22 / 174
第22話 ウキウキのジョブ変更
しおりを挟む
その日の夜〈ヒール〉を強化するために繰り返し練習をしていた。
「ヒール、ヒール、ヒール……ふ~」
〈MP消費軽減〉スキルのおかげか、今日は昨日の倍近くは練習できた。
しかし、まだ上がらないのか、少し疲れたので横になって休んでいた。
(ねぇ、ユイシス、後どれくらいでヒールのレベルアップなるのかな?)
《……》
あれ? いつも質問をすれば直に返してくれるユイシスの返事が来ない?
フッと目を開けると、目の前が真っ白の世界になっていた。
「あれれ~? おっかしいぞ~」
さっきまで教会の部屋のベットの上に寝ていた、今は別の見た事のある場所にいた……。
そう、最近この場所で、あるチミっ子に会った場所だった。
〘二人とも上手くやってるみたいね〙
《はい、問題なく》
二人の聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた、振り返るとやはり居た。
「チミっ子!」
ゲシッ!
「グハッ!!」
その姿を確認したと同時に発した言葉には、顔面に綺麗に入った蹴り、コメディー漫画の様な足跡を顔に残してくれた。
〘チミっ子言うな!〙
「ナイスキック……。後、パンツ見えてますよ」
〘フン! 学習しないわねあんたも〙
「いや、ノリ的に言わないと聞けないかと」
〘シャロット様! ちゃんと呼びなさい!〙
ビシッ!
「わかりました、シャロット様、これでよろしいですか?」
〘うむ〙
「でー、そちらの人は?」
自分が質問したのは、シャロットの隣にいる金髪ブロンドのお姉さんだ、見た目は真っ白なローブを身に纏い、正に絶世の美女が目の前にいる。
〘ん? 何言ってるのよ、ユイシスじゃない〙
「えっ!」
《ご主人様、ミツとはこの姿で会うのが初めてですよ、知らないのは仕方ありません》
声を聞いて間違いない、いつもアナウンスやサポートしてくれてるユイシスだ。
何だろう、いつも声だけ聞いてて、いきなり本人が現れるとか、アニメの声優さんを見た気分だ。
〘あ~、そうだったわね。でも、見た目はあんたが希望した姿をしてるでしょ?〙
「希望?」
《はい、ミツと初めての会話の時に私の印象を聞きました、その時に失礼ながらミツの思うイメージをそのまま姿へと変えたのです》
確かに、長いアンケートみたいな事を最初にやらされた後に答えた記憶がある。
(確かに、その時思い浮かんだイメージだったような気がする……。でかい……)
〘……何よ〙
「いえいえ」
無意識に目の前のエベレストと天保山を比べていたようだ。
「で? 今日は何か?」
若干シャロットの目がつり上がってるので直ぐに話題を変えよう。
〘フンッ! えぇ、あんたスキル50個超えたわよね〙
シャロットの言葉にそむけていた視線をまたシャロットへと戻す。
「えっ! そうなんですか、そう言えば今日もバンバンとスティールして結構スキル取れたし。そうか、もう50行ったんだ。ジョブも今日で5個目になったのでユイシスには本当に感謝してます」
〘まぁ~、それもあるでしょうけど、あんたの努力も認めてあげるわ〙
「ありがとうございます!」
褒められることは嬉しいものだ、それが見た目は自分より年下に見える相手でも。
《先程もスキルの訓練を頑張られてましたもんね》
「見てたのか……」
〘本当はね、まだ先になると思ってたんだけどあんたにちょっとしたプレゼントをあげようと思って〙
「えっ! シャロット様からですか!」
《本当は数年後だと思ったのですが、まさか、1週間もしないでここまで伸びるとは、ご主人様も思われなかったようです》
〘本当よ~、予想では2~3個増えてるかと思ったら予感外れちゃった〙
連日でモンスターとの戦闘を繰り返していた結果だろう。
「あははは、なんかスキル集めが楽しくて」
〘ほんと、あんたはこの世界を楽しんでくれてるみたいね、作った私としても嬉しいわ〙
「でっ? プレゼントって何貰えるんですか?」
〘そうね、最強の武器、傷つかない体、富と叡智、色々考えたけど……〙
そんな凄いものが貰えるのか……ゴクリと唾を飲みシャロットの次の言葉を待った。
〘さっきの話しで決めたわ〙
「はい!」
〘あんたへのプレゼントは!〙
ドゥルドゥルドゥルドゥル……。
ユイシスが隣でマーチングバンドで使いそうなドラムでドラムロールを鳴らしだした……。
何処から出したんだ?
ダンッ!
〘スキルよ!〙
手を腰に当て堂々と発表したシャロットの顔は目をつむってもドヤ顔感が出ていた。
「やっぱりかー!」
〘なによ! 嬉しくないの!?〙
「いや、嬉しいですけど、でも最初に言ってた物と比べたらねぇ…。」
〘あぁ、富や叡智? そんな物スキルあれば後でなんとでもなるでしょ。最強の武器も使い手がコレじゃね~〙
「コレ言うな!」
シャロットのケラケラ笑う姿はまるでいたずら好きな小悪魔系妹みたいだ。
〘まぁ、安心しなさい。モンスターやジョブでは手に入らない物あげるから〙
「おっ! それは普通に感謝します、シャロット様」
〘コロコロ変わる奴ね……。まぁいいわ、目が覚めて起きたら新しいスキルを楽しみなさい〙
「今教えてくれないんですか?」
〘楽しみは後での方が良いでしょ?〙
「好きな物は先に食べる主義です」
〘はいはい〙
《ミツ、ちなみに先程訓練されてたヒールですが、あと数回でレベルアップしますよ》
「本当!? ヤッタ!」
シャロットのスキルプレゼントも楽しみだけど、寝る前の〈ヒール〉訓練が後数回でレベルアップと聞いた事で更にテンションが上がった。
〘あと1つ、これは私からのお願いね〙
「創造者のシャロット様直々のお願いですか……」
〘近々あんたの今住んでる街で武道大会みたいなイベントあるでしょ?〙
「よくご存知で、詳しくは知らないですけど開催されるみたいですね。見に行くつもりではありますけど」
〘なら、丁度いいわ。あんたその大会に出なさい〙
「はっ?」
噂ではシルバーランクやらグラスランクの強者がゴロゴロと出場する様な大会だぞ。
自分は態々殴られに行くようなドMでは無い。
しかし、創造主、ある意味神様からのお願いを断るのも無理な話だ。
〘はっ、じゃないわよ。負けても良いから出なさい、今後のあんたの運命もかかってるのよ〙
「いや……運命っていきなり重いよシャロット様……」
〘仕方ないわね~。ユイシス頼ってもいいから〙
《はい、ご主人様のご命令とあれば》
「はぁ~」
《大会出場が決定しました》
何アナウンスかけてるの……。
〘ちゃんと見てるからね、サボるんじゃないわよ!〙
「はい……」
〘じゃ、また呼ぶかもしれないけど、それまで死ぬんじゃないわよ~〙
「ハッ!」
目が覚めると周りはまだ暗く、まだ夜中のようだ……。
明るく真っ白な世界からいきなり、真っ黒な場所で起きたらちょっとしたホラーで怖いだろ。
部屋の灯りのロウソクをつけて、少し気持ちを変えよう。
《創造者様より〈マップ〉を頂きました》
なんかユイシスのアナウンスがいつもより若干の依怙贔屓(えこひいき)感を感じるぞ。
しかし、マップ、つまり地図か。
これは確かにモンスターからは取れないスキルだよな、早速とスキルを発動してみた。
「マップ」
唱えた瞬間、目の前にはスケッチブック程のウィンドウ画面が現れ。
画面には青い点滅と民家やお店周りの作りが表示されていた、お店の名前は表示は全て日本語表示されている、使用者に優しい作りだ。
見る限り上下左右の1キロ表示の様だ。
(これだと近くしか解らないな)
《イメージすれば、表示倍率を変更できます》
ユイシスの言葉を聞いて早速試してみた。
取り敢えず5キロ感覚(間隔?5キロ四方?)を。
(おっ、できた!)
5キロでこのライアングルの街が何とか入った。
農家や田畑を入れると意外と結構でかい街なんだな。
これは色々と狩りも便利になるな、チミっ子には感謝しとこう。
《マップを表示しています、随時表示されますか?》
随時表示ってそれは邪魔だしな……必要な時だけ出しとこう。
「非表示で」
その言葉と同時に目の前に表示されていた〈マップ〉が消えた。
(そうだ、ステータスは今どうなってるんだろう)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名前 『ミツ』 人族/15歳
ジョブ 忍者 Lv3。
偽造職 クレリック Lv5。
転職可能 new
鉄の弓orドルクスア 盗賊の腕輪
HP ______:129。
MP______:190。
攻撃力___:54+(75)。
守備力___:51+(75)。
魔力_____:48+(65)。
素早さ___:84+(55)。
運 _______:91+(55)。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【ノービス】 Max
【アーチャー】 Max
【シーフ】 Max
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ヒール_______________:Lv3/10 Level up。
スティール__________:Lv4/10 Level up。
即毒_________________:Lv2/10 Level up。
連射_________________:Lv2/10 Level up。
フクロウの目________:Lv3/10 Level up。
鷹の目_______________:Lv3/10 Level up。
小鳥の目_____________:Lv2/10 Level up。
肉体強化_____________:Lv2/10 Level up。
身体強化_____________:Lv2/10 Level up。
速度強化_____________:Lv3/10 Level up。
痛覚軽減_____________:Lv2/10 Level up。
刺す_________________:LvMax new。
運搬_________________:Lv8/10 Level up new。
スピアアタック______:Lv6/10 Level up new。
虫の目_______________:Lv3/10 Level up new。
忍術_________________:Lv1/10 new。
煙幕_________________:Lv1/10 new。
偽造職______________: LvMax new。
ミラーバリア________:Lv1/10 new。
速度減少____________:Lv1/10 new。
シャイン____________:Lv1/10 new。
エンジェラス________:Lv1/10 new。
回復力増加__________:LvMax new。
MP消費軽減_________:LvMax new。
土石流______________:Lv1/10 new。
土石落とし__________:Lv1/10 new。
岩石砕き____________:Lv1/10 new。
感覚強化____________:Lv1/10 new。
打撃強化____________:Lv1/10 new。
攻撃強化____________:Lv1/10 new。
マップ______________: LvMax new。
スキル合計数53個
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
称号
『救い人』
ステータス画面を開いて驚いた、以前見た時より能力の伸びが全然違う。
また、あれだけ少なかったMPが一気に増えていた、これならスキルの訓練も今後捗るだろう。
(しかし、またスキルも増えたもんだ)
《ミツ、ジョブも増えてますよ》
(おっ、新しいジョブ! 何かな)
《現在スキルと習得済みジョブから出しますと【ランサー】【ガード】【ウォリアー】【ローグ】【ウィザード】が可能となります》
(やった! 魔法使いの【ウィザード】がいる、他の何個か知り合いがついていたジョブだから解るけど【ガード】【ローグ】って何?)
《【ガード】主に盾を主力武器とする者。条件を満たすと新たなジョブの道が開けます》
《【ローグ】特殊ジョブの1つ、戦闘や迷宮探索を得意とします》
新たに出たのは特殊ジョブだった【ボウマン】含めて2つ目がでた。
(ねぇ、ユイシス【ウィザード】になれば【魔力術】貰えるんだよね?)
《はい、他にも既に転職可能となっております【ソードマン】に転職しますと【剣術】が習得となります》
魔法使って俺TUEもやって見たいけど、剣スキルも溜まってるし【剣術】欲しいのもある。
(あっ、そういえばテイマーにもなれたんだよね確か)
モンスターを従えて後方で戦うのもいいねー。
しかし、せっかく【忍者】になれたんだしこれを活かしたい物だ。
(教えてユイペディア~、次のオススメのジョブはなに?)
自分で言ってなんだけど恥ずかしい。
《忍者の後ですか? クレリックの後でしょうか?》
(ごめんごめん、え~とクレリックの後で、忍者はまだ先の事だし)
《上位ジョブを目指すのであれば【ソードマン】【ウィザード】何方でも極めれば上位ジョブの条件を満たします》
ユイシスの次のジョブは何方を選んでも【術】が手に入り、上位ジョブも出てくるとはラッキーな結果だった。
(ユイシス、ちなみにどんなジョブが……。いや後のお楽しみにしとこう、チミっ子も言ってたし)
その方が出た時の感動も増えるだろうし。
上位ジョブだから失敗の選択はまず無いだろうと思いネタバレを抑えた。
(えっーと、ちなみにどっちのジョブがオススメだけ教えてくれないかな?)
《【ウィザード】をオススメします、習得済みのスキル〈忍術〉はスキルですがMPを消化します。魔力の底上げの為に【魔力術】を習得して下さい》
そう、今迄のスキルはMPもを消化することは無かったが〈忍術〉は消化してるのだ。
例えMPが180まで増えた今としてもMPが切れたら意味がない。
(そう言えば、あのスキルってMPどれくらい消化するんだろう?)
眠ったおかげでMPは回復している、1つ試す事にしてみた。
「忍術=風刀」
窓も開いていない部屋の中に手の中から風音が鳴り響く。
夜中にこれは五月蝿いので慌てて直ぐに解除する事にした。
(焦った、前は外でやったから音の事とか気にしなかったからな。さてさてMPはどうなったかな)
スキルを使用後、ステータス画面をもう一度出してMPの消耗を確認してみる。
MP______:160。
確認してみると20のMP消耗をが確認できた。
〈MP消費軽減〉スキルが無かったらもっと燃費が悪い物だったのだろう。
そして、思った。
(考えたら聞けばいいんだ……。ユイシス忍術の風弾のMPの消耗はいくつかな?)
《はい、同じくMPの消耗は20となります》
解らないことは直ぐに聞く事。
会社の新入社員の時に仕事場で真っ先に教わった事だ。
若返ったせいか素で忘れてたのかは別として、ホウレンソウこれ大事ね。
後1つ、先程ユイシスが〈ヒール〉のレベルが上がるって教えてくれてた事を思い出した。
最後また寝る前に上げてしまう事に。
「ヒール、ヒール、ヒール」
《経験により〈ヒールLv4〉〈魔力増加Lv2〉となりました》
2日かけてやっと〈ヒール〉のレベルも上がった、おまけだが〈魔力増加〉スキルも上がったのが更に嬉しかった。
今後、遠距離での戦略が更に増えていくが接近戦も必要だ、今迄の戦いを思い出しながら考えてみた。
ゴブリン数匹、オーク数匹、キラービー数百匹と偶然だろうが段々と数が多くなっていってる気がする。
広く攻撃したい時に矢の〈連射〉スキルでは追いつかないかもしれない。
(ねぇ、ユイシス、昼間みたいに数百のモンスターを相手にする時のために、敵を一掃する魔法とかスキルは無いのかな)
《御座います》
(あ~、やっぱあるんだ)
《そのスキルを習得するには、最短で3つのジョブを極める必要があります》
最短でそれなのか……。
ユイシスのジョブに関するアドバイスは確実に信頼はできる。
しかし、今は最短よりオススメのジョブを優先しよう。【忍者】の様に〈偽造職〉みたいな便利なスキルが手に入るかもしれないのだから。
「はぁあ~」
大きなアクビが出てきた、そう言えばまだ夜中だよな、もう少し寝よう……。
部屋の灯りを消して、また寝る事にした。
「あっ、そう言えば武道大会に出ろって言われたんだ……。ふ~、起きてから考えよう……」
瞼を閉じると、スッと力も抜けて眠りに落ちていった……。
次の日の朝。
いい事があればその逆も起こるもの。
バタン!
「朝ニャ! ミツ起きるニャ!」
「う……うっ……」
日の出と共に猫耳少女が朝起こしに来る、人生で一度は経験してみたくはないか?
今正に自分はその経験をしているんだよ。
「早く起きるニャ!」
「もっ、もう少し寝かせて……」
夜中変な時間に起きたのが駄目だったんだろう、かなり起きるのが辛い。
例えるなら夜遅くまでゲームをして次の日の朝の気分だ、その時は昼間で結局寝てたけど。
「昼にはギルドに行くニャ、準備とかしてたら直に時間が来るニャ」
学校や部活に遅れると言って、妹キャラや幼馴染キャラが朝起こしに来るのはデフォルトだ。
(時計もないこの世界になんで時間なんてわかるんだよ、眠くて考えるのも面倒くさい)
「起・き・る・ニャ!」
ガバッ!
勢い良く剥がされる毛布。
朝の男を知らない少女は、目の前に突きつけられる現実に初めて男を知る事になった。
「……ニャ!」
「もう少し寝かせ……」
「ニャニャニャ!」
「ん?……。あっ……」
「ニャー!」
バチン!
漫画やアニメで見た事あるがそんな事ないわ~、とか言っていたあの頃の自分よ、現実に起きた事を頬の手形と共にここに記そう。
「理不尽だ……」
「プルン、ミツさんに誤りなさい!」
「ふん! 女にあんニャ物見せるからニャ!」
「自然現象なんだから仕方ないだろ……」
油断していた自分も悪いが、いきなりビンタもスキルは反応できなかった。
「ネーネなに?」
「ミミは知らなくていいニャ!」
「え~」
「ごめんなさいねミツさん、プルンも悪い子じゃ無いんだけど」
「いえいえ、こっちこそ朝からすみません」
「そうニャ、謝るのはミツの方ニャ!」
「プルン!」
「フン!」
「プルン姉また怒られてる」
「また~」
「ネーネめ~」
朝食も終り、あれこれと教会のお手伝いをしてると、プルンから声がかかってきた。
「……ミツ、そろそろ行くニャ」
「あっ、そうだね、ギルドに行こうか」
「二人とも気をつけてね」
「今日は話だけニャ」
「依頼は受けないの?」
「今日はそんな気分になれないニャ」
「そうですか~」
朝の事また引きずってるのか、活発な子でもやっぱり女の子なんだな。
「行ってらっしゃい」
「「「いってらっしゃ~い」」」
「ニャ」
「行ってきます」
「ヒール、ヒール、ヒール……ふ~」
〈MP消費軽減〉スキルのおかげか、今日は昨日の倍近くは練習できた。
しかし、まだ上がらないのか、少し疲れたので横になって休んでいた。
(ねぇ、ユイシス、後どれくらいでヒールのレベルアップなるのかな?)
《……》
あれ? いつも質問をすれば直に返してくれるユイシスの返事が来ない?
フッと目を開けると、目の前が真っ白の世界になっていた。
「あれれ~? おっかしいぞ~」
さっきまで教会の部屋のベットの上に寝ていた、今は別の見た事のある場所にいた……。
そう、最近この場所で、あるチミっ子に会った場所だった。
〘二人とも上手くやってるみたいね〙
《はい、問題なく》
二人の聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきた、振り返るとやはり居た。
「チミっ子!」
ゲシッ!
「グハッ!!」
その姿を確認したと同時に発した言葉には、顔面に綺麗に入った蹴り、コメディー漫画の様な足跡を顔に残してくれた。
〘チミっ子言うな!〙
「ナイスキック……。後、パンツ見えてますよ」
〘フン! 学習しないわねあんたも〙
「いや、ノリ的に言わないと聞けないかと」
〘シャロット様! ちゃんと呼びなさい!〙
ビシッ!
「わかりました、シャロット様、これでよろしいですか?」
〘うむ〙
「でー、そちらの人は?」
自分が質問したのは、シャロットの隣にいる金髪ブロンドのお姉さんだ、見た目は真っ白なローブを身に纏い、正に絶世の美女が目の前にいる。
〘ん? 何言ってるのよ、ユイシスじゃない〙
「えっ!」
《ご主人様、ミツとはこの姿で会うのが初めてですよ、知らないのは仕方ありません》
声を聞いて間違いない、いつもアナウンスやサポートしてくれてるユイシスだ。
何だろう、いつも声だけ聞いてて、いきなり本人が現れるとか、アニメの声優さんを見た気分だ。
〘あ~、そうだったわね。でも、見た目はあんたが希望した姿をしてるでしょ?〙
「希望?」
《はい、ミツと初めての会話の時に私の印象を聞きました、その時に失礼ながらミツの思うイメージをそのまま姿へと変えたのです》
確かに、長いアンケートみたいな事を最初にやらされた後に答えた記憶がある。
(確かに、その時思い浮かんだイメージだったような気がする……。でかい……)
〘……何よ〙
「いえいえ」
無意識に目の前のエベレストと天保山を比べていたようだ。
「で? 今日は何か?」
若干シャロットの目がつり上がってるので直ぐに話題を変えよう。
〘フンッ! えぇ、あんたスキル50個超えたわよね〙
シャロットの言葉にそむけていた視線をまたシャロットへと戻す。
「えっ! そうなんですか、そう言えば今日もバンバンとスティールして結構スキル取れたし。そうか、もう50行ったんだ。ジョブも今日で5個目になったのでユイシスには本当に感謝してます」
〘まぁ~、それもあるでしょうけど、あんたの努力も認めてあげるわ〙
「ありがとうございます!」
褒められることは嬉しいものだ、それが見た目は自分より年下に見える相手でも。
《先程もスキルの訓練を頑張られてましたもんね》
「見てたのか……」
〘本当はね、まだ先になると思ってたんだけどあんたにちょっとしたプレゼントをあげようと思って〙
「えっ! シャロット様からですか!」
《本当は数年後だと思ったのですが、まさか、1週間もしないでここまで伸びるとは、ご主人様も思われなかったようです》
〘本当よ~、予想では2~3個増えてるかと思ったら予感外れちゃった〙
連日でモンスターとの戦闘を繰り返していた結果だろう。
「あははは、なんかスキル集めが楽しくて」
〘ほんと、あんたはこの世界を楽しんでくれてるみたいね、作った私としても嬉しいわ〙
「でっ? プレゼントって何貰えるんですか?」
〘そうね、最強の武器、傷つかない体、富と叡智、色々考えたけど……〙
そんな凄いものが貰えるのか……ゴクリと唾を飲みシャロットの次の言葉を待った。
〘さっきの話しで決めたわ〙
「はい!」
〘あんたへのプレゼントは!〙
ドゥルドゥルドゥルドゥル……。
ユイシスが隣でマーチングバンドで使いそうなドラムでドラムロールを鳴らしだした……。
何処から出したんだ?
ダンッ!
〘スキルよ!〙
手を腰に当て堂々と発表したシャロットの顔は目をつむってもドヤ顔感が出ていた。
「やっぱりかー!」
〘なによ! 嬉しくないの!?〙
「いや、嬉しいですけど、でも最初に言ってた物と比べたらねぇ…。」
〘あぁ、富や叡智? そんな物スキルあれば後でなんとでもなるでしょ。最強の武器も使い手がコレじゃね~〙
「コレ言うな!」
シャロットのケラケラ笑う姿はまるでいたずら好きな小悪魔系妹みたいだ。
〘まぁ、安心しなさい。モンスターやジョブでは手に入らない物あげるから〙
「おっ! それは普通に感謝します、シャロット様」
〘コロコロ変わる奴ね……。まぁいいわ、目が覚めて起きたら新しいスキルを楽しみなさい〙
「今教えてくれないんですか?」
〘楽しみは後での方が良いでしょ?〙
「好きな物は先に食べる主義です」
〘はいはい〙
《ミツ、ちなみに先程訓練されてたヒールですが、あと数回でレベルアップしますよ》
「本当!? ヤッタ!」
シャロットのスキルプレゼントも楽しみだけど、寝る前の〈ヒール〉訓練が後数回でレベルアップと聞いた事で更にテンションが上がった。
〘あと1つ、これは私からのお願いね〙
「創造者のシャロット様直々のお願いですか……」
〘近々あんたの今住んでる街で武道大会みたいなイベントあるでしょ?〙
「よくご存知で、詳しくは知らないですけど開催されるみたいですね。見に行くつもりではありますけど」
〘なら、丁度いいわ。あんたその大会に出なさい〙
「はっ?」
噂ではシルバーランクやらグラスランクの強者がゴロゴロと出場する様な大会だぞ。
自分は態々殴られに行くようなドMでは無い。
しかし、創造主、ある意味神様からのお願いを断るのも無理な話だ。
〘はっ、じゃないわよ。負けても良いから出なさい、今後のあんたの運命もかかってるのよ〙
「いや……運命っていきなり重いよシャロット様……」
〘仕方ないわね~。ユイシス頼ってもいいから〙
《はい、ご主人様のご命令とあれば》
「はぁ~」
《大会出場が決定しました》
何アナウンスかけてるの……。
〘ちゃんと見てるからね、サボるんじゃないわよ!〙
「はい……」
〘じゃ、また呼ぶかもしれないけど、それまで死ぬんじゃないわよ~〙
「ハッ!」
目が覚めると周りはまだ暗く、まだ夜中のようだ……。
明るく真っ白な世界からいきなり、真っ黒な場所で起きたらちょっとしたホラーで怖いだろ。
部屋の灯りのロウソクをつけて、少し気持ちを変えよう。
《創造者様より〈マップ〉を頂きました》
なんかユイシスのアナウンスがいつもより若干の依怙贔屓(えこひいき)感を感じるぞ。
しかし、マップ、つまり地図か。
これは確かにモンスターからは取れないスキルだよな、早速とスキルを発動してみた。
「マップ」
唱えた瞬間、目の前にはスケッチブック程のウィンドウ画面が現れ。
画面には青い点滅と民家やお店周りの作りが表示されていた、お店の名前は表示は全て日本語表示されている、使用者に優しい作りだ。
見る限り上下左右の1キロ表示の様だ。
(これだと近くしか解らないな)
《イメージすれば、表示倍率を変更できます》
ユイシスの言葉を聞いて早速試してみた。
取り敢えず5キロ感覚(間隔?5キロ四方?)を。
(おっ、できた!)
5キロでこのライアングルの街が何とか入った。
農家や田畑を入れると意外と結構でかい街なんだな。
これは色々と狩りも便利になるな、チミっ子には感謝しとこう。
《マップを表示しています、随時表示されますか?》
随時表示ってそれは邪魔だしな……必要な時だけ出しとこう。
「非表示で」
その言葉と同時に目の前に表示されていた〈マップ〉が消えた。
(そうだ、ステータスは今どうなってるんだろう)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
名前 『ミツ』 人族/15歳
ジョブ 忍者 Lv3。
偽造職 クレリック Lv5。
転職可能 new
鉄の弓orドルクスア 盗賊の腕輪
HP ______:129。
MP______:190。
攻撃力___:54+(75)。
守備力___:51+(75)。
魔力_____:48+(65)。
素早さ___:84+(55)。
運 _______:91+(55)。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
【ノービス】 Max
【アーチャー】 Max
【シーフ】 Max
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ヒール_______________:Lv3/10 Level up。
スティール__________:Lv4/10 Level up。
即毒_________________:Lv2/10 Level up。
連射_________________:Lv2/10 Level up。
フクロウの目________:Lv3/10 Level up。
鷹の目_______________:Lv3/10 Level up。
小鳥の目_____________:Lv2/10 Level up。
肉体強化_____________:Lv2/10 Level up。
身体強化_____________:Lv2/10 Level up。
速度強化_____________:Lv3/10 Level up。
痛覚軽減_____________:Lv2/10 Level up。
刺す_________________:LvMax new。
運搬_________________:Lv8/10 Level up new。
スピアアタック______:Lv6/10 Level up new。
虫の目_______________:Lv3/10 Level up new。
忍術_________________:Lv1/10 new。
煙幕_________________:Lv1/10 new。
偽造職______________: LvMax new。
ミラーバリア________:Lv1/10 new。
速度減少____________:Lv1/10 new。
シャイン____________:Lv1/10 new。
エンジェラス________:Lv1/10 new。
回復力増加__________:LvMax new。
MP消費軽減_________:LvMax new。
土石流______________:Lv1/10 new。
土石落とし__________:Lv1/10 new。
岩石砕き____________:Lv1/10 new。
感覚強化____________:Lv1/10 new。
打撃強化____________:Lv1/10 new。
攻撃強化____________:Lv1/10 new。
マップ______________: LvMax new。
スキル合計数53個
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
称号
『救い人』
ステータス画面を開いて驚いた、以前見た時より能力の伸びが全然違う。
また、あれだけ少なかったMPが一気に増えていた、これならスキルの訓練も今後捗るだろう。
(しかし、またスキルも増えたもんだ)
《ミツ、ジョブも増えてますよ》
(おっ、新しいジョブ! 何かな)
《現在スキルと習得済みジョブから出しますと【ランサー】【ガード】【ウォリアー】【ローグ】【ウィザード】が可能となります》
(やった! 魔法使いの【ウィザード】がいる、他の何個か知り合いがついていたジョブだから解るけど【ガード】【ローグ】って何?)
《【ガード】主に盾を主力武器とする者。条件を満たすと新たなジョブの道が開けます》
《【ローグ】特殊ジョブの1つ、戦闘や迷宮探索を得意とします》
新たに出たのは特殊ジョブだった【ボウマン】含めて2つ目がでた。
(ねぇ、ユイシス【ウィザード】になれば【魔力術】貰えるんだよね?)
《はい、他にも既に転職可能となっております【ソードマン】に転職しますと【剣術】が習得となります》
魔法使って俺TUEもやって見たいけど、剣スキルも溜まってるし【剣術】欲しいのもある。
(あっ、そういえばテイマーにもなれたんだよね確か)
モンスターを従えて後方で戦うのもいいねー。
しかし、せっかく【忍者】になれたんだしこれを活かしたい物だ。
(教えてユイペディア~、次のオススメのジョブはなに?)
自分で言ってなんだけど恥ずかしい。
《忍者の後ですか? クレリックの後でしょうか?》
(ごめんごめん、え~とクレリックの後で、忍者はまだ先の事だし)
《上位ジョブを目指すのであれば【ソードマン】【ウィザード】何方でも極めれば上位ジョブの条件を満たします》
ユイシスの次のジョブは何方を選んでも【術】が手に入り、上位ジョブも出てくるとはラッキーな結果だった。
(ユイシス、ちなみにどんなジョブが……。いや後のお楽しみにしとこう、チミっ子も言ってたし)
その方が出た時の感動も増えるだろうし。
上位ジョブだから失敗の選択はまず無いだろうと思いネタバレを抑えた。
(えっーと、ちなみにどっちのジョブがオススメだけ教えてくれないかな?)
《【ウィザード】をオススメします、習得済みのスキル〈忍術〉はスキルですがMPを消化します。魔力の底上げの為に【魔力術】を習得して下さい》
そう、今迄のスキルはMPもを消化することは無かったが〈忍術〉は消化してるのだ。
例えMPが180まで増えた今としてもMPが切れたら意味がない。
(そう言えば、あのスキルってMPどれくらい消化するんだろう?)
眠ったおかげでMPは回復している、1つ試す事にしてみた。
「忍術=風刀」
窓も開いていない部屋の中に手の中から風音が鳴り響く。
夜中にこれは五月蝿いので慌てて直ぐに解除する事にした。
(焦った、前は外でやったから音の事とか気にしなかったからな。さてさてMPはどうなったかな)
スキルを使用後、ステータス画面をもう一度出してMPの消耗を確認してみる。
MP______:160。
確認してみると20のMP消耗をが確認できた。
〈MP消費軽減〉スキルが無かったらもっと燃費が悪い物だったのだろう。
そして、思った。
(考えたら聞けばいいんだ……。ユイシス忍術の風弾のMPの消耗はいくつかな?)
《はい、同じくMPの消耗は20となります》
解らないことは直ぐに聞く事。
会社の新入社員の時に仕事場で真っ先に教わった事だ。
若返ったせいか素で忘れてたのかは別として、ホウレンソウこれ大事ね。
後1つ、先程ユイシスが〈ヒール〉のレベルが上がるって教えてくれてた事を思い出した。
最後また寝る前に上げてしまう事に。
「ヒール、ヒール、ヒール」
《経験により〈ヒールLv4〉〈魔力増加Lv2〉となりました》
2日かけてやっと〈ヒール〉のレベルも上がった、おまけだが〈魔力増加〉スキルも上がったのが更に嬉しかった。
今後、遠距離での戦略が更に増えていくが接近戦も必要だ、今迄の戦いを思い出しながら考えてみた。
ゴブリン数匹、オーク数匹、キラービー数百匹と偶然だろうが段々と数が多くなっていってる気がする。
広く攻撃したい時に矢の〈連射〉スキルでは追いつかないかもしれない。
(ねぇ、ユイシス、昼間みたいに数百のモンスターを相手にする時のために、敵を一掃する魔法とかスキルは無いのかな)
《御座います》
(あ~、やっぱあるんだ)
《そのスキルを習得するには、最短で3つのジョブを極める必要があります》
最短でそれなのか……。
ユイシスのジョブに関するアドバイスは確実に信頼はできる。
しかし、今は最短よりオススメのジョブを優先しよう。【忍者】の様に〈偽造職〉みたいな便利なスキルが手に入るかもしれないのだから。
「はぁあ~」
大きなアクビが出てきた、そう言えばまだ夜中だよな、もう少し寝よう……。
部屋の灯りを消して、また寝る事にした。
「あっ、そう言えば武道大会に出ろって言われたんだ……。ふ~、起きてから考えよう……」
瞼を閉じると、スッと力も抜けて眠りに落ちていった……。
次の日の朝。
いい事があればその逆も起こるもの。
バタン!
「朝ニャ! ミツ起きるニャ!」
「う……うっ……」
日の出と共に猫耳少女が朝起こしに来る、人生で一度は経験してみたくはないか?
今正に自分はその経験をしているんだよ。
「早く起きるニャ!」
「もっ、もう少し寝かせて……」
夜中変な時間に起きたのが駄目だったんだろう、かなり起きるのが辛い。
例えるなら夜遅くまでゲームをして次の日の朝の気分だ、その時は昼間で結局寝てたけど。
「昼にはギルドに行くニャ、準備とかしてたら直に時間が来るニャ」
学校や部活に遅れると言って、妹キャラや幼馴染キャラが朝起こしに来るのはデフォルトだ。
(時計もないこの世界になんで時間なんてわかるんだよ、眠くて考えるのも面倒くさい)
「起・き・る・ニャ!」
ガバッ!
勢い良く剥がされる毛布。
朝の男を知らない少女は、目の前に突きつけられる現実に初めて男を知る事になった。
「……ニャ!」
「もう少し寝かせ……」
「ニャニャニャ!」
「ん?……。あっ……」
「ニャー!」
バチン!
漫画やアニメで見た事あるがそんな事ないわ~、とか言っていたあの頃の自分よ、現実に起きた事を頬の手形と共にここに記そう。
「理不尽だ……」
「プルン、ミツさんに誤りなさい!」
「ふん! 女にあんニャ物見せるからニャ!」
「自然現象なんだから仕方ないだろ……」
油断していた自分も悪いが、いきなりビンタもスキルは反応できなかった。
「ネーネなに?」
「ミミは知らなくていいニャ!」
「え~」
「ごめんなさいねミツさん、プルンも悪い子じゃ無いんだけど」
「いえいえ、こっちこそ朝からすみません」
「そうニャ、謝るのはミツの方ニャ!」
「プルン!」
「フン!」
「プルン姉また怒られてる」
「また~」
「ネーネめ~」
朝食も終り、あれこれと教会のお手伝いをしてると、プルンから声がかかってきた。
「……ミツ、そろそろ行くニャ」
「あっ、そうだね、ギルドに行こうか」
「二人とも気をつけてね」
「今日は話だけニャ」
「依頼は受けないの?」
「今日はそんな気分になれないニャ」
「そうですか~」
朝の事また引きずってるのか、活発な子でもやっぱり女の子なんだな。
「行ってらっしゃい」
「「「いってらっしゃ~い」」」
「ニャ」
「行ってきます」
13
お気に入りに追加
779
あなたにおすすめの小説

お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~
裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】
宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。
異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。
元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。
そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。
大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。
持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。
※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)
屯神 焔
ファンタジー
魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』
この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。
しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。
正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。
そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。
父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。
そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。
そんなある日。
『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』
「・・・・・・え?」
祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。
「祠が消えた?」
彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。
「ま、いっか。」
この日から、彼の生活は一変する。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?
あくの
ファンタジー
15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。
加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。
また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。
長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。
リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる