スキル盗んで何が悪い!

大都督

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第66話 神様にラブ・ソングを 

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「あっ、こんばんは、シモーヌさん」

「おやおや。私のこと、覚えて頂けてましたか」

「は、はい……」

 自身のことを覚えられてたことに少し驚いたのか、試しの洞窟に来る道中、同じ馬車で出会った詩人のシモーヌが声をかけてきた。

 シモーヌを覚えていたのは、見た目は緑の三角帽子、鳥の羽をチャームポイントとつけており、これまた緑色のポンチョのように、肩から全身をおおった格好だけに見た目の印象があったからだろう

「ありがとうございます。ところで先程の勝負はお見事でしたね」

「いえ、見られてたんですね、お恥ずかしいです」

「話を少し聞いてしまいましたが、ご自身が騙されそうだというのに、相手を庇う言葉に、私シモーヌの心は熱く、そしてあなたの言葉は深く刻まれましたよ」

「ははっ、それはどうも……。自分も流石にテンパってましたけどね」

「ふふっ。では、そんな慈悲深い貴方にこちらを」

「えっ? こ、これは……」

 シモーヌがスッと自分の前に取り出したのは一枚の絵だった。
 それは綺麗な羊皮紙に描かれた、先程ここにいた自分たちの絵姿。

「シモーヌさん、これは?」

「実は私、音楽と絵を両方で旅をしておりまして。いやはや、あまりにも楽しそうに。いえ、幸せそうな人達に私も当てられました。思わず筆を走らせてしまいましたよ」

 その絵には、カウンターに座る自分を中心に左側に、リックがいてその横にリッケ、ゼリとルミタと女性冒険者達。
 右側にはプルンとリッコ、そしてリティーナとゲイツ、続けてダトロトとシューサーと描かれている
 皆楽しそうに笑顔に、そして生き生きと今にも動き出しそうな絵が書かれていた。

 絵は、リックがかかげた右手のコップに驚きながら笑う自分、左腕はリッケに腕を回し引き寄せ、ほろ酔いに笑顔のリック、そんな兄に腕を回され困った顔のリッケ。自分の横では、ハグハグと骨付き肉を両手に食べながら笑顔のプルン、笑いながらコップの飲み物を持つリッコ。
 仲間達の楽しそうな一枚だった。


「凄いです! シモーヌさん、まるで写真みたいですよ」

「はて? 写真とは何でしょうか?」

「あっ。いえ、えーっと、とても綺麗な絵って言う褒め言葉です」

「そうですか。そこまで言っていただけると、私も嬉しく思います。いつもなら、依頼にそって描いてるのですがね」

「あっ、お金、お金払います。おいくらですか?」

 自分はシモーヌの依頼という言葉に、絵で金銭のやり取りをしていることに気づいた。


「おやおや、これは私の気分で勝手に描いた物ですよ、そんなお言葉だけでも良いのですけど。と、格好いいことを言いたいのですが、実を言うとその言葉は助かります」

「いえいえ、その方が自分も助かります。こんな良い絵をありがとうございます」

「ふむ、あなたとは馬車の中でも話しましたが、本当に正直なお方ですね」

「えっ?」

 念の為にと、適度な金額を入れた袋を懐から取り出し、金を払おうとすると、シモーヌの言葉に手を止めてしまった。

「普通なら、勝手に姿絵を書かれた人は怒るか無視するか、下手をすると絵のモデルとして使ったとして逆に金を要求する人もいるのですよ」

「な、なるほど。すみません……。余りにも良い絵を書いてもらったので、そんなことを考えてませんでした……」

「いえいえ、責めているわけではありませんよ。こちらこそ気分を害されたみたいですみません。では、金額は貴方の気持ちでお願いします、押し売りみたいになってしまいすみませんが」

「解りました。えーっと、ちなみにこの紙っていくらぐらいされました?」

「この羊皮紙ですか? すみません、これは貰い物なので私も値段はわかりかねませんね」

 シモーヌは一度絵を自分から受け取り、絵の裏側を見ては、これは貰い物だと判断し答えを返してきた。

「そうですか……」

(こんな綺麗な羊皮紙をあげる人って凄いな。いや、貰ったシモーヌさんがすごいのか? まぁ、いいや。ねぇ、ユイシス。この世界の羊皮紙っていくらくらいするの)

《はい、通常流通している羊皮紙なら、銀貨3~5枚の金額です。ですが、今ミツが手に持っている羊皮紙であるならば、金貨1枚の価値のある物と思われます》

(金貨1枚……1万円! 高っ! えっ!? 何でそんなに高い物に描いちゃったのシモーヌさん! ってか、羊皮紙って安価でもそんなにするんだ……)

「……」

「んっ? 本当にお気持ちで構いませんよ?」

 ユイシスから今手に持つ羊皮紙の金額査定をしてもらうと、自分が思った以上の金額に言葉を失ってしまった。そんな自分を見て、シモーヌが気を使ったような言葉をかけてきた。


「あっ、いえ。ではこれでお願いします」

 自分は懐に入れていた金貨3枚をシモーヌへと手渡した。

「えっ? こんなに宜しいのですか?」

「はい。自分が思うにですけど、とても良い紙に素晴らしい絵を書ていただいたので」

「なるほど……。そこまで気にっていただけるとは。良ければ、私の絵をここまで喜んで頂けることに1曲よろしいですか?」

 シモーヌは肩にかけていた楽器のマンドリンを前に、ジャラ~ンと音を出す。

 音に反応したのか、周囲の酔っぱらいの冒険者からはピーピーと歓喜の口笛が飛ばされている。

 周囲の迷惑にはなることもなさそうなので自分もお願いした。

「は、はい。では、お願いします」

 はいと返事を受けたシモーヌが、椅子に座り言葉を語りだす様に歌いだした。
 神々に歌うことを許しをえるセリフから始まり、この場で歌うことに感謝を伝える言葉を続けた。

 マンドリン似た楽器はポロンポロンと小さな音を奏で、そしてシモーヌの歌が周囲を包み込んでいく。

 歌の中には目の前の少年に感謝をとか、絵が売れたことに感謝をと先程の出来事を歌にのせていた。

 シモーヌの演奏が終わると、周囲からはまたピーピーと口笛の音と拍手がシモーヌへと送られている。自分もまた無意識に拍手を送っていた。

「ありがとうございます。あなたのおかけで、私はまた1つ歌を得ることができました」

「いえ、素晴らしい演奏に心打たれました! 自分もシモーヌさんの様な演奏ができたらいいなと思います」

「んっ? もしかして、あなたも何か演奏ができるのですか?」

「あっ、はい。最近始めたんですよ。これです」

 自分は周囲からは見えないように、背中に手を回しアイテムボックスに手を入れ、笛を取り出すついでに、買い取ったシモーヌの絵をアイテムボックスへとしまった。そして、卵型の木笛を取り出す。

「そうでしたか。これはこれは、同じ音楽に携わる同業者に出会えるとは。またこの出会いに神に感謝をしましょう。では、よろしければあなたからも1曲神に感謝の演奏をお願いしてもよろしいですか?」

「えっ? 神様に音楽を捧げるんですか?」

「そうですよ。あなたは詩人ではないでしょうが、音楽を奏でるとその音は神に聞かれていると言われております。そして神に聞いてもらう分演奏者の音が向上していくのです」

「へぇー……」

(ユ、ユイシス。本当にそうなの?)

〘んなわけあるか〙

 シモーヌの言葉が本当なのか、興味本位で質問すると、返答の声を出したのは神様本人のシャロットだった。

(うわっ、シャロット様! 何で? って聞いてたんですね)

〘聞いてたって言うか、見てたのよ。それと、そんなどこぞの誰か知らん人間の演奏なんか、四六時中ジャンガジャンガ聞いてられないわ〙

(あはは……。ジャンガジャンガって……。なら自分も演奏はしない方がいいですかね……)

〘ん~そうね……。いえ、面白そうだしアンタはやりなさい。神に感謝、つまりは私に感謝の気持ちがあるなら演奏ぐらいできるでしょ〙

(えっ。そ、それは勿論色々と助けてもらってますからね、感謝はしてますよ……)

〘ならしなさいよ〙

(はい……)

 シモーヌとシャロットの要望も重なったことに、自分は二つ返事で演奏を承諾し木笛を持ち直した。

 集中して見られていることに少し緊張する気持ちを落ち着かせる。


「シモーヌさん、自分まだ始めたばかりで下手ですけど……」

「構いません、神は演奏の上手さでは無く演奏者の心を聞くのですから」

〘ちゃんとした演奏聴かせなさいよ。下手くそな演奏したら天罰よ~〙

《ご主人様……》

 目の前のシモーヌの言葉と、脳内に直接聞こえるシャロットの言葉が違い過ぎて、もう自分は乾いた笑いしか出てこない。
 
「あはは……。では、頑張ってやってみます」

「はい」

 自分は笛を口にあてがえ、奏でる曲を考えた。
 シモーヌから神に送る曲と言われたので、聖歌を一度思いついたが、本物の聖歌なんて聞いたこともない。
 神様=教会と想像を浮かべ、プルンの母であるシスターのエベラを思い出した。
 そして脳内で思い浮かべたのが修道院を題材としたコメディー映画だった。
 自身の命を守るために修道院に来た黒人の女性が、聖歌隊の指揮者を任され、俄然、歌手としての本領を発揮する。
 タイトルには天使に送ると書いてるのだが、今回は神様に送るのだ。

 スキルの〈ララバイメロディー〉はギザギザハートの方がイメージが強いので〈プレザントメロディー〉を神に送る曲として演奏することにした。

 最初は優しく、ゆっくりと吹き始める。
 余りにもかぼそい音に、周囲からは少しやじが飛んだがそれはスルー。
 そして、テンポを上げるようにリズムを出しながらノリ良く笛を吹き出すと、やじの声が止まった。
 修道院のシスター達もノリ良く歌う姿を思い出し、指揮者となった黒人の女性も笑顔で体を指揮棒のように激しく動かす姿を思い出すと、自分も楽しく演奏ができた。

 演奏が終わると、周囲からはまばらながら、パチパチと拍手が聞こえてくる。
 

「いやはや、素晴らしい演奏をありがとうございます。今まで私が聴いたこともない音楽だけに興味が出てしまいますね」

「いえ、神様にも喜んで頂けたでしょうか」

「はい、きっとあなたの気持ちも神に届いたでしょう」

〘うん、まぁ、悪くなかったわ。ユイシス〙

《はい、ご主人様からのご褒美と、経験により〈楽器演奏術Lv3〉となりました》

(えっ!? 良いんですかシャロット様!?)

〘いいのよ、中々気に入ったわ。また聴かせて頂戴〙

(はい! ありがとうございます!)

 演奏も終わり、少しシモーヌと話した後。シモーヌが自分の奏でた曲に心打たれたのか、これはあなたのオリジナルですかとか、もう一度演奏して下さいと催促され、同じ曲を2~3度演奏し、シモーヌが満足そうに今日はゆっくりと休めそうですと礼の言葉を残してその場を後にした。

「それでは、また」

「はい、おやすみなさい」

 宿屋となる2階に上がっていくシモーヌを見送り、シモーヌが演奏のお礼として奢ってくれた1杯の飲み物を飲み干した後、自分は外へと出た。
 外は露店の灯りで通路はあかるく、人通りはそこそこにまだ多かった。
 
 周囲を見渡すと、お店お店の間には、薄着の女性がニヤニヤとした男と話していたり、ヒソヒソと話している怪しい人が見える。
 お店にはカモとしたお客に使い道の解らない物を説明する鼠族の店員や、食べ物を売る蜥蜴族のおじ、いや、おばさんが見える。

「さてと……」

 酒場を出る際、店の外にいたガラの悪そうな人達がニヤニヤと自分を見ていたがスルースルー。
 自分は少しやりたいことがあるのでそんな人達にかまってる暇などない。
 酒場の横の路地に入ると同時に〈時間停止〉を使用し、積み上げられた木箱に乗り、更に酒場の横の家の屋根にジャンプして乗り、更にそこから酒場の屋根へとジャンプする。

 酒場の上は宿屋となり、その上は屋根となっているので自分が今いるこの下は、誰か寝ているかもしれない部屋だ。
 〈時間停止〉を解除した後、〈ハイディング〉スキルを使い姿を消し、見つからないようにそっと屋根の上から下を覗き込むと、先程自分をニヤニヤと見ていた男たちが路地に入ってきている。
 だが、男達は自分が居ないことに驚いていた。
 放っとこう。
 屋根の上、周囲は今いる屋根の上以上の建物は無いので誰かに見られることはない、そして〈トリップゲート〉を使いゲートを開く。

 ゲートの先は月明かりが照らしているのか、薄暗い景色が見えた。
 
 ゲートをくぐると、さやさやと流れる水の音と、リンリンとコウロギの様な虫の音だけが聞こえてくる。


「まだ手入れは終わってないみたいだな……」
 
 自分がゲートを使ってやってきた場所は、以前プルンとスヤン魚の依頼を受けて来た川辺だ。
 ここなら水、木、土、岩等などの実験対象が沢山ある。そう、自分は洞窟内で取得したスキル、まだ試していないスキルを試すためにここに来たのだ。

「取り敢えず暗いと何にも見えないし、灯りを……」

 〈マジックアロー〉の1つ、雷の矢を取り出す。
 バチバチと眩しい光を出した矢を、一定の間隔に地面へと刺していく。


「うん、こんなもんかな。ねぇ、ユイシス。たしか【忍者】のレベルがMAXになったんだよね?」

《はい、先程のスパイダークラブとの戦闘にて【忍者】のレベルがMAXになっております。転職なさいますか?》

「うん、勿論。でさ、何か新しいジョブとか増えてない?」

《はい。魔法攻撃で、一定のモンスターを討伐したことに【ハイウィザード】が追加されてます》

「おっ、リッコにも表示されていたやつだね。これってさ、転職したら魔法攻撃の強いスキルを覚えれるのかな?」

《はい、【ハイウィザード】のスキルには、バレット系やストーム系の単体から広範囲魔法を覚えることができます》


「広範囲魔法って言うと、前教えてもらった【ダークメイジ】と同じかな? なら、ジョブにそれ程違いは無いのかな?」

《いえ、【ハイウィザード】は単体含む魔法を覚えますが【ダークメイジ】は広範囲魔法メインとなります。覚える魔法スキルにも違いはありますので、同じではありません》

「あっ、そうだったそうだった」

《ではミツ。転職するジョブを選んでください》

「そうだね、上位ジョブは覚えるスキルが強いのは解ってるけど……レベルMAXにするのが大変だよな……。よし、ここはシャロット様に見習って運に任せよう!」

 自分は足元に転がっている軽石を1つ拾い〈物質製造〉を発動。
 ぐにゃりと形を変えていく軽石が、四角形状に形を変え、ひょうめんにはポツポツと小さな穴をあけて作り上げた物。

「できた。うん、そんなに重くもないし、上手くサイコロができた」

 アイテムボックスに手を入れ、中から木材屋で捨て値と売られていた皿を一枚出す。
 それにも〈物質製造〉を使用して、小さめのサラダボールの様な形を作り出す。

「ほいっと……」

 中に作ったサイコロを転がし、その出た目で転職するジョブを選ぶことにした。
 ステータスの運も高いので、運試しのサイだ。

 ちなみに、出た目の1が前衛、2で後衛、3商人、4盗賊、5支援、6その他。としてジョブの種類を選ぶ。

 皿の上で小さな音を出しながらコロコロと転がるサイコロ。

 そして、止まって出た目は中心に穴をあけた1だ。

「1か……。確か、前衛のジョブは9種類だったかな? えーっと【ランサー】【ガード】【モンク】【ウォーリアー】【狂戦士】【クルセイダー】【パラディン】【ドラグーン】【セイントナイト】だったね」

 また足元の軽石を拾い、今度はジョブの数にあわせて10面ダイスを作る。順番は先程読み上げた順番として、1がランサーで9がセイントナイトとする。
 数が1つ足りないので、10が出たときは振りなおしだ。

 そして、また同じように皿の上でサイコロを転がす。
 
 カラカラ……。

 ふったサイコロが出した数字は3だった。
 次のジョブは3番目の【モンク】に決まった。

 ※これは本当にサイコロを振って運で決めました。

(モンクか……。確か前にユイシスがモンクの上位職でマジックファイターがあるって言ってたよね? なら当たりかな)

「ユイシス、次のジョブはモンクでお願いするよ」

《解りました。では、メインジョブを【モンク】に変更します。ボーナスとして以下のスキルから5 つお選び下さい。既に習得済みのスキルは非表示となります》


※旋風脚
※双竜脚
※双拳打

「ふむ、ソードマンの時と同じだね。ほとんどのスキルをスティールで奪ってたから、項目がこうなるのは解ってたんだけど……」

 【モンク】のスキルは様々なモンスターから奪ってきたので結果は予想できていた。〈正拳突き〉
や〈崩拳〉などは既に持っているからだ。

「ユイシス、取り敢えず表示されてる3つをお願い。後、前みたいに残りの2つは、今までのジョブから選んでないのを選択していいんだよね?」

《はい、可能です。ご主人様からも許可はでております》

 そうユイシスからの言葉の後に、目の前にウィンドウ画面が現れた、
 項目には今まで選択に外していた経験済みジョブのスキル一覧が表示されている。


「良かった。シャロット様、ありがとうございます」

 言葉に返事は帰ってこないが、自分は気持ちは伝わったと思い、残りの2つのスキルをウィンドウ画面から選択する。


「えーっと、じゃあね……料理人の思考転換と、ジョングルールのドレドメロディーお願いするよ

 項目から選んだスキルは【料理人】の〈思考転換〉それと【ジョングルール】の〈ドレドメロディー〉。
 【料理人】の〈思考転換〉は料理のアイディアを出すスキルだ。
 これはプルンが食べたいと言っていた、蜘蛛の脚対策のため。
 ハッキリ言って蜘蛛の脚なんて自分は調理するどころか日本でも食べたことは無いよ。
 〈料理〉のスキルは食べたことある物は調理できるのだが、食べたことがない物はできない。
 〈思考転換〉のスキルを選んだのは、あれば何かしらの料理ができるのではないかと思ったからだ。

 次に【ジョングルール】の〈ドレドメロディー〉これも狙いがあっての選択になる。
 選択後、自分は神様=シャロット様に祈る気持ちでユイシスの言葉を待った。

《はい、スキル〈旋風脚〉〈双竜脚〉〈双拳打〉〈思考転換〉〈ドレドメロディー〉を習得しました。条件スキル〈爆裂拳〉〈ラブメロディー〉を習得しました》

「よしっ! 条件スキル、ゲットだぜ!」


旋風脚
・種別:アクティブ。
下段、中段、上段と強い蹴りの攻撃を与える、レベルが上がると威力が増す。

双竜脚
・種別:アクティブ。
左右の連撃の蹴りで攻撃を与える、レベルが上がると威力が増す。


双拳打
・種別:アクティブ。
左右の拳打で攻撃を与える、レベルが上がると威力が増す。

思考転換
・種別:パッシブ。
食材をイメージし、今までの食の経験を生かすと、新しい料理を思い浮かべることができる。

ドレドメロディー
・種別:アクティブ。
モンスターのステータス低下の効果をだす。

爆裂拳
・種別:アクティブ。
無数の拳打を放ち相手へと攻撃を与える。
※威力は使用者の攻撃力と速さのステータスで変わる。

ラブメロディー
・種別:アクティブ。
奏でを聞いた対象の自身への好感度を上昇させる、効果は楽器演奏術のレベルで変わる。


 これまた検証するスキルが増えたが、スキルが増えたことに自身の気分も上昇していくのが解った。

「ところでユイシス、モンクのスキルは説明と名前で大体の想像はつくんだけど、ラブメロディーってこれは?」

《はい、説明いたします。こちらのスキルは使用者に対する好感度、つまりは好意を上げることができます。既にミツに対して好意を持っている者には効果は薄いですが、敵意や殺意を持つ者には効果は目に見えて現れるでしょう》

「さ、殺意って……。そっか……あんまり考えたくもないけど、この世界だと嫌いな相手には殺意を沸かせるのか……。自分をそういった目で見る人から自衛するためにも、いざと言うときは使用すべきかな……」

 まぁ、敵意や殺意がある人が、おとなしく自分の演奏を聞いてくれるだろうかは、今は気にしないでおく。

 気を取り直し、スキルの検証を始めた。
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