68 / 103
贖罪編
異能結晶
しおりを挟む
『中部支部所属の皆さん、急な招集にもかかわらずお集まりいただき、ありがとうございます。中部支部支部長の柳沢アルトです。中部支部管轄内全てとはいきませんでしたが、県内に在中する多くの霊官の皆様に集まっていただけました』
粗方の席が埋まったところで説明会は開始された。
幹部席の真ん中でマイクを握るのは、ネコメの保護者の柳沢アルトさん。伸縮する指示棒をその持って、ホワイトボードに貼られた写真を示す。
『既に皆さん、本件の概要はご存知と思いますが、ここで改めて説明させて頂きます。事の発端は先月、鬼無里校の養護教諭をしていた藤宮ツネが起こした殺人未遂事件です』
藤宮の下の名前、ツネっていうんだ。
古い名前だとは思うが、明治とかの生まれなら不思議ではないか。
俺としては既知の話だが、事件の概要をおぼろげにしか知らないトシには有難い説明になるな。
『被害者は、霊官一名を含む学生六名。幸いなことに全員命に別状はありませんでした。事件の最中に藤宮が複数体の鬼を使役していることが確認されており、計四体の鬼が討伐されています』
柳沢さんは手元の資料に目を落としながら、淡々と説明を続ける。
俺を含めこの場にいる霊官のほとんどがこの話は知っているらしく、今のところあまり熱心に聞いている者はいない。
『藤宮の動機は、第二次世界大戦中に発案され、終戦と同時に永久凍結された人工異能者計画の研究。彼女は自分の遺伝子を使って八人の試験体を生み出しており、内一名が成功例として存命していることが確認されています』
これは、東雲のことだ。
藤宮の勝手な都合で生み出された少女。
生みの親というしがらみにより、東雲はずっと藤宮の言う通りに生きて来た。
『……ここからが新たに明らかになった情報になりますが、どうやら藤宮は人工異能者の素体を生み出す研究だけでなく、他の方法で人間を異能混じりにする方法を模索していたようです』
柳沢さんの言葉に、説明会場の空気が変わった。
初出の情報に皆の緊張感が高まったのを感じた柳沢さんは、ホワイトボードに新たに一枚の写真を貼り付けた。
写っているのは、所々が黒くくすんだ、緑色の石。
先日生徒会室で諏訪先輩に見せられたものだ。
『銀による攻撃で機能を停止していますが、微量の異能が検出されました。これを体に埋め込まれた少年が妖木の異能混じりになっていたことが確認されています』
柳沢さんは指示棒で石の写真を示し、メガネの奥の瞳をギラリと鋭くする。
『検証の結果、これを埋め込まれた人間は、当人の資質に関わらず異能混じりになるということが判明しました。人を異能者にする異能具、中部支部ではこれを異能結晶と呼称します』
異能結晶、それがあの石の名前か。
大木を異能混じりにして、俺にぶつけてきた藤宮の研究成果。
異能者を作るという異能具の存在に、会場は大いにざわめいた。
そんなものが量産されるってことは、本来なら不定期かつ偶発的に生まれるはずの異能者が意図的に量産されるってことだ。
大木のような浅慮な者が次々と異能を手にすれば、言うならばそれは町中のチンピラに拳銃をバラ撒くようなものだ。
町中でのケンカは殺し合いになり、普通の警察では対処できない異能による凶悪犯罪が横行する。
それは霊官が最も危惧する事態の一つ、一般社会への異能の漏洩に他ならない。
大昔から霊官が必死になって秘匿してきた異能が、大っぴらに知られてしまう。
それだけは、避けなければならない。
『これを腕に埋め込まれていた少年は、対処した霊官が腕を切り落とすことで事態の収束に至りました。しかし、護送の最中に音信が途絶え、本日未明、県道沿いの森林から遺体で発見されました。護送を担当していた霊官二名は、未だに行方不明です』
そう言って柳沢さんが新たにホワイトボードに貼った写真は、凄惨なものだった。
首を落とされた、太った人間の体。
右腕が肩から無くなっており、こっちは包帯が巻かれている。
ボロボロになっているが、その服装は間違いなくあの日の大木のものだ。
「ひどい……」
隣でネコメがポツリと声を漏らした。
湿度の高い山の中に二週間以上も放置された大木の体は腐敗が進み、ぐちゃぐちゃになった首には山の動物に食い荒らされたような形跡まである。
目を背けたくなる、惨たらしい写真だ。
『現状で異能結晶のサンプルはこの一つのみですが、妖木以外の異能混じりを発現させる異能結晶の存在も考慮しなければなりません。つきましては、中部支部所属の霊官で捜査網を張ろうと思います。具体的には……』
アルトさんの説明した捜査網とは、つまり人海戦術だった。
霊官同士でチームを組み、町中を巡回する。
それで藤宮本人が見つかればいいが、見つからなくとも異能結晶によって生まれた異能者に随時対処する。
非効率的にも思えるが、本来なら事件が起こってから動く霊官がパトロールを行うというのは、それだけで対応速度が段違いらしい。
確かに、異能結晶の異能者が暴れてる、なんて情報が来てから動いたのでは、霊官が現場に着いた時には既に手遅れだろうからな。
ひとしきり作戦についての説明を終えたところで、柳沢さんは指示棒をしまって言いづらそうに口を開いた。
『最後に、これはあくまで仮説になりますが……』
幹部席の机に両手をついて会場中の霊官の顔を見回し、ゆっくりと口を開く。
『藤宮の脱獄は、異能結晶の発見の時期と一致しません。脱獄に際し、第三者の協力があった可能性が大きいです』
柳沢さんの言葉に、会場中は奇妙な静寂に包まれた。
つまり柳沢さんはこう言っているのだ。
霊官の中に、藤宮の内通者がいる可能性があると。
(それを……ここで言うのかよ?)
内通者の存在は、俺も確信していた。
少なくとも出所したばかりの大木に異能結晶を与えた人物は、藤宮ではない。
藤宮に協力している第三者がいるのは間違いないが、脱獄に手を貸した可能性がある以上、それが内部、霊官の中にいる可能性も高いってことだ。
『現状、協力者の可能性がある者として有力なのは……』
そして柳沢さんは、最後に一枚の顔写真をホワイトボードに貼った。
俺の、よく見知った少女が写った写真を。
『鬼無里校の一年生、東雲八雲です』
粗方の席が埋まったところで説明会は開始された。
幹部席の真ん中でマイクを握るのは、ネコメの保護者の柳沢アルトさん。伸縮する指示棒をその持って、ホワイトボードに貼られた写真を示す。
『既に皆さん、本件の概要はご存知と思いますが、ここで改めて説明させて頂きます。事の発端は先月、鬼無里校の養護教諭をしていた藤宮ツネが起こした殺人未遂事件です』
藤宮の下の名前、ツネっていうんだ。
古い名前だとは思うが、明治とかの生まれなら不思議ではないか。
俺としては既知の話だが、事件の概要をおぼろげにしか知らないトシには有難い説明になるな。
『被害者は、霊官一名を含む学生六名。幸いなことに全員命に別状はありませんでした。事件の最中に藤宮が複数体の鬼を使役していることが確認されており、計四体の鬼が討伐されています』
柳沢さんは手元の資料に目を落としながら、淡々と説明を続ける。
俺を含めこの場にいる霊官のほとんどがこの話は知っているらしく、今のところあまり熱心に聞いている者はいない。
『藤宮の動機は、第二次世界大戦中に発案され、終戦と同時に永久凍結された人工異能者計画の研究。彼女は自分の遺伝子を使って八人の試験体を生み出しており、内一名が成功例として存命していることが確認されています』
これは、東雲のことだ。
藤宮の勝手な都合で生み出された少女。
生みの親というしがらみにより、東雲はずっと藤宮の言う通りに生きて来た。
『……ここからが新たに明らかになった情報になりますが、どうやら藤宮は人工異能者の素体を生み出す研究だけでなく、他の方法で人間を異能混じりにする方法を模索していたようです』
柳沢さんの言葉に、説明会場の空気が変わった。
初出の情報に皆の緊張感が高まったのを感じた柳沢さんは、ホワイトボードに新たに一枚の写真を貼り付けた。
写っているのは、所々が黒くくすんだ、緑色の石。
先日生徒会室で諏訪先輩に見せられたものだ。
『銀による攻撃で機能を停止していますが、微量の異能が検出されました。これを体に埋め込まれた少年が妖木の異能混じりになっていたことが確認されています』
柳沢さんは指示棒で石の写真を示し、メガネの奥の瞳をギラリと鋭くする。
『検証の結果、これを埋め込まれた人間は、当人の資質に関わらず異能混じりになるということが判明しました。人を異能者にする異能具、中部支部ではこれを異能結晶と呼称します』
異能結晶、それがあの石の名前か。
大木を異能混じりにして、俺にぶつけてきた藤宮の研究成果。
異能者を作るという異能具の存在に、会場は大いにざわめいた。
そんなものが量産されるってことは、本来なら不定期かつ偶発的に生まれるはずの異能者が意図的に量産されるってことだ。
大木のような浅慮な者が次々と異能を手にすれば、言うならばそれは町中のチンピラに拳銃をバラ撒くようなものだ。
町中でのケンカは殺し合いになり、普通の警察では対処できない異能による凶悪犯罪が横行する。
それは霊官が最も危惧する事態の一つ、一般社会への異能の漏洩に他ならない。
大昔から霊官が必死になって秘匿してきた異能が、大っぴらに知られてしまう。
それだけは、避けなければならない。
『これを腕に埋め込まれていた少年は、対処した霊官が腕を切り落とすことで事態の収束に至りました。しかし、護送の最中に音信が途絶え、本日未明、県道沿いの森林から遺体で発見されました。護送を担当していた霊官二名は、未だに行方不明です』
そう言って柳沢さんが新たにホワイトボードに貼った写真は、凄惨なものだった。
首を落とされた、太った人間の体。
右腕が肩から無くなっており、こっちは包帯が巻かれている。
ボロボロになっているが、その服装は間違いなくあの日の大木のものだ。
「ひどい……」
隣でネコメがポツリと声を漏らした。
湿度の高い山の中に二週間以上も放置された大木の体は腐敗が進み、ぐちゃぐちゃになった首には山の動物に食い荒らされたような形跡まである。
目を背けたくなる、惨たらしい写真だ。
『現状で異能結晶のサンプルはこの一つのみですが、妖木以外の異能混じりを発現させる異能結晶の存在も考慮しなければなりません。つきましては、中部支部所属の霊官で捜査網を張ろうと思います。具体的には……』
アルトさんの説明した捜査網とは、つまり人海戦術だった。
霊官同士でチームを組み、町中を巡回する。
それで藤宮本人が見つかればいいが、見つからなくとも異能結晶によって生まれた異能者に随時対処する。
非効率的にも思えるが、本来なら事件が起こってから動く霊官がパトロールを行うというのは、それだけで対応速度が段違いらしい。
確かに、異能結晶の異能者が暴れてる、なんて情報が来てから動いたのでは、霊官が現場に着いた時には既に手遅れだろうからな。
ひとしきり作戦についての説明を終えたところで、柳沢さんは指示棒をしまって言いづらそうに口を開いた。
『最後に、これはあくまで仮説になりますが……』
幹部席の机に両手をついて会場中の霊官の顔を見回し、ゆっくりと口を開く。
『藤宮の脱獄は、異能結晶の発見の時期と一致しません。脱獄に際し、第三者の協力があった可能性が大きいです』
柳沢さんの言葉に、会場中は奇妙な静寂に包まれた。
つまり柳沢さんはこう言っているのだ。
霊官の中に、藤宮の内通者がいる可能性があると。
(それを……ここで言うのかよ?)
内通者の存在は、俺も確信していた。
少なくとも出所したばかりの大木に異能結晶を与えた人物は、藤宮ではない。
藤宮に協力している第三者がいるのは間違いないが、脱獄に手を貸した可能性がある以上、それが内部、霊官の中にいる可能性も高いってことだ。
『現状、協力者の可能性がある者として有力なのは……』
そして柳沢さんは、最後に一枚の顔写真をホワイトボードに貼った。
俺の、よく見知った少女が写った写真を。
『鬼無里校の一年生、東雲八雲です』
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。

生まれ変わっても一緒にはならない
小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。
十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。
カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。
輪廻転生。
私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。

現代転生 _その日世界は変わった_
胚芽米
ファンタジー
異世界。そこは魔法が発展し、数々の王国、ファンタジーな魔物達が存在していた。
ギルドに務め、魔王軍の配下や魔物達と戦ったり、薬草や資源の回収をする仕事【冒険者】であるガイムは、この世界、
そしてこのただ魔物達と戦う仕事に飽き飽き
していた。
いつも通り冒険者の仕事で薬草を取っていたとき、突然自身の体に彗星が衝突してしまい
化学や文明が発展している地球へと転生する。
何もかもが違う世界で困惑する中、やがてこの世界に転生したのは自分だけじゃないこと。
魔王もこの世界に転生していることを知る。
そして地球に転生した彼らは何をするのだろうか…
【あらすじ動画あり / 室町和風歴史ファンタジー】『花鬼花伝~世阿弥、花の都で鬼退治!?~』
郁嵐(いくらん)
キャラ文芸
お忙しい方のためのあらすじ動画はこちら↓
https://youtu.be/JhmJvv-Z5jI
【ストーリーあらすじ】
■■室町、花の都で世阿弥が舞いで怪異を鎮める室町歴史和風ファンタジー■■
■■ブロマンス風、男男女の三人コンビ■■
室町時代、申楽――後の能楽――の役者の子として生まれた鬼夜叉(おにやしゃ)。
ある日、美しい鬼の少女との出会いをきっかけにして、
鬼夜叉は自分の舞いには荒ぶった魂を鎮める力があることを知る。
時は流れ、鬼夜叉たち一座は新熊野神社で申楽を演じる機会を得る。
一座とともに都に渡った鬼夜叉は、
そこで室町幕府三代将軍 足利義満(あしかが よしみつ)と出会う。
一座のため、申楽のため、義満についた怨霊を調査することになった鬼夜叉。
これは後に能楽の大成者と呼ばれた世阿弥と、彼の支援者である義満、
そして物語に書かれた美しい鬼「花鬼」たちの物語。
【その他、作品】
浅草を舞台にした和風歴史ファンタジー小説も書いていますので
興味がありましたらどうぞ~!(ブロマンス風、男男女の三人コンビ)
■あらすじ動画(1分)
https://youtu.be/AE5HQr2mx94
■あらすじ動画(3分)
https://youtu.be/dJ6__uR1REU
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる