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8章 新たな戦いの狼煙

#4-3.ここは楽園の塔相談所

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 魔王城・楽園の塔の空中庭園にて。
エルフの姫君と人間の姫君が、二人だけでお茶を親しんでいた。
セシリアとミーシャである。
「どうやら世界情勢が大きく変わったみたいだわ。人間世界も魔族世界も、大きく変わろうとしているみたい」
国許からの手紙をテーブルに置きながら、セシリアはふう、と小さく息をつく。
「なんか、魔族同士で戦争になってるみたいねぇ」
対面するミーシャは、だらしがなくテーブルに膝を付いていた。
お茶菓子なんかも食べたりする。木の実のクッキー。
「ある程度は陛下のお考えもあってなんでしょうけど。手紙で送られる限り、戦地では中々ままならない状況になってしまっているようね」
戦場に立たない塔の姫君には伝わらない情報が、手紙にはあった。

 この塔は、ハーレムの娘達にとって快適な住居であると同時に、外界から隔たれた一つのサンクチュアリでもある。
外からの情報はほとんど入ってこないし、今、情勢がどのようになっているかなどは、このように手紙が送られて初めて知る事が出来るものであった。
どれだけ情報に通じた娘でも、たまに訪れる魔王から直接聞くか、あるいは実家や友人からの手紙によってしか詳しい内情が解からない。
城の女官や参謀本部詰めの女性軍人と仲良くなっている娘もいるにはいるが、どちらもそういった話題になると頑なに黙りこくったり話題を変えようとしてしまうらしい。
魔王城には、強固な情報統制がなされていた。その為に塔の娘達は、全ての情報を知る事が出来ない。
セシリアは、それを不安に感じていた。

「私達が知らない間に世界が動いている……ちょっとだけ、怖く感じてしまうわ」
塔に入って、楽しい日々が続いていた。
だが、あまりにも楽しすぎて周りに眼を向けずにいた間に、この世界は、自分たちを取り巻く環境は、一体どのようになってしまったのだろうか。

「ねえセシリアさん、ずっと思ってたんだけど」
シリアスな雰囲気の中。もしゃもしゃとクッキーを食べていたミーシャが、セシリアに問う。
「なに?」
「私はまだ会った事ないからわかんないんだけど、その、魔王って、どんな人なの? セシリアさんから見て」
話の流れをあんまり感じさせない唐突な質問だった。
セシリアは思わず目を見開いてしまう。
「貴方……いえ、いいわ。そうね、陛下は……」
だが、空気を読まないミーシャに、特に何か注意したりするでもなく、セシリアは考える。
「――とても真面目な方。手を抜くという事が出来ない方。それから、とってもユニークな方だわ」
「ユニーク?」
「誰の視点にも立っていないの。あの方はあの方特有の視点でモノを見ている。だから、誰の視点にでもなれるし、一つだけの視点に固執するという事がないわ」
すごくユニーク、と、セシリアは微笑んだ。
「ん……視野が広いって事?」
対してミーシャは、ちょっとわかりにくいのか、難しげに眉を下げていた。
「いいえ。視野の問題ではなく視点の問題。例えば、魔族の視点というのがあるわ。魔族の多くはこの視点から逸脱できない。何を考えるにも、何を見るにも、魔族特有の思想や色眼鏡が掛かってしまう」
人差し指をピン、と立て、セシリアが説明を続ける。
「貴方達人間も同じ。人間特有の考えというのがあって、例えば魔族を見る時も多かれ少なかれそういうのが混じってしまう」
魔族に対する恐怖。嫌悪。敵対心。様々な感情のない交ぜ。価値観の違いからくる抵抗。偏見。
それら全てが、元はといえば視点の違い、生物ごとの差異によるもの。
「あの方の中に、魔族だからとか人間だからとか、そういう区別がないように私には感じられるの。平等か不平等かっていう話じゃないのよ。ただ、色んな視点でモノを考える事が出来ている方だと思うわ」
「なんか、それだけ聞くと神様か何かみたいね。小説とかでよく言うじゃない、『神の視点』って。まさにそんな感じじゃないの?」
「そうかもしれないわね。もし神様というのが本当にいるのだとしたら、陛下みたいな視点でモノを見ているのかもしれないわ」
セシリアは微笑を崩さず、そっとカップを持ち、紅茶に口をつける。優雅な仕草。
ミーシャも倣って、ずず、と音を立てながら飲み込んだ。

「私ね、色んな魔法を覚えたいのよ」
しばし静かなお茶の時間が続いたが、ふと、ミーシャがぽつり、呟いた。
「魔法?」
「そう。魔法。ショコラは、それはもう魔法文明に特化された国でね。王族も兵士も国民も、皆が魔法を扱えたわ」
すごいでしょ、と、自慢げに微笑む。
「聞いてるわ。人間世界有数の魔法大国だもの」
――とっくに滅亡しているけども。
今、人間世界にはベルクハイデという地名と廃墟となった街は残っていても、ショコラ魔法国という国は存在していない。
そんないまさらな事を言って場を落ち込ませるのもなんだから、と、セシリアは黙っていたが。
「でも、なんで魔法を?」
「……だって、今のままじゃ私、自分ひとりじゃ生きていけないもの。自分の身一つまともに守れないわ」
肩をすぼめながら、ミーシャは苦笑する。
彼女があまり魔法が得意ではない事を、セシリアは本人から聞いて知っていたので、その点は突かない。
「この塔の人達って、なんだかんだ強い人多いじゃない。流石魔族っていうか、すごい魔法使えたり、エクシリアさんみたいに武器の扱いがすごいのとか」
「そうね。この塔の娘は大体何かしらの能力に突出していて強いわ」
その方向性は多岐に渡るが、いずれもその種族でトップクラスの実力者である事が多い。
「まあ、武器に関しては私は多分どうやっても無理だろうから、せめて魔法位はって思うの」
「なるほど」

 全体的に健康的ではあるのだが、その腕の細さ、筋肉のなさを見るに、確かにミーシャは弱そうだった。
線が細いという点ではセシリアも同じだが、セシリアは要所要所にしなやかな筋肉が付いており、木をよじ登ったり弓を引いたりと、その身体はむしろ『動く』事に適していると言える。

「セシリアさんは、誰か魔法の得意そうな人知らない? その、できれば教えるの上手そうな人」
ミーシャは、どうやら師匠を探していたらしかった。
「そうねぇ。魔法が得意、というのならグロリアなんかはもう抜群に上手いんだけど……」
ミーシャと仲の良い人、という感じで考えると、自分たちエルフの三人と、後はエルゼなど、限られてくる。
しかし、そのグロリアが人に教えるのに向いているかというと、言い出したセシリアも「うーん」と唸ってしまった。
「グロリアさんは無理。なんか精霊がどうとか訳わかんないこと言い出すし」
「そうなのよねぇ」
やはりというか、人間の姫君視点でもグロリアは困った人であった。
「エルゼさんの魔法は特殊すぎるから、多分吸血族以外には扱えないだろうし……」
「ブラッドマジックだっけ? 私は見たことないけど、そんなに難しそうなの?」
「難しいというか……グロテスク過ぎるというか」
しばらくお肉が食べられなくなるかも、と、セシリアは口元を抑える。うっかり思い出してしまったのだ。
「――夢に見そうだからエルゼはもういいわ」
ミーシャも、グロテスクと聞いて即座に逃げに入った。
お互い、ちょっと気まずい雰囲気になってしまった。

「…今は戦いのために出ていていないけど、アーティさんがいいかもしれないわ」
「アーティさん?」
わずかな沈黙の中、場を仕切りなおすようにセシリアが話を続ける。
「ウィッチ族の人よ。緑色のとんがり帽子を被って、全身緑な人」
「ああ、見たことあるような……」
うっすら記憶にあるその姿に、ミーシャは視線をちょっと上にずらした。
緑のローブに緑のミニスカート、靴下まで緑でとても目に良さそうな、外見自分と同い年くらいのとんがり帽子を被った女の子。
それがミーシャの思い出したその人であった。
「本人は魔法が得意ではないと言っていたけれど、魔法の知識そのものは豊富みたいだから、まあ、いいんじゃないかなと」
「普通に話せそうな人?」
「すごく普通な人よ。真面目だし一生懸命だし」
この塔においては貴重な常識人枠だった。
魔族に限らない事だが、ことお姫様やお嬢様となるとグロリアのようにエキセントリックな性格の娘が多いのだ。
いろんな意味で浮世離れしているというか、常識知らずというか。
訳のわからない事を当然の事のように信望していたりする。
そういった人達に振り回される事が多いのを体感で解っているミーシャは「ああ」と、納得して頷く。
「なるほど、それはいいわね。普通な人、大歓迎だわ」
彼女の次の目的が決まった瞬間である。
「戻ってきたらちょっとお話してみようかしら。ありがとうセシリアさん」
「どういたしまして」
それじゃあ、と、席を立つミーシャ。
「もう戻るの?」
「ええ。用事は済んだもの」
「そう」
思うところがあるのか、セシリアはカップに口をつけ、そっとミーシャを見ていた。
「そういえば、グロリアさんやエクシリアさんはどうしたの?」
いつも一緒にいる人達が居ないので、ミーシャはずっと気になっていたのだが。
「あの二人なら、エルゼさんやゴブリンの娘と遊んでるわ」
「なるほど。それでセシリアさんは一人ぼっちだったのか……」
一人ぼっち、という単語に、セシリアは思わずむせてしまう。
「けふっ……ちょっと、いきなり変なこと言わないで頂戴」
さっきまでの優雅さはどこへやら。セシリアは涙目だった。
「いや、変なこと言ったつもりはないんだけど……その、ごめんなさい」
「まあ、いいわ。私はただ、ちょっと遊びたい気分じゃないからのんびりしてただけよ」
なんとも言い訳がましいが、それ以上追及するのも気が引けたので、ミーシャはそのまま帰ることにする。
「とりあえず、戻るわね」
「ええ、また」
ちゃ、と軽く手を上げ去っていくミーシャ。

「――もうちょっと位、お茶に付き合ってくれても良いのに」
ミーシャが去っていった方を見ながら、セシリアはぽつり、呟く。
「素直に『仲間に入れてもらえなくて寂しいから一緒にいて』って言えばよかったですのに」
「きゃっ!?」
突然侍女が涌いて出ていた。
神出鬼没な侍女だとわかってはいたが、これにはセシリアも驚かされてしまう。
「セ、セリエラ。いつの間にいたのよ?」
「最初からいましたよ? お二人が飲んでいたお茶だって、おかわりは私が用意してましたのに」
「全然気付かなかったわ……」
おしゃべりに夢中になっていた訳でもないはずだが、本当に気付けなかったのだ。
「まあ、それだけ私は影が薄いという事ですね」
困ったもんです、と、侍女は舌先を出して髪を弄っていた。
「貴方って時々そうなるわよね。なんでなのかはわかんないけど」
時々変わったことをしたりする侍女。それがセシリアの、この侍女に対する評価だった。
「でもセリエラ、勘違いしては駄目よ。私は別に仲間はずれにされた訳じゃない。私がいると楽しめないだろうから、自分から外れただけだもの」
ただ、手加減できない性格な所為で遊びにならなくなってしまうから距離を置いただけ。
運動神経が良すぎるというのも、遊びの場では良し悪しだった。
「うーん。おひい様はもう少し子供っぽくなってもいいですのに」
「子供っぽいのは外見だけで十分よ。せめて立ち振る舞い位は歳相応、大人びた物腰でいたいものね」
ふう、と、優雅に紅茶を一口。
「でもそれって寂しいのでは?」
「……少しね」
やっぱり寂しい。素直になれないだけで、一人ぼっちというのは辛いものなのだ。
「だから、貴方がいてよかったと思うわ。ほら、これで一人ぼっちじゃないもの」
だからいいじゃない、と、セシリアは笑う。
主の寂しい笑顔に、侍女はため息を付くのだが。
「まあ、そうですわね。おひい様がそう思うのでしたら、セリエラはこれ以上思うこともありませんわ」
苦笑しながらも、『それはそれで味がある』と飲み込むことにした。
少しすればまたお友達たちも戻ってくるはずだから別に良いか、と。
侍女はまた、主のためにお茶を淹れ直したり、焼きたてのクッキーをこっそり皿に追加していった。
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