙切れを手に難しげに唸っていた。
「はあ、やっぱりこれが私っていうのは何かおかしい」
かと思えば大きくため息。小さな肩と羽が揺れた。
「何をぶつぶつと呟いているのかね」
「うひゃぁっ!?」
何をやってるんだと声をかけた魔王に、アルルはびくりと震え叫び声をあげる。
突然の事に魔王も唖然としたが、アルルはすぐに首を左右に振り、紙切れを懐に、深々と頭を下げた。
「も、申し訳ございませんっ、まさか陛下がいらっしゃったとは――」
「そりゃ、私の玉座なんだからな。というか私を待っていてここにいたのではないのかね?」
流石に呼んだだけで驚かれたのはちょっとだけ悲しかった魔王は、若干ぼやきの入った口調でアルルに問う。
「あ、ええ、そうなのです。とりあえず報告いたします」
若干わたわたとしていたが、すぐに落ちつきを取り戻し、ズレた眼鏡を直しながらに報告に入る。

「まずは反乱についてですが、これはほぼ終結したと言えます。西部の大軍が全滅した事もあり、降伏する領主が続出していますから」
「うむ。結構な事だ。これでようやく動けるという事だね」
「はい。黒竜姫様の話では、まだ父上を倒せたとは言い切れないようですので、これだけが気がかりですが……」
今では父親の事はある程度割り切れているらしく、既にアルルの顔には一時期のような陰りも無かった。
「とはいえ、魔王軍全体で見ても今回の反乱によって受けた痛手は回復に時間がかかります。軍団単位で動くには、まだしばらくの時間が必要となるでしょうね」
「あまり時間はかけたくないが、このあたりは仕方ないね。できる手を打っていく形で少しずつでも変えていくほか無いか」
少なからぬ被害が出た以上、当面の間は各地域の修復や種族そのものの移動などの措置が必要であった。
魔族世界全体の勢いが失われては元も子もない。魔王もやむを得ずといった様子で頷いていた。


「ところでアルルよ、先ほど君が隠した紙はだったのかね?」
その後もアルルによる現状報告が続いたが、それらがひと段落したところで、魔王は先ほどからの疑問を口にしていた。
アルルが難しげに見ていた紙切れの事である。
「えっ? あ、これですか……そんな大した物ではございません」
話題の移り変わりに驚いた様子であったが、アルルはやや照れくさそうにズボンのポケットから紙を取り出す。
「隠していた訳でもなかったのですか……例の、人間世界よりの技師が『アルル殿を想像しながら描いたのですが』と、渡してきたのです」
照れからか、わずかばかり頬を染めながら、魔王に見えるように紙を渡してくる。
「ほう、人間の――おお、これはっ」
どんなものだろうと見てみた魔王は、それの出来に思わず立ち上がってしまう。
アルルもびくりと羽をばたつかせ、気まずげに視線を逸らしていた。

 そこに描かれていたのは、アルルを模した等身大石像のイメージ図であった。
ところどころデフォルメされており、顔が幼めであったり、オリジナルでは乏しかった胸も若干ながら補完されていたり、羽が大きめになっていたりと、様々な記号的な部位が改変されていた。
ある意味余計な真似とも言えるが、技師本人にとっては必要な措置だったのだろう。

「……この紙を渡しながら『惚れたので彫らせて下さい』と言ってきまして……」
「ストレートにも程があるな」
魔王も思わず苦笑いである。もう少し言い方というものもあるだろうに、と思いながらもとりあえず座りなおした。
だが、これはこれで良いと、しみじみ紙面のイメージ図を眺めてしまう。
「まあ、どういう意味でその技師が君に惚れているのかは解らんが、既にこうしてイメージとして出来上がっているなら、後は時間の経過で完成するのではないかね? こういうのは案外早いものだよ?」
「そうなのですが……私としては正直、こんなものを彫られても困るといいますか。どうしろと言うのですか」
「部屋に飾るとか」
「そんなスペースありませんよ。書類と本で埋まっています」
そのあたり無頓着な所は母親譲りであったらしい。
ほんとにロクなところを遺伝しないな、と、魔王は内心嘆いていた。
「しかし、彼らの情熱を失わせるような事はしてはいかんよ。むしろ学ぶべきだ。情熱のままに、例え下手でも良いから色々作ってみると良い。私も良く絵を描いたりしているし、一向に上手くもならんが、それでも何かやった気にはなっている!」
魔王の何の根拠も無い熱弁が猛威を振るっていた。
アルルは耳栓を欲していた。この手の話は苦手なのだ。
「陛下は……なんというか、人間的な感性が理解できるのはいい事だとは思いますが。私には正直何が何やら……この絵だって、私には全然似てませんし――」
「いや、これはデフォルメ化と言って、実際のモノより幼めにというか、子供向けに描かれた特徴のあるイラストであって――」
「陛下は、これが私だとお思いですか?」
「無論だ。その、君を模して描いたのだという人間から見た君は、まさしくこのような姿をしているように取れたのだろう。あるいは、想像の中でそのように変化したのかもしれんな。自動翻訳的に」
「意味が解りません」
深い深いため息をついてしまう。アルルは途方に暮れていた。

「だがアルルよ、これからの時代、様々な事に挑戦する必要はあると思うぞ。政治だけではない。人間世界の文化をもっと理解できなくては、彼らを形成する背景を理解できないまま過ちを犯してしまう事もあるかもしれん」
文化の違いは認識の齟齬そごを生みやすい。
政治という分野において、無知は殊更に罪なのだ。
これを避けるために、相互理解は欠かせないはずであった。
そういう意味では魔王の言葉も正論ではあり、アルルも反論できない。
「そんな訳で君も私と一緒に絵画をだな――」
「それとこれとは別ですよね」
だが、魔王の誘いには毅然きぜんと首を横に振った。
アルルはきちんと拒絶が出来る娘であった。ノーと言える娘であった。この辺り、実に心強い。
「むう。楽しいんだがね、絵を描くのは。絵じゃなくてもいいんだ、人形を作ってみるだとか、物語を書いてみるだとか……何らか、サブカルチャー的なものに触れてみるのはいい事だと思うがね。気分転換にもなるよ?」
「彼らの書いた本は私には理解できない部分が多すぎます。その、馬魔の少女を指して『可愛い』だとか、蛇女を指して『嫁に欲しい』だとか、何を考えてるのか――」
「人間の男も色々あるのだろう。いや、男が書いたとも限らんぞ?」
「それならそれはそれで問題があるのではないでしょうか……同性がそのように考えているというのは、正直怖気おぞけが走るのですが……」
女性作家のものとも知れぬと知るや、アルルは尚の事震え上がった。
別に性的な見方でそのように書かれた訳ではないかもしれないが、アルルにはそう取れてしまったのだ。
「人間の女性というのは、そんなに同性愛に寛容なものなのですか?」
「んー、どうだろうねえ。というか、犬や猫を見たときの『かわいい』という感覚と同類かもしれんよ?」
「猫は確かにかわいいですがっ! でも、それはなんといいますか、癒されるという感覚でして」
猫と言う単語にピクリと耳を揺らし眼を見開くが、それでも強くは言い切れないのか、言葉尻は小声になってしまっていた。
「そもそも、何故人間が元々敵であった我々に対してそのような見方をするのでしょうか? 何かの嫌がらせですか? 弱々しく見てからかってやろうとか、そういう……」
「違うだろう。そんなんじゃなく、彼らの眼には君たちは最初からそう見えてたんじゃないかね? 人間の男の中にだって魔族の娘に惹かれてしまう者が居るように、存外、彼らの眼はただの敵として以外にも、様々な見え方がしていたんじゃないかな?」

 夜魔に魅了されてしまうケースは別としても、人間の中にもただ恐れるだけでなく、『可愛い』の対象として魔族の歳若い娘を見てしまう者もいるのではないか。
戦っていたとはいえ、共に感性を持ち、生きる霊長の長である。
そこにはそれほど多くの違いはないのではないか。
ともすれば、共感し、共に生きていける日がくるのではないか。
魔王は、この世界の人類と魔族に、一株の希望を抱いていた。
とりわけ人間の、その『モノの見方・考え方』には強い興味を感じていた。
一定に定まらず、効率や状況に関係しない事すらある。一貫性があるとは限らない。
だが、そんなあやふやな感性が様々な想像と可能性を生み出し、魔王の予想だにしない品が出来上がったりする。
そんな感性が魔族にも必要なんじゃないかと、魔王は思ったのだ。

「理解が進み、交流が続いていけば――やがては、互いの同意を以って子を成す世代も誕生するかも知れん。魔族同士、人間同士ではなく、そういった染まりあった関係も悪くは無いと思うがね」
「……人と魔族が交わりあう事など、本当にありえるのでしょうか? 戦利品として連れ帰った人間の娘を悪趣味な者がなぶって、結果として生き延びた人間の娘が混血の子を成した、というケースならあると聞きますが」
「ああ。ハーフというのが不幸なお話の末路としてではなく、幸せの一つとして存在するようにしてやりたいものだ」
混血の話まですると脱線もはなはだしくなるかもしれないが、と、魔王は笑うが。
アルルは複雑そうな表情であった。羽をピコピコとさせ、落ち着き無く視線を逸らす。
理解したくない訳ではないが、彼女にはまだ、そこまで考えが及ばないのだ。そうなる未来が想像できないのだ。
「まあ、難しく考えることはない。その紙に描かれたイラストだって、彼らにしてみれば君が『創作意欲が湧くモチーフだった』程度のものだよきっと。せいぜい完成を待ってやれば良い。自分の像だと思えば、存外愛着も湧くかもしれんよ?」
「そういうものでしょうか……?」
「そういうものさ。サブカルチャーというのはね、難しく考えたら駄目なのだ。軽く、てきとーに考えたまえ」

 アルルに限らないが、魔族というのはどうしても難しく考えすぎるのだ。
何事も真面目に考えすぎるというか、性格上真面目不真面目はあるが、その思考そのものは固く硬質化している事が多い。
この辺り、魔王は魔族としてはかなり適当というか、軽い。
面倒くさい事は即座に投げ出すし、余計な事は考えないように誤魔化したりする。
そこらへんのファジーな感覚が必要なのかもしれないと、魔王は考えていた。
勿論、職務上アルルの真面目さは必要だし、後継者と認めた彼女が自分のように適当になられても、それはそれで困るとも思っていたが。

「まあ、陛下がそう仰るのでしたら。では、これ以上話す事もないので、これで失礼します」
「うむ。私も執務室に戻る。そろそろ夕食の時間だしな……」
懐の懐中時計を見れば、もう夕刻であった。
腹の音がぐぅ、と鳴り、魔王は笑う。
「……陛下は、普通に食事を取られるのですね」
「うん? そりゃ、まあ、ね。別に取る必要も無いが、心が豊かになるからね」
「私は食べている時間があればその分本を読んでいますから、基本食べないのですが。そうですか、心が豊かに……」
噛み締めるように呟きながら、また魔王に近づく。
「陛下、よろしければ今宵の夕食、ご一緒しても?」
珍しい提案であった。
魔王も驚かされるが、何せ寂しい夕食である、拒む理由等あろうはずもなかった。
「構わんよ。では行こうか。先に断っておくが、エルゼは一緒になるからね。最近はこの位の時刻から目を醒まし、夕食を一緒に取ることにしているんだ」
「ありがとうございます。彼女に関しては私は気にしませんよ。ただ、その、なんというか――久しぶりに気が向いたというか。食事を取ろうと。でも、一人で食べるのはつまらないですからね」
彼女なりに食事に関しては思うところもあるらしく、その上でのお誘いらしかった。
魔王も深くは気にせず立ち上がり、アルルに先導して歩きだす。
「ああ、全くだ。食事は楽しいに限る。にぎやかな食卓は、私は好きだよ?」
振り返らず歩みも止めず、軽く右手を挙げながら、魔王はアルルに同意した。
アルルも隠れて微笑みながら、その後に続く。行く先は食卓の間である。

 尚、先にテーブルについていたエルゼが、魔王の後ろを歩くアルルの姿を見るや、見る見るうちに不機嫌になってしまったのは言うまでもないが。
こちらは魔王の分のデザートのケーキが一つ、エルゼの皿に盛られることによって解消されたのであった。
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