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9章 変容する反乱
#3-1.クロスロード1
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魔族世界東部・トランシルバニア、領主館にて。
夜も白やむ頃合であったが、そこは既に戦場となっていた。
(雨よ降れ、雨よ降れ、業火の雨よ降り注げ)
「雨よ降れ、雨よ降れ、業火の雨よ降り注げ」
(空を焼け、地を焼け、全てを焼き焦がす灼熱の炎よ、今ここに)
「空を焼け、地を焼け、全てを焼き焦がす灼熱の炎よ、今ここにっ」
『ダルクフレア!!』
両手を掲げながら 目を閉じ、魔法の発動に専念するミーシャと、そのミーシャに後ろから抱きつき、耳元で何事か囁きかけるアーティ。
ミーシャの『発動』によって領主館上空に巨大な魔法陣が展開し、館の周囲に無数の業火の槍が降り注ぐ。
それは的確に、残酷なほど正確に館に侵入しようとする魔物兵らを射抜き――熱に溶かしていく。
現代魔法においては最上位の対軍魔法、その中でもトップクラスの難易度を誇るものであった。
「うぎゃぁっ」
「ひぃっ、炎がっ、炎がぁっ」
「体がっ!? 俺の体が溶けぁ――」
ほどなく悲鳴が、絶叫が、恐ろしげな断末魔が館の外のあちこちで響き、それを聞くたびにミーシャは身を震わせる。
(……次。サーチアイ)
「あっ……さ、サーチアイッ」
館の外からの声に動揺しそうになるミーシャに語りかけ、次を促す。
ミーシャもアーティの意図に気づき、即座に次の魔法を発動させる。
――映像魔法『サーチアイ』。
これは、近接範囲内を上空から索敵できる魔法である。
索敵された情報は術者の視覚として自動的に転写される為、発動中はそれ以外の視覚が潰されてしまうという欠点もあった。
「……敵の姿、見当たらないみたいだけど……」
耳に残るほど悲惨な悲鳴を挙げていた者達は、いつの間にか姿を消していた。
館の外に残るのは真っ白になった灰と、どろどろと地を溶かす赤のみ。
――とりあえず撃退に成功したらしかった。
ほう、と、息を抜きながら、後ろのアーティともどもペタンと尻餅を付くミーシャ。
「良かった。今のうちに少しでも休みましょう」
アーティも安堵し、ミーシャから離れ、立ち上がる。
「水分は大丈夫ですか?」
「あー……ちょっと喉乾いたかも……」
「では、何か飲み物を。ミーシャさんはそのままサーチアイを維持していてください」
「解ったわ。お願い」
見えないまま、部屋から出て行くアーティの方を向き、ミーシャは軽く手を振っていた。
既に戦いが始まってから二回の襲撃を受けていた。
一度目は斥候なのか、敵数は少なく、迎撃も容易かった。
二度目は襲撃開始から三時間ほど連続して続いていたため、二人の消耗も激しかった。
それでもなんとか撃退に成功し、こうして小休止をはさめている。
(アーティさんがいなかったら、私、どうなってたんだろう)
迎撃に成功したものの、ミーシャは未だそれが実感できないでいた。
当初は不安で混乱しそうになっていたが、それもアーティのおかげでなんとか抑えられていたし、この局面において、アーティはミーシャの安定剤とも言えるほど大切な支柱となっていた。
戦闘など初めてで、どうしたらいいのかも分からなかったが、耳元でアーティが囁くのと同じ言葉を復唱し、発動させるだけでそれは魔法となった。
――魔術の連携行使。
同種族同士ならばよくある事ながら、魔族と人との共同での発動は史上初とも言えるもので、それを意識していた訳ではないにしろ、ミーシャは大層緊張していた。
まず、アーティから送られてくる魔力を使い、ミーシャが詠唱、発動させる。
発動された魔法はアーティによってコントロールされ、計算された地点に展開される。
『属性:魔法』という非常に希少な才能はあっても人相応の魔力の器しか持たないミーシャであったが、アーティが魔力を提供する事によってその問題点はクリーンとなっていた。
結果、暴力的なまでの魔力コストは全てアーティ持ち、発動失敗の際のリスクは全てミーシャ持ちという分担が生まれている。
この連携は、何かと動揺しがちなミーシャの手綱をアーティが握れるのも大きかった。
(それにしても、あんなにたくさんの魔法、アーティさんのおかげとはいえ行使できたなんて言ったら、師匠はどんな顔するかしら……?)
いつも不機嫌そうな顔でむつかしいことを言ってくる師匠。
ミーシャは、そんな彼が驚く顔を見てみたい、と常々思っていたのだ。
(別にすごく尊敬してた訳じゃないけど、いつかは師匠を越えられる位にはなりたいわねぇ)
それはもう、人類最上級の魔法使いになるという事に相違ない願いではあるが。
なんとなしに、それ位はできるんじゃないかと、そんな変な方向に自信をつけそうになっていた。
だが、それも長くは続かない。
視界に、また敵の姿が映りだしたのだ。
館の外壁よりも高い異常な巨躯。知性無き巨人・サイクロプスだった。
「まずい……まずいわ、アーティさんっ、アーティさんっ!!」
すぐにアーティを呼ぼうと声を張り上げる。
何せ部屋の様子が見えない。サーチアイを継続している間は、それ以外の状態が全く解からないのだ。
「アーティさん、すごく大きなのがいるっ!! 一つ目の巨人みたいなのっ」
「今戻りました。サイクロプスかしら……確かに放っておくと大変そう」
「大変よ、外壁が壊されてる。それに巨大な蛙や虫みたいなのが沢山――あっ、犬頭っ」
「犬頭っ!? 中級魔族が陣頭指揮に出てきましたか。すぐに迎撃態勢に入りましょう」
「飲み物はっ?」
焦ってアーティを呼びはしたが、迎撃中、ずっと詠唱で喉を使い痛み始めていた。
「まずサーチアイを解除してください。アイスティーを用意してありますから」
からんからん、と耳元で氷が鳴る音。
思わずごくりと喉が鳴り、ミーシャは魔法を解除した。
「あっ――」
目の前には差し出されたグラス。
「ありがと」
「すぐに飲んでください。相手がただの魔物兵ではなくなってきました。魔法も強くしなければ迎撃が追いつかなくなります」
「――んく……んくっ……ぷはっ」
言われるまでも無く、と、無言で飲み干していく。
「でも、さっきまで使ってたのが上位魔法でしょう? それも対軍用。これ以上っていうと、後はもうメテオとかサンダーストームとかになるんじゃ」
「そうですよ。サンダーストームを使いましょう」
「うぇぇ……」
アーティはこともなげに言ってくるが、ミーシャとしてはとんでもな話であった。
「……できるの?」
さっきまで扱っていた魔法で多少は自信がついたものの、現代魔法の最高峰とも言えるこれら最上位の破壊魔法を扱うには、まだいささか足りていなかった。
「出来ますよ。対ウィザード対策でサンダーストームの設置計算とか一月位かけて割り出しましたし」
「……良くわかんないけど、まあ、できるならいいんだけどね」
何言ってるのか解からないので、とりあえずミーシャは乗るしかなかった。
そもそもこの迎撃戦、ミーシャには何の選択肢も無いのだ。
負ければ即アウトなのだから仕方ない。彼女たちはやってみせなければならないのだ。
夜も白やむ頃合であったが、そこは既に戦場となっていた。
(雨よ降れ、雨よ降れ、業火の雨よ降り注げ)
「雨よ降れ、雨よ降れ、業火の雨よ降り注げ」
(空を焼け、地を焼け、全てを焼き焦がす灼熱の炎よ、今ここに)
「空を焼け、地を焼け、全てを焼き焦がす灼熱の炎よ、今ここにっ」
『ダルクフレア!!』
両手を掲げながら 目を閉じ、魔法の発動に専念するミーシャと、そのミーシャに後ろから抱きつき、耳元で何事か囁きかけるアーティ。
ミーシャの『発動』によって領主館上空に巨大な魔法陣が展開し、館の周囲に無数の業火の槍が降り注ぐ。
それは的確に、残酷なほど正確に館に侵入しようとする魔物兵らを射抜き――熱に溶かしていく。
現代魔法においては最上位の対軍魔法、その中でもトップクラスの難易度を誇るものであった。
「うぎゃぁっ」
「ひぃっ、炎がっ、炎がぁっ」
「体がっ!? 俺の体が溶けぁ――」
ほどなく悲鳴が、絶叫が、恐ろしげな断末魔が館の外のあちこちで響き、それを聞くたびにミーシャは身を震わせる。
(……次。サーチアイ)
「あっ……さ、サーチアイッ」
館の外からの声に動揺しそうになるミーシャに語りかけ、次を促す。
ミーシャもアーティの意図に気づき、即座に次の魔法を発動させる。
――映像魔法『サーチアイ』。
これは、近接範囲内を上空から索敵できる魔法である。
索敵された情報は術者の視覚として自動的に転写される為、発動中はそれ以外の視覚が潰されてしまうという欠点もあった。
「……敵の姿、見当たらないみたいだけど……」
耳に残るほど悲惨な悲鳴を挙げていた者達は、いつの間にか姿を消していた。
館の外に残るのは真っ白になった灰と、どろどろと地を溶かす赤のみ。
――とりあえず撃退に成功したらしかった。
ほう、と、息を抜きながら、後ろのアーティともどもペタンと尻餅を付くミーシャ。
「良かった。今のうちに少しでも休みましょう」
アーティも安堵し、ミーシャから離れ、立ち上がる。
「水分は大丈夫ですか?」
「あー……ちょっと喉乾いたかも……」
「では、何か飲み物を。ミーシャさんはそのままサーチアイを維持していてください」
「解ったわ。お願い」
見えないまま、部屋から出て行くアーティの方を向き、ミーシャは軽く手を振っていた。
既に戦いが始まってから二回の襲撃を受けていた。
一度目は斥候なのか、敵数は少なく、迎撃も容易かった。
二度目は襲撃開始から三時間ほど連続して続いていたため、二人の消耗も激しかった。
それでもなんとか撃退に成功し、こうして小休止をはさめている。
(アーティさんがいなかったら、私、どうなってたんだろう)
迎撃に成功したものの、ミーシャは未だそれが実感できないでいた。
当初は不安で混乱しそうになっていたが、それもアーティのおかげでなんとか抑えられていたし、この局面において、アーティはミーシャの安定剤とも言えるほど大切な支柱となっていた。
戦闘など初めてで、どうしたらいいのかも分からなかったが、耳元でアーティが囁くのと同じ言葉を復唱し、発動させるだけでそれは魔法となった。
――魔術の連携行使。
同種族同士ならばよくある事ながら、魔族と人との共同での発動は史上初とも言えるもので、それを意識していた訳ではないにしろ、ミーシャは大層緊張していた。
まず、アーティから送られてくる魔力を使い、ミーシャが詠唱、発動させる。
発動された魔法はアーティによってコントロールされ、計算された地点に展開される。
『属性:魔法』という非常に希少な才能はあっても人相応の魔力の器しか持たないミーシャであったが、アーティが魔力を提供する事によってその問題点はクリーンとなっていた。
結果、暴力的なまでの魔力コストは全てアーティ持ち、発動失敗の際のリスクは全てミーシャ持ちという分担が生まれている。
この連携は、何かと動揺しがちなミーシャの手綱をアーティが握れるのも大きかった。
(それにしても、あんなにたくさんの魔法、アーティさんのおかげとはいえ行使できたなんて言ったら、師匠はどんな顔するかしら……?)
いつも不機嫌そうな顔でむつかしいことを言ってくる師匠。
ミーシャは、そんな彼が驚く顔を見てみたい、と常々思っていたのだ。
(別にすごく尊敬してた訳じゃないけど、いつかは師匠を越えられる位にはなりたいわねぇ)
それはもう、人類最上級の魔法使いになるという事に相違ない願いではあるが。
なんとなしに、それ位はできるんじゃないかと、そんな変な方向に自信をつけそうになっていた。
だが、それも長くは続かない。
視界に、また敵の姿が映りだしたのだ。
館の外壁よりも高い異常な巨躯。知性無き巨人・サイクロプスだった。
「まずい……まずいわ、アーティさんっ、アーティさんっ!!」
すぐにアーティを呼ぼうと声を張り上げる。
何せ部屋の様子が見えない。サーチアイを継続している間は、それ以外の状態が全く解からないのだ。
「アーティさん、すごく大きなのがいるっ!! 一つ目の巨人みたいなのっ」
「今戻りました。サイクロプスかしら……確かに放っておくと大変そう」
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「犬頭っ!? 中級魔族が陣頭指揮に出てきましたか。すぐに迎撃態勢に入りましょう」
「飲み物はっ?」
焦ってアーティを呼びはしたが、迎撃中、ずっと詠唱で喉を使い痛み始めていた。
「まずサーチアイを解除してください。アイスティーを用意してありますから」
からんからん、と耳元で氷が鳴る音。
思わずごくりと喉が鳴り、ミーシャは魔法を解除した。
「あっ――」
目の前には差し出されたグラス。
「ありがと」
「すぐに飲んでください。相手がただの魔物兵ではなくなってきました。魔法も強くしなければ迎撃が追いつかなくなります」
「――んく……んくっ……ぷはっ」
言われるまでも無く、と、無言で飲み干していく。
「でも、さっきまで使ってたのが上位魔法でしょう? それも対軍用。これ以上っていうと、後はもうメテオとかサンダーストームとかになるんじゃ」
「そうですよ。サンダーストームを使いましょう」
「うぇぇ……」
アーティはこともなげに言ってくるが、ミーシャとしてはとんでもな話であった。
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「出来ますよ。対ウィザード対策でサンダーストームの設置計算とか一月位かけて割り出しましたし」
「……良くわかんないけど、まあ、できるならいいんだけどね」
何言ってるのか解からないので、とりあえずミーシャは乗るしかなかった。
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