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第十六章 義時と真子の挙式 ~純白のドレスと運動靴!?~
第十六章 義時と真子の挙式 ~純白のドレスと運動靴!?~ ①
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(ここでは、第十四章㉑と
時間枠が一致するので、
交互に読まれることをすすめる)
6月24日。土曜日。
新郎の栄義時、23歳。
新婦の柳沼真子も23歳。
小学生時代の事件を元に引き離され、
完全に分離されていた2人は、この日、
多くの招待客の祝福の言葉の中で、
結ばれた。
新郎の義時も新婦の真子も泣かずには
いられなかった……というより、
大号泣だった。
そして、その涙の連鎖は、披露宴会場
全体に広がっていく…。
感動と幸せの波として……。
式場、披露宴会場ともに、千葉県の
幕張の海を見渡せるSDGホテルリゾート
TOKYO・幕張タワー。
全国展開のSDGホテルズグループを
代表する超高層超高級リゾートホテルだ。
その最上階、まさに、天空とも言うべき、
チャペル。
その中央を2人は歩んでいた。
左右から祝福の言葉が飛び交う。
どの面々も笑顔でいっぱいだ……、
緊張MAXの新郎新婦を除けば。
その新郎新婦の前には、司式者の
小滝英明牧師が、ガウン姿で立って
いる。
緊張でいっぱいになっている若い2人
を優しい笑顔で包み込む。
実は、式の数時間前、義時は、一人だけ
小滝牧師に呼ばれた。
優しさと柔和さに溢れる声で、牧師は
手招きしたのだ。
「義時君。ちょっと……。君だけで、
来てくれるかな?」と。
真子にも声をかけようとしていたので、
義時は一瞬意外に思った。
だが、司式者が言うのだから、素直に
従う。
義時は、小滝牧師について、司式者
控室に入った。
小滝牧師は、控室の扉の鍵をかけ、
そして、義時に向き直り、力強く
言ったものだ……。
「義時君!君も、今日から、
夫ですよ!!
もう独り者じゃない。
これからは、妻を養わないといけない。
責任も負担も苦労も今までの倍、
いや、何十倍も大きくなるでしょう。
それでね、式の前に、君に、教えて
おきたいことがあるんですよ」。
そう言って、小滝牧師は、じっと
義時の目を見つめた。
何を言われるのか……。
緊張する新郎。
そんな義時に、小滝牧師は、話し……
いや、説きだした。
「義時君!
夫たるもの、まずね、妻をやる気にさせ、
そして、妻を養い、それから、適時ね、
妻を休ませてあげるんですよ。
分かります!?
これ、大事です!
これこそ、私が名付けた、
『妻への3本の矢』なんです。
分かりましたか?」。
分かったような、
分からないような……。
ポカンとする義時。
その義時の表情を見てから、
小滝牧師は続けた。
「『3本の矢』ですよ!あの毛利元就の
有名な逸話話あるでしょ。
それに、引っ掛けて、私がね、前に
考えたんですよ。
それでね、いつも、こうやって、式の
前に、新郎だけを呼んで、伝授して
あげてるんですけどねぇ……。
良いですか?
順番が大事なんですよ。
まず、『妻をやる気にさせ』、です。
夫たるものね、妻が家事をしたくなる
ように、夫に尽くしたくなるように、
させるんです!
頼んでイヤイヤやらせるとか、
妻に惰性で家事とかやらすようじゃ、
夫失格だね。
で、次は、『妻を養い』だ。
やる気になった妻が自発的に家の中で
動いてくれるから、夫である君は、
安心して、家の外で稼いで、稼ぎまくり、
妻子を養えば良いの!
まぁ、男尊女卑とか言われて、一部の
女性から怒られそうだけどね、これは、
あくまで、私個人の持論として聞いて
ほしいねぇ。
それで、最後!
最後に『妻を休ませる』。
夫は稼ぎ、妻は家で動き、それぞれが、
務めを果たす。
で、たまには、夫たるものね、妻を
休ませてあげるの。
子育てや家事もフルに引き受ける日を
月に1日だけでも良いから夫が作って
あげて、妻を完全に休ませてあげる…。
あッ!これね、多すぎちゃダメよ!
多すぎると、妻が甘えて、夫が単なる
『家奴隷』になるから……。
まぁ、こんな感じにやってたらね、
今どきハヤリの熟年離婚とかの
恐れは、ないですよ!!」。
義時は、何となく分かったような
気がした。
いや、言いたいことは理解できたが、
牧師が、こんなこと言って良いのか
とも思った。
「先生も自分で言ったけど、
一部の女性が、怒りそうだなぁ。
ってか、これは、新婦側には確かに
聞かせられないな……」。
と、義時が思っていると、
さらに、小滝牧師が、『衝撃発言』を
続けてきた!!
正直、耳を疑った。
目が飛び出そうになった。
自分は、夢を見ているのかと、思った。
小滝牧師は力説したのだった。
義時が、絶対に真子には聞かせられ
ないな……と判断する内容のこと、を。
詳細は、以下の通りだ。
「義時君。
もう一つ。
この私が作った『妻への3本の矢』は、
もう一つ別の意味、『隠し手』が、
あるんですよ。
知りたいですか?」
と、訊くも……、義時の返事を待たず
に、小滝牧師は、話し出した。
何のための質問だったんだろう……?
「良いでしょう。では、特別にお教え
しましょう!
夫たるものはですね、夜の夫婦の営みに
関してもね、『妻をやる気にさせ』
ナイト……って、洒落てるわけじゃ
ないですよ?
あ、分かりました?
分からない?
あぁ、ここで笑ってほしかったなぁ。
まぁ、良いでしょう。続けますよ」。
衝撃で空いた口が塞がらない&牧師の
洒落はなんとなく分かったけど、頭が
追いつかなくて笑えなかった義時を
無視して、小滝牧師は、どんどんと
説き続ける。
「あのねぇ、夫の方がね、奥さんを
ベッドに誘うなんて、私から言わせ
りゃ、失格ですよ!
『妻をやる気にさせ』て、妻の方から
『ねぇ、あなた』って言わせる位の
体力、精力が必要です。
鍛えてくださいよ、これから!
そして、『妻を養い』ですね。
あなたが満足して、それで、
『ハイ、終わり』な夜の時間じゃ
ダメですよ!
妻を養う、つまり、妻を『その夜の
時間』で満足させ、憩わせ、悦ばせ
てあげるんです。
そして、最後に、『妻を休ませる』。
夫婦の営みが終って、妻が、
すぐに立ち上がって、トイレやら
シャワー浴びに、スタスタと
歩いて行くようじゃ、夫として、
まだまだってことです。
コトを終えて、妻がグッタリして、
そのまま寝入ってしまうほどの快感、
激しさを味わわせてあげナイト!」。
義時は、今度も、分かったけれど、
笑えなかった。
衝撃で、固まる。
顔がカーッと赤くなっているのは、
分かった。
そして、今、同じホテルの中のどこかに
いる真子のことを思った。
「いなくて良かったぁ」と、本気で、
心の底から……!
呆然と突っ立っている新郎に、
小滝牧師は、
「じゃあ、またあとで、チャペルで。
大丈夫!
リラックスして、力抜いて、
入場すれば良いんですよ」と言って、
出て行った。
いや無理です、今の話聞いてしまって
それどころじゃ……。
扉を閉めながら小滝牧師が、
「最後も笑ってくれなかったかぁ」
と残念そうに言っているのが聞こえ
てきた……。
数分後……。
義時は、一人、控室で座っていた。
何だか、時間が経つにつれ、
牧師の話のおかげで逆にリラックス
しだしている自分がいる…。
後半はともかく、前半は良かった、
内容が。
なので、義時は、携帯のメモ機能
を使うことにした。
で、後半の内容も思い出す。
また、顔が赤くなるのが、分かる。
未だ知らぬ生涯の伴侶の裸体、
そして、彼女との『夜の営み』の
時間を想像して、さらに、全身が
熱くなる。
男性特有の生理的現象が起こりかけ
ているのが、当然、自分で、分かる。
「ヤバい……」と思って、すぐに、
立ち上がった。
こんなところに、真子や母親、もしくは、
義姉、姪、従妹たちが入ってきたら最悪だ
……。
こんな型破り、破天荒な人……では
あったけど、義時は、司式をしてくれる
小滝牧師を尊敬していた。
牧師との出会いは、母の紹介だった。
「結婚式なら、あの先生が良いわ!
絶対に、素晴らしい式になる」と、
母・定美が言った。
その先生のいる教会を教えてもらい、
真子と一緒に、2月に会いに行った。
明るくて、ユーモアセンス抜群で、
それでいて気配りもできて、
そして、言うべきことはズバズバと言う
性格。
義時のこれまでの『牧師像』が、
一瞬で崩れた。
正直、「この人、本当に、牧師?」とも
思った。
だが、教会を出る時には、
「小滝先生にお願いしよう」と決めて
いた。
確認すると、真子も同意見だった。
以降、義時と真子は、計7回の
『ウエディング・セミナー』に
通うことになった。
これを2人で受講するのが、小滝牧師が
出した司式の条件だった。
『ウエディング・セミナー』に通い
出して、分かったこと。
自分たち以外にも、たくさんのカップル
が来ていた。
つまり、小滝牧師は、かなり有名で、
知名度のある人で、多くのカップルに司式
を頼まれる、そして、今までに何百という
男女の結婚式を司式してきた、
『超重鎮牧師』らしい……。
正直、「えッ?この人が……。
そんな人には、見えないけど」と、
義時は思った、内心。
で、その『ウェディング・セミナー』
の内容といえば、さっきも言ったように
全7回で、結婚の意味から始まり、
夫婦関係の構築方法等、色々なことを
学んだ。
義時にとっては、初めて聞くような話
ばっかりだった。
正直、退屈だった。
周りのカップルの男性陣を見ると、
同じ感じだった。
でも、隣の真子は、周りの女性陣
同様、いつも真剣な表情で話を聞き、
しっかりとメモを取り、時に最高の
笑顔で笑っていて、それに、見とれて
しまう、義時だった……。
(著作権は、篠原元にあります)
時間枠が一致するので、
交互に読まれることをすすめる)
6月24日。土曜日。
新郎の栄義時、23歳。
新婦の柳沼真子も23歳。
小学生時代の事件を元に引き離され、
完全に分離されていた2人は、この日、
多くの招待客の祝福の言葉の中で、
結ばれた。
新郎の義時も新婦の真子も泣かずには
いられなかった……というより、
大号泣だった。
そして、その涙の連鎖は、披露宴会場
全体に広がっていく…。
感動と幸せの波として……。
式場、披露宴会場ともに、千葉県の
幕張の海を見渡せるSDGホテルリゾート
TOKYO・幕張タワー。
全国展開のSDGホテルズグループを
代表する超高層超高級リゾートホテルだ。
その最上階、まさに、天空とも言うべき、
チャペル。
その中央を2人は歩んでいた。
左右から祝福の言葉が飛び交う。
どの面々も笑顔でいっぱいだ……、
緊張MAXの新郎新婦を除けば。
その新郎新婦の前には、司式者の
小滝英明牧師が、ガウン姿で立って
いる。
緊張でいっぱいになっている若い2人
を優しい笑顔で包み込む。
実は、式の数時間前、義時は、一人だけ
小滝牧師に呼ばれた。
優しさと柔和さに溢れる声で、牧師は
手招きしたのだ。
「義時君。ちょっと……。君だけで、
来てくれるかな?」と。
真子にも声をかけようとしていたので、
義時は一瞬意外に思った。
だが、司式者が言うのだから、素直に
従う。
義時は、小滝牧師について、司式者
控室に入った。
小滝牧師は、控室の扉の鍵をかけ、
そして、義時に向き直り、力強く
言ったものだ……。
「義時君!君も、今日から、
夫ですよ!!
もう独り者じゃない。
これからは、妻を養わないといけない。
責任も負担も苦労も今までの倍、
いや、何十倍も大きくなるでしょう。
それでね、式の前に、君に、教えて
おきたいことがあるんですよ」。
そう言って、小滝牧師は、じっと
義時の目を見つめた。
何を言われるのか……。
緊張する新郎。
そんな義時に、小滝牧師は、話し……
いや、説きだした。
「義時君!
夫たるもの、まずね、妻をやる気にさせ、
そして、妻を養い、それから、適時ね、
妻を休ませてあげるんですよ。
分かります!?
これ、大事です!
これこそ、私が名付けた、
『妻への3本の矢』なんです。
分かりましたか?」。
分かったような、
分からないような……。
ポカンとする義時。
その義時の表情を見てから、
小滝牧師は続けた。
「『3本の矢』ですよ!あの毛利元就の
有名な逸話話あるでしょ。
それに、引っ掛けて、私がね、前に
考えたんですよ。
それでね、いつも、こうやって、式の
前に、新郎だけを呼んで、伝授して
あげてるんですけどねぇ……。
良いですか?
順番が大事なんですよ。
まず、『妻をやる気にさせ』、です。
夫たるものね、妻が家事をしたくなる
ように、夫に尽くしたくなるように、
させるんです!
頼んでイヤイヤやらせるとか、
妻に惰性で家事とかやらすようじゃ、
夫失格だね。
で、次は、『妻を養い』だ。
やる気になった妻が自発的に家の中で
動いてくれるから、夫である君は、
安心して、家の外で稼いで、稼ぎまくり、
妻子を養えば良いの!
まぁ、男尊女卑とか言われて、一部の
女性から怒られそうだけどね、これは、
あくまで、私個人の持論として聞いて
ほしいねぇ。
それで、最後!
最後に『妻を休ませる』。
夫は稼ぎ、妻は家で動き、それぞれが、
務めを果たす。
で、たまには、夫たるものね、妻を
休ませてあげるの。
子育てや家事もフルに引き受ける日を
月に1日だけでも良いから夫が作って
あげて、妻を完全に休ませてあげる…。
あッ!これね、多すぎちゃダメよ!
多すぎると、妻が甘えて、夫が単なる
『家奴隷』になるから……。
まぁ、こんな感じにやってたらね、
今どきハヤリの熟年離婚とかの
恐れは、ないですよ!!」。
義時は、何となく分かったような
気がした。
いや、言いたいことは理解できたが、
牧師が、こんなこと言って良いのか
とも思った。
「先生も自分で言ったけど、
一部の女性が、怒りそうだなぁ。
ってか、これは、新婦側には確かに
聞かせられないな……」。
と、義時が思っていると、
さらに、小滝牧師が、『衝撃発言』を
続けてきた!!
正直、耳を疑った。
目が飛び出そうになった。
自分は、夢を見ているのかと、思った。
小滝牧師は力説したのだった。
義時が、絶対に真子には聞かせられ
ないな……と判断する内容のこと、を。
詳細は、以下の通りだ。
「義時君。
もう一つ。
この私が作った『妻への3本の矢』は、
もう一つ別の意味、『隠し手』が、
あるんですよ。
知りたいですか?」
と、訊くも……、義時の返事を待たず
に、小滝牧師は、話し出した。
何のための質問だったんだろう……?
「良いでしょう。では、特別にお教え
しましょう!
夫たるものはですね、夜の夫婦の営みに
関してもね、『妻をやる気にさせ』
ナイト……って、洒落てるわけじゃ
ないですよ?
あ、分かりました?
分からない?
あぁ、ここで笑ってほしかったなぁ。
まぁ、良いでしょう。続けますよ」。
衝撃で空いた口が塞がらない&牧師の
洒落はなんとなく分かったけど、頭が
追いつかなくて笑えなかった義時を
無視して、小滝牧師は、どんどんと
説き続ける。
「あのねぇ、夫の方がね、奥さんを
ベッドに誘うなんて、私から言わせ
りゃ、失格ですよ!
『妻をやる気にさせ』て、妻の方から
『ねぇ、あなた』って言わせる位の
体力、精力が必要です。
鍛えてくださいよ、これから!
そして、『妻を養い』ですね。
あなたが満足して、それで、
『ハイ、終わり』な夜の時間じゃ
ダメですよ!
妻を養う、つまり、妻を『その夜の
時間』で満足させ、憩わせ、悦ばせ
てあげるんです。
そして、最後に、『妻を休ませる』。
夫婦の営みが終って、妻が、
すぐに立ち上がって、トイレやら
シャワー浴びに、スタスタと
歩いて行くようじゃ、夫として、
まだまだってことです。
コトを終えて、妻がグッタリして、
そのまま寝入ってしまうほどの快感、
激しさを味わわせてあげナイト!」。
義時は、今度も、分かったけれど、
笑えなかった。
衝撃で、固まる。
顔がカーッと赤くなっているのは、
分かった。
そして、今、同じホテルの中のどこかに
いる真子のことを思った。
「いなくて良かったぁ」と、本気で、
心の底から……!
呆然と突っ立っている新郎に、
小滝牧師は、
「じゃあ、またあとで、チャペルで。
大丈夫!
リラックスして、力抜いて、
入場すれば良いんですよ」と言って、
出て行った。
いや無理です、今の話聞いてしまって
それどころじゃ……。
扉を閉めながら小滝牧師が、
「最後も笑ってくれなかったかぁ」
と残念そうに言っているのが聞こえ
てきた……。
数分後……。
義時は、一人、控室で座っていた。
何だか、時間が経つにつれ、
牧師の話のおかげで逆にリラックス
しだしている自分がいる…。
後半はともかく、前半は良かった、
内容が。
なので、義時は、携帯のメモ機能
を使うことにした。
で、後半の内容も思い出す。
また、顔が赤くなるのが、分かる。
未だ知らぬ生涯の伴侶の裸体、
そして、彼女との『夜の営み』の
時間を想像して、さらに、全身が
熱くなる。
男性特有の生理的現象が起こりかけ
ているのが、当然、自分で、分かる。
「ヤバい……」と思って、すぐに、
立ち上がった。
こんなところに、真子や母親、もしくは、
義姉、姪、従妹たちが入ってきたら最悪だ
……。
こんな型破り、破天荒な人……では
あったけど、義時は、司式をしてくれる
小滝牧師を尊敬していた。
牧師との出会いは、母の紹介だった。
「結婚式なら、あの先生が良いわ!
絶対に、素晴らしい式になる」と、
母・定美が言った。
その先生のいる教会を教えてもらい、
真子と一緒に、2月に会いに行った。
明るくて、ユーモアセンス抜群で、
それでいて気配りもできて、
そして、言うべきことはズバズバと言う
性格。
義時のこれまでの『牧師像』が、
一瞬で崩れた。
正直、「この人、本当に、牧師?」とも
思った。
だが、教会を出る時には、
「小滝先生にお願いしよう」と決めて
いた。
確認すると、真子も同意見だった。
以降、義時と真子は、計7回の
『ウエディング・セミナー』に
通うことになった。
これを2人で受講するのが、小滝牧師が
出した司式の条件だった。
『ウエディング・セミナー』に通い
出して、分かったこと。
自分たち以外にも、たくさんのカップル
が来ていた。
つまり、小滝牧師は、かなり有名で、
知名度のある人で、多くのカップルに司式
を頼まれる、そして、今までに何百という
男女の結婚式を司式してきた、
『超重鎮牧師』らしい……。
正直、「えッ?この人が……。
そんな人には、見えないけど」と、
義時は思った、内心。
で、その『ウェディング・セミナー』
の内容といえば、さっきも言ったように
全7回で、結婚の意味から始まり、
夫婦関係の構築方法等、色々なことを
学んだ。
義時にとっては、初めて聞くような話
ばっかりだった。
正直、退屈だった。
周りのカップルの男性陣を見ると、
同じ感じだった。
でも、隣の真子は、周りの女性陣
同様、いつも真剣な表情で話を聞き、
しっかりとメモを取り、時に最高の
笑顔で笑っていて、それに、見とれて
しまう、義時だった……。
(著作権は、篠原元にあります)
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