異能専科の猫妖精

風見真中

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贖罪編

東雲八雲

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「裏切って、いる?」
 回りが悪い口で、それでも何とか言葉を絞り出す。
「そうだよ。最初からね」
 耳元で囁かれる東雲の声は、何の抑揚もない淡々としたものだった。
 体の自由を奪うのは、恐らくさっき飲み干したコーラに仕込まれていた薬か何か。
 霊官のICを使って部屋に侵入した東雲が、俺があれを飲むと読んで混ぜたのだろう。
 一体何のために?
 俺たちを、裏切っていたから?
「嘘、だ‼ お前が、俺たちを……‼」
 ネコメを裏切るはずない。
 そんなことはあり得ない。
「嘘じゃないよ。現にこうやって……」
「俺の、知ってる、東雲は……」
 そんなやつじゃない。そう言おうとした時、

「あたしの……何を知ってるって言うんだよ‼」

 俺の耳元で、東雲が叫んだ。
 のし掛かっていた体を勢い良く起こし、俺を見下ろしながら叫ぶ。
「これがあたしなんだよ‼ みんなを裏切って、今こうしているあたしが、東雲八雲なんだよ‼」
 俺のシャツをボタンが千切れるほど力強く握りしめ、東雲は叫んだ。
 俺の胸を握った拳で何度も叩き、「分かれよ‼ 分かれよ‼」と叫び続ける。
 叩く力は、恐ろしく弱々しかった。
(東雲……お前……)
 俺は両手を伸ばし、またがる東雲の両肩を掴む。
「裏切ってねえよ。こうやって俺が動けているのが、いい証拠だ」
「っ‼」
 俺の体は、この僅かな時間で麻痺から解かれていた。
 ほんの数分、薬の効力としては一瞬といっていい。
 かつて藤宮がネコメに飲ませた薬は、体が動くようになるまでにもっと時間を要していた。わざわざ別の、弱い薬を使う理由があるとは思えない。
 同じ薬でも効き目に個人差があるとはいえ、この短時間で効力が切れたということは、コーラに混ぜられた薬が微量だったということだ。
 つまり、どんな目的で東雲が俺に薬を飲ませたにせよ、それで俺をどうこうするつもりなんて無かったってことだ。
「……薬の量、間違えたかな」
「優秀なお前がそんなミスするかよ」
 言い訳にしてもレベルが低すぎる。
「……裏切ったんだよ」
「嘘だね」
「裏切ったって言ってるだろ‼」
 こんの、強情っぱりが‼
「だったら……そんな情けねえツラしてんじゃねえよ‼」
「ッ⁉」
 掴んだ肩を揺さぶってやると、東雲はようやく自分がどんな顔をしているのか気付いたらしい。
 自らの裏切りを主張する東雲は、酷く怯えたような顔をしていた。
 怯え、震え、恐れていた。
 悲しいほどに、愚かしいほどに、そして、愛しいほどに。
 道に迷った子どものように不安そうで、行く当ても帰る場所も見失ったように寂しそうで、たまらなくもどかしかった。
 すぐそばにいるのに、『助けて』と、その一言が言えないでいた。
「そんなつまんねえ嘘つくなよ。お前みたいな優しいやつが、仲間を裏切る訳ねえだろ?」
 俺は言ってやった。
 諭すように優しく。叱るように厳しく。
 東雲の不安を、取り除いてやりたかった。
「……何を、知ってるんだよ。あんたが、あたしの、何をそんな、知った風に……」
 体を起こした俺の膝の上で、東雲は俯いてそう言った。
「お前が思ってる以上に、俺はお前のこと分かってるつもりだぜ?」
 自信満々でそう言ってやると、東雲は俯いていた顔を上げ、自嘲するように笑った。
「分かる? あたしのことが?」
「ああ、そうだよ」
「あたしも……あたしにもあたしが分からないのにッ⁉」
「自分のことなんて、自分じゃ意外と分からないものなんじゃねえの?」
 客観的に自分のこと見るなんて、結構難しいだろうからな。
「……分からないんだよ。嘘ばっかりついてたから、あたしには、あたしが分からないんだよ」
「…………」
 ああ、やっぱりそうだ。
 東雲は、迷子なんだ。
 演技をする中で『自分』という帰り着くための家を見失った、演技の迷子。
 怪しい灯りに誘われるがまま、ふらふらと遠くへ行ってしまいそうになっている。
 たとえその先に、絶望が待っていると気付いていても、微かな光の誘惑に耐えられないでいる。
「……俺は、お前が友達想いなのを知ってる」
「そんなの、演技……」
「お前が優しいのを知ってる」
「だからそれは……」
「お前がイタズラ好きなのを知ってる‼」
「っ‼」
 分からないなら、言ってやるよ。全部ぶちまけてやるよ。
 俺の知ってる東雲八雲を、全部お前にぶつけてやる。
 帰り道が分からないなら、俺が手を引いて、お前を東雲八雲に帰してやる。
「人にあだ名を付けるのが上手いのを知ってる‼ 鶏の唐揚げが好きなのを知ってる‼ ソシャゲが好きなのを知ってる‼ 背が低いのがコンプレックスだって知ってる‼」
 そうだ。知っている。
 出会ってまだ一月にも満たないが、俺は東雲八雲がどんな人間なのかを、こんなにも知っている。
「お前が罪を犯したことを知ってる‼ 自分の罪に押し潰されそうになる弱さを知ってる‼」
 東雲は弱い。
 強力な異能を持っていても、戦争のために生み出された戦士だとしても、それでもただの、弱い女の子なんだ。
「でも……自分の罪と向き合う、そういう強さを持ってるんだって知ってる‼」
 東雲は弱い。そして、強い。
 付き合いそのものは短いが、それでも分かる。
 どうしようもなく弱くて、信じられないくらい強い。
 本人が一番分かっていないそれを、間近でぶつけてやる。
「なんだよ……それ。そんなの……上っ面だけだよ……」
「…………」
 上っ面だけ、それはそうかもしれない。
 俺が見ていたのは東雲の取り繕っていた部分だけで、本当の東雲なんて知らないのかもしれない。
 でも、だけど……‼
「じゃあお前、唐揚げ嫌いか?」
「はあ?」
「ソシャゲ嫌いか? チビとか言われて平気か?」
「それは……」

「ネコメのこと、嫌いか?」

「ッ‼」
 俺の問いに、東雲の瞳が大きく揺れた。
(ほら見ろ……)
 その動揺に、俺は心の中で笑みを浮かべる。
 やっぱり俺は、東雲を知っていたんだ。
 上っ面だけの理解でも、それは本人さえ見失っていた本心の一端。
 だったらそれも、本当の東雲八雲だ。
「なんで……なんで、あたしなんか信じちゃうんだよ? なんで……そんなに……」
 東雲は再び俯いて、ポツポツと声を漏らす。
「なんでって、友達だろ?」
「いつあたし達が友達になったんだよ……」
 え、友達だと思ってたの俺だけ?
「さ、寂しいこと言うなよ! 俺たち二人ともネコメの友達だし……」
「じゃああたし達は『友達の友達』じゃん……」
「一番気まずい関係じゃねえか‼」
 そうなるとトシと東雲なんかは『友達の友達の友達』になってしまう。ほぼ他人だ。
「めんどくせえこと言うな! 俺たちも友達だ‼」
 それでいい。それがいいじゃねえか。
 友達なんて、多ければいいってものでもないが。
 少なくとも、少ないよりは多い方がいい。
「……なんで、信じてくれるの?」
「友達だからだ」
「なんで、見捨ててくれないの?」
「友達だからだ」
 当たり前のことだ。当たり前のことなんだよ。
 友達がそんな顔してたら、誰だって助けたくなるんだ。
 お節介でも自己満足でも、何かせずにはいられないんだ。
 お前のことを、想わずにはいられないんだ。
「じゃあ……じゃあなんで……」
 俯いていた顔を上げ、東雲は俺を見た。
 両目から大粒の涙を零し、ぐしゃぐしゃになった顔で。
 互いの息づかいが感じられる至近距離で、俺に問いかけた。

「なんで……あたしと友達になってくれるの?」

「本当に、分かんねえやつだな……」
 東雲の問いに、俺は少し呆れてしまった。
 この期に及んで『なんで友達になるのか』だと?
 そんなの、一々言葉にするほどのことか?
「だって……友達でいたっていい事ないよ? こうやって平気で人を騙すし、裏切るのに……」
「平気そうに見えねえよ」
「あたしは虫だよ……? 生まれも、育ちも普通じゃない……。こんな、汚い害虫に……」
「そりゃあ聞き捨てならねえな。俺は友達への悪口は無視しねえぞ?」
 例えそれが自虐であっても、スルーできない境界線はある。
「……見捨ててくれた方が楽なのに……。反撃して、捕まえてくれたほうが救われるのに……」
「嫌だね。見捨てねえ。だって、それでお前が救われるとは思わねえからな」
 そんな顔して泣いてるやつが、見捨てられて救われるなんてこと有り得ない。
「なんで……優しくするんだよぉ……」

「お前が大好きだからに決まってんだろッ⁉」

「ぇ……?」
 一々こんなこと言うなんて気恥ずかしいが、この分からず屋には言葉にしてやらないと伝わらないらしい。
 だったら言ってやる。
 何度でも言葉にして、その骨の髄に叩き込んでやる。
「俺だけじゃねえ。ネコメもトシも、諏訪先輩もマシュマロも、里立や鎌倉たちだって、お前が好きなんだよ‼ 好きだから友達でいるんだ‼ 好きで友達やってんだ‼」
 他に理由なんて無い。
 東雲が好きだから、一緒にいると楽しいから、だから友達なんだ。
 例え東雲が自分のことを分からなくなっても。
 東雲がどれだけ自分のことを嫌いでも。
 卑下しても、自虐しても、裏切られようが罵られようが、それでも俺は、俺たちは東雲が好きだ。
 だから、友達なんだ。
「……あたし……」
 東雲は薄く笑みを浮かべ、懺悔するように口を開く。
「……あたし、重いよ? 聞くだけでしんどくなるような昔話、いっぱいあるんだ」
「それが何だ?」
「ひどいことだって、いっぱいしてきた……」
「俺だって聖人君子じゃねえよ」
 特に中学時代はな。
「友達想いなんて聞こえはいいけど、要は依存気質なんだよ。友達なんかになったら、きっとずっと付き纏うよ?」
「それの何が問題だ?」
「いっぱい甘えるよ?」
「だから?」
「弱音も吐くし、機嫌悪いとすぐ怒るし、自分勝手なんだよ?」
「そんなの普通だろ?」
「首……縛った……」
「許す」
「殴ったことも、あったよね?」
「許す」
「顔に、落書きした……」
「許す」
「……前科持ちだよ?」
「補導歴なら負けてねえ」
「指名手配されてるよ?」
「俺は自室謹慎してるぞ」
「……それでも……」
 自分の罪を告白し終えた東雲は、嗚咽をこらえながら再び俺のシャツの胸元を掴んだ。
 縋るように、助けを乞うように、遠慮がちに、力強く。
 涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔で、不器用に笑う。

「……それでも、あたしと友達になってくれる?」

「当たり前だろ、バカヤロウッ‼」
 俺がきっぱりとそう言い切ると、東雲は俺の方に倒れ込んだ。
 咄嗟に抱き止めてやると、東雲はその小さな肩を小刻みに震わせ、泣いた。
「……ぅう……うぁ……‼」
 声が漏れないように俺のシャツに顔を埋める東雲を、俺はそっと抱き締めた。
 左腕を背中に、右腕を頭に回し、その体を包み込む。
 腕の中にすっぽりと収まってしまうほど小さくてか細い体に驚きつつ、俺は出来る限り優しく、決して離さないように力強く、東雲を抱き締めた。
「うわぁぁぁぁんっ‼」
 せき止めていた感情が溢れるように、東雲は大声を上げて泣いた。
 吐き出すように、安心したように、泣き続けた。
「ひっく……怖かったよぉ……」
「ああ」
「ずっと……っく、苦しかったんだよぉ……」
「ああ」
「嫌われた方が楽だって……そう、ずっとそう思って……‼」
「ああ」
「……でも……でもやっぱり嫌われたくなかったっ‼」
「……ああ」
「えぐっ……みんな……だって、みんなのこと、大好きだもんっ‼」
「ああ」
 泣きじゃくる東雲の胸に抱き、俺はそっと労ってやる。
「頑張ったな、八雲。もう大丈夫だ」
 あやすように背中を優しく叩きながら、俺は東雲、八雲のことを名前で呼んでやる。
 もう、お前を苦しめたりしない。
 もう誰も、お前を責めたりしない。
 東雲は十分頑張った。頑張り過ぎなほどに頑張った。
 この小さい体で、受け止めきれないくらいの苦しみを味わってきた。
 だからもう、苦しませたくない。
 決して、悲しませたくない。
「好きなだけ泣けよ。いつまでも、こうしててやる」
「……大地くん。……うんっ‼」
 胸の中でこくこくと頷く八雲の頭を優しく撫でていると、
「……………………」
「……………………」
 いつの間にか部屋に入ってきていたネコメとトシの二人と目が合った。
 二人は額に汗を浮かべ、乱れた呼吸を整えている。何故かは分からないが、どうやら走ってきたらしい。
「……いつからいた?」
「『頑張ったな、八雲』の辺りからです」
 つい今しがたですね。
「……大地、こりゃ一体どういう状況だ?」
「えっと……」
 自室で泣きじゃくる八雲を膝に乗せ、抱き締める俺。
 うん、確かにどういう状況に見えるだろうな?
「……人が心配して、急いで来たっていうのに、何をしてるんですか?」
「し、心配って、何言ってんだ? つーか、なんでそんなに急いで……」
「八雲ちゃんに何してるんですかって聞いてるんですっ‼」
 声を荒げたネコメに慄いていると、トシがそっとネコメを制する。
「落ち着けネコメちゃん。俺たちは一旦外に出よう。邪魔したな、大地」
「違う誤解だ‼」
 一気に騒がしくなった部屋で、腕の中の八雲が微かに笑った気がした。
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