117 / 278
第十四章 人生の春冬劇 ~関東で暴かれてくる秘密~
第十四章 ⑭
しおりを挟む
そう。
どっちに転んでも良いように、だ。
次男が連れて来る女性が、長男の嫁から
聞いた評価とは違って、良い人ならば、
彼女のためにも、夫が予約していて、
しかも、担当者にもわざわざ連絡して
いるようなホテルのレストランは、
絶対にダメ!
そして、その次男の連れて来た女性が、
嫁の言う通りだったら、絶対に、ホテル
関係者に見られない方が、良い。
夫とホテルの担当者たちとの今後の関係
のためにも。
義時の母は、このように、考えていた。
…時は遡り、前の年の12月29日…
超多忙だった。
猫だけじゃなく、ラクダでも、ロバでも
とにかく手を借りたい!!
理由は、簡単だ。
毎年決まって、この時期は、帰省で
戻って来た家族連れや年末を地元で過ごす
家族連れやグループ客が、押し寄せる
のだから……。
オープンからクローズまで、客足は絶え
ない。
で、そうなると分かっているのに、当然、
知っているのに……、あの世間知らずの
ボンボン・義弟の義時が、休みやがった!
だから……。
その日、栄家の嫁・そして、社長夫人の
美織は、心底イラついていた。
「当然でしょ!!」と何度も呟く。
こんなに忙しい時に、デートかよ!?
しかも……。
「アイツ……!役員レベルの給料もらい
ながら、こんな日に、わざわざ休む?
こっちは、パート扱いなのに!!
喧嘩、売ってんのか!?
あの野郎、叩き切ってやろうかッ!」。
怒りが、フツフツと湧き上がる。
本気で、自宅に置いてある竹刀を、
今度持ってこよう、と思う。
で、しかも!!
バイトの子が、教えてくれた。
その張本人の御坊ちゃまさんが、なんと、
「キレイな女の人を連れて
来られましたよ」だと!?
はッ、ザケんな!!!
こちとら、朝から、ずっと働きづくめで、
お湯に浮いたオムツを取り除いたり、
酒に酔った連中の『事案』を処理して
たんだよ、テメェが、女とイチャイチャ
してる時間にな!
美織の怒りは、MAXに達した!
仮に、竹刀があったら、手に取って、
飛んで行っていたことだろう……。
周りの従業員の目がある。
だから、表情は変えないように、する。
社長夫人も大変だ。
あのクソ坊ちゃまは、まぁ、こんな日に、
休めるんだから余裕で、楽なんだろう
けどね…。
だが!!
そんな自分をよそに、夫は、事務所に
ノコノコと入ってきやがったヤツに、
「とうとうお前もかぁ!
美人かぁ!?
会わせろよ!後で、挨拶しに行くからな。
…うん。美織と行くから、後で」と
ほざく!
本気で、喜んでる。
で、兄弟二人で、声を上げて笑う。
はぁ?
「オイオイ。なんで、こんな日に休み
やがった、コイツとヘラヘラ笑って
られんだよ!!」、美織は、さらに、
怒りがMAXを超えるのを感じた。
美織は、義弟に対し、殺意を憶えた。
そして、義弟の肩を叩く、夫にも
腸が煮えかえる。
「そこの社長さんよぉ!!
何が、そんなに嬉しいんだよ!?
こっちは、年末も休みなく、文字通り
汗水流してやってんのによぉ!
わずかなパート代だけで!!
そんなのに、ちっとも、ねぎらいの言葉
もなくて、で、こんな一年で一番忙しい
日にデート理由で休んで、女とイチャ
イチャしているバカ弟には良い顔して
やがんのかなよ!!
この釣った魚には餌も何もナシの中年
野郎!!」と、叫んでしまった!!
だが、心の中でだけど……。
とりあえず、今はね……。
後で家に帰ったら、容赦しない、
美織は決めた。
で、しばらくして、猫の手も借りたい
ほど忙しいってのに、夫に呼ばれた。
「行くぞ」と。
どこに……、とは問わない。
どこに行くのか、分かっているから。
当然、行きたくないし、年末勤務の
こちとらとは違って、年末にデートできる
良いご身分の義弟と、そのクソと一緒に
遊んで、わざわざ、ここまで来ると言う
厚かましい雌豚の顔なんか、見たくも
ない!!
でも、義弟と夫は、若い女にホイホイ
やられてしまうから……。
自分が、ちゃんと、その女狐を見抜いて
やらないと……。
美織は、重い腰を上げた。
「見ての通り、手が足りない状態なんだ
から、絶対に、一分よ!」と言って……。
そして、奴等のとこに行って、驚いた。
もう開いた口が塞がらないって、こんな
時のこと言うんだな……。
「結婚を前提に付き合っている」……!?
はッ、バッカじゃねぇの、義時!
ザケんな、この風俗女がッ!!
美織は、義弟への怒りを忘れた。
その怒りより、目の前にいる、化粧の濃い
義弟を誑かしている女に対して、怒りが
燃え上がったのだ。
「義時を騙して、いろいろ貢がせようって
魂胆だろ、こいつ……」。
絶対に、一言もしゃべりたくない!
もう、見ただけで、分かるだろ、普通。
まぁ、男は分かんないかなぁ。
実際、義時、この女に惚れこんでるし…。
夫と義弟と、その女が話している間、
美織は、ただ立ったまま、そこにいた。
自分も、話す-社交辞令を言う-つもりは
サラサラない!
ただ、観察した。
「100%、今まで、何人もの男を誑かして
きたクソ。
男を手玉にとって生きる女。
金のためなら誰とでもホイホイ寝る
ような尻軽。
義時に目をつけたのも、お義父さんたちの
財産目的でしょ、絶対」
確かに、半分は、その通りだ。
美織の観察眼おそるべし。
美織は、悔しかった。
「ここが、うちじゃなければ!
どっかのレストランとかだったら、
この男共の前で、このクソ女を論破できる
って言うのに!!
で、『2度と、うちの義弟に近寄るな、
2度と、うちの湯に入りに来るな!』って
怒鳴って、追い出すのにぃ!!」
でも、実際は、周りは、『お客様』で
いっぱいだ。
ここで、騒ぎを起こすなんて、ありえない。
美織は、頭が痛くなった。
調子よく、義弟と夫に、話を合わす女。
媚びうっているのが見え見え!
でも、この男共は気づかない!!
しかも、鼻の下を伸ばしている、夫。
「フン。説教だけで勘弁してあげようと
思ってたけど……。
竹刀の打ち込みの相手させよ!」、そう、
決めた。
フフフ…、今夜が楽しみだわ。
熱い夜になりそうね。
絶対に、寝かせない…(痛みで)。
その女の前から引き上げてきて、
美織は、作業に戻った。
だが、集中できない。
当然だ。
全部、あの『栄家の財産目当てのクソ女』
のせいだ!
怒りが燃える。
そして、同時に、義弟が哀れに思えた。
夜の女に騙されちゃってる、義弟……。
素直で、優しくて、最近の趣味はカメラ。
健全な青年だったのに……。
どこで、あんな女狐と出会っちゃたワケ?
まぁ、出会ったが最後、一瞬で、
『カモ認定』されたんだろうなぁ。
えッ?ってことは、もしかして、あんな
義時でも、そういう夜の店に行ったって
こと……?!
「ちょっと、落ち着こう」、美織は、
自分に言い聞かす。
でも、簡単には、落ち着けない。
「あの雌豚が……!!」
こっちは……。
私は…‥、そう、自分は、栄の家に嫁いで
来てから、誠心誠意、夫に仕え、子どもを
育て、それだけでなく、家業の方も助けて
いる……。
結婚直後は、よく行ったなぁ。
あの海辺に……、逃げたんだ…。
「なんで、私だけ、こんなに苦しむの?!
こんなに、頑張ってんのに!」と泣いた。
それと、よく、「あのクソ野郎ォ!!
無理難題ばっか押し付けやがって!!」と
叫んで、義父をイメージしながら、竹刀を
振ってったけ……。
あれ、今思えば、海辺で、若い女が、
ワーワー叫んだり、泣きながら、竹刀を
振りかざしてんだから……、異様だった
ろうなぁ。
よく、通報されなかったなぁ。
でも、それくらい、「もう、実家に戻り
たい!」と思うことが、多かったわけだ。
それでも、耐えて、ここまでやって来た。
そして、今も、真面目に、家に、家業に
尽くしている……。
でも……、義弟が連れて来た、アイツ!
どっからどう見ても、『夜の女』だろ!
こちとら、朝晩、汗水流して、いや、
それこそ涙も流して働いているって言う
のに……!
あの女は、酒飲んだり、キャーキャー
騒いで、男に貢がせてる。
しかも、義時に目をつけやがった…。
その日、帰宅してから、当然、美織は、
夫に言った。
「外に出て、あなた……」。
そして、自分のでない竹刀を夫の目の前に
放った……。
そして、栄夫妻は、その日、家の外で、
熱い夜を過ごした……。
まぁ、妻の方が、一方的に攻めて、
攻める感じで、なんと4回戦……!
もちろん、妻は、夫に、何もつけさせ
なかった……-防具を-。
で、最後、旦那の方が完全にへばって、
『夫婦の夜の闘い』は終わった。
美織は、せいせい、していた。
ソファーにダイビングして、そのまま
ピクリともしない夫は無視して、
風呂場に向かう。
気持ち良い、シャワー。
さっきまで、真っ暗な中、夫と一緒に、
叫びながら流した汗が、流れていく…
…。
「久しぶりにヤッたわぁ」と思う。
落ち着いた、美織は横になる前に
考えた。
「義時君も、本当に厄介なのに、
目つけられたなぁ。
まぁ、今度、お義父さんたちに会いに
行くとか言ってたから、お義父さん、
お義母さんが、ちゃんと見極めてくれて、
言ってくれるだろうけど……。
でも、念のため……」。
そして、美織は、姑へ、『報告』のメール
を打ち出した。
もちろん、姑。
怖い舅は、メールやらないし、正直、
あまり話したくない…。
(著作権は、篠原元にあります)
どっちに転んでも良いように、だ。
次男が連れて来る女性が、長男の嫁から
聞いた評価とは違って、良い人ならば、
彼女のためにも、夫が予約していて、
しかも、担当者にもわざわざ連絡して
いるようなホテルのレストランは、
絶対にダメ!
そして、その次男の連れて来た女性が、
嫁の言う通りだったら、絶対に、ホテル
関係者に見られない方が、良い。
夫とホテルの担当者たちとの今後の関係
のためにも。
義時の母は、このように、考えていた。
…時は遡り、前の年の12月29日…
超多忙だった。
猫だけじゃなく、ラクダでも、ロバでも
とにかく手を借りたい!!
理由は、簡単だ。
毎年決まって、この時期は、帰省で
戻って来た家族連れや年末を地元で過ごす
家族連れやグループ客が、押し寄せる
のだから……。
オープンからクローズまで、客足は絶え
ない。
で、そうなると分かっているのに、当然、
知っているのに……、あの世間知らずの
ボンボン・義弟の義時が、休みやがった!
だから……。
その日、栄家の嫁・そして、社長夫人の
美織は、心底イラついていた。
「当然でしょ!!」と何度も呟く。
こんなに忙しい時に、デートかよ!?
しかも……。
「アイツ……!役員レベルの給料もらい
ながら、こんな日に、わざわざ休む?
こっちは、パート扱いなのに!!
喧嘩、売ってんのか!?
あの野郎、叩き切ってやろうかッ!」。
怒りが、フツフツと湧き上がる。
本気で、自宅に置いてある竹刀を、
今度持ってこよう、と思う。
で、しかも!!
バイトの子が、教えてくれた。
その張本人の御坊ちゃまさんが、なんと、
「キレイな女の人を連れて
来られましたよ」だと!?
はッ、ザケんな!!!
こちとら、朝から、ずっと働きづくめで、
お湯に浮いたオムツを取り除いたり、
酒に酔った連中の『事案』を処理して
たんだよ、テメェが、女とイチャイチャ
してる時間にな!
美織の怒りは、MAXに達した!
仮に、竹刀があったら、手に取って、
飛んで行っていたことだろう……。
周りの従業員の目がある。
だから、表情は変えないように、する。
社長夫人も大変だ。
あのクソ坊ちゃまは、まぁ、こんな日に、
休めるんだから余裕で、楽なんだろう
けどね…。
だが!!
そんな自分をよそに、夫は、事務所に
ノコノコと入ってきやがったヤツに、
「とうとうお前もかぁ!
美人かぁ!?
会わせろよ!後で、挨拶しに行くからな。
…うん。美織と行くから、後で」と
ほざく!
本気で、喜んでる。
で、兄弟二人で、声を上げて笑う。
はぁ?
「オイオイ。なんで、こんな日に休み
やがった、コイツとヘラヘラ笑って
られんだよ!!」、美織は、さらに、
怒りがMAXを超えるのを感じた。
美織は、義弟に対し、殺意を憶えた。
そして、義弟の肩を叩く、夫にも
腸が煮えかえる。
「そこの社長さんよぉ!!
何が、そんなに嬉しいんだよ!?
こっちは、年末も休みなく、文字通り
汗水流してやってんのによぉ!
わずかなパート代だけで!!
そんなのに、ちっとも、ねぎらいの言葉
もなくて、で、こんな一年で一番忙しい
日にデート理由で休んで、女とイチャ
イチャしているバカ弟には良い顔して
やがんのかなよ!!
この釣った魚には餌も何もナシの中年
野郎!!」と、叫んでしまった!!
だが、心の中でだけど……。
とりあえず、今はね……。
後で家に帰ったら、容赦しない、
美織は決めた。
で、しばらくして、猫の手も借りたい
ほど忙しいってのに、夫に呼ばれた。
「行くぞ」と。
どこに……、とは問わない。
どこに行くのか、分かっているから。
当然、行きたくないし、年末勤務の
こちとらとは違って、年末にデートできる
良いご身分の義弟と、そのクソと一緒に
遊んで、わざわざ、ここまで来ると言う
厚かましい雌豚の顔なんか、見たくも
ない!!
でも、義弟と夫は、若い女にホイホイ
やられてしまうから……。
自分が、ちゃんと、その女狐を見抜いて
やらないと……。
美織は、重い腰を上げた。
「見ての通り、手が足りない状態なんだ
から、絶対に、一分よ!」と言って……。
そして、奴等のとこに行って、驚いた。
もう開いた口が塞がらないって、こんな
時のこと言うんだな……。
「結婚を前提に付き合っている」……!?
はッ、バッカじゃねぇの、義時!
ザケんな、この風俗女がッ!!
美織は、義弟への怒りを忘れた。
その怒りより、目の前にいる、化粧の濃い
義弟を誑かしている女に対して、怒りが
燃え上がったのだ。
「義時を騙して、いろいろ貢がせようって
魂胆だろ、こいつ……」。
絶対に、一言もしゃべりたくない!
もう、見ただけで、分かるだろ、普通。
まぁ、男は分かんないかなぁ。
実際、義時、この女に惚れこんでるし…。
夫と義弟と、その女が話している間、
美織は、ただ立ったまま、そこにいた。
自分も、話す-社交辞令を言う-つもりは
サラサラない!
ただ、観察した。
「100%、今まで、何人もの男を誑かして
きたクソ。
男を手玉にとって生きる女。
金のためなら誰とでもホイホイ寝る
ような尻軽。
義時に目をつけたのも、お義父さんたちの
財産目的でしょ、絶対」
確かに、半分は、その通りだ。
美織の観察眼おそるべし。
美織は、悔しかった。
「ここが、うちじゃなければ!
どっかのレストランとかだったら、
この男共の前で、このクソ女を論破できる
って言うのに!!
で、『2度と、うちの義弟に近寄るな、
2度と、うちの湯に入りに来るな!』って
怒鳴って、追い出すのにぃ!!」
でも、実際は、周りは、『お客様』で
いっぱいだ。
ここで、騒ぎを起こすなんて、ありえない。
美織は、頭が痛くなった。
調子よく、義弟と夫に、話を合わす女。
媚びうっているのが見え見え!
でも、この男共は気づかない!!
しかも、鼻の下を伸ばしている、夫。
「フン。説教だけで勘弁してあげようと
思ってたけど……。
竹刀の打ち込みの相手させよ!」、そう、
決めた。
フフフ…、今夜が楽しみだわ。
熱い夜になりそうね。
絶対に、寝かせない…(痛みで)。
その女の前から引き上げてきて、
美織は、作業に戻った。
だが、集中できない。
当然だ。
全部、あの『栄家の財産目当てのクソ女』
のせいだ!
怒りが燃える。
そして、同時に、義弟が哀れに思えた。
夜の女に騙されちゃってる、義弟……。
素直で、優しくて、最近の趣味はカメラ。
健全な青年だったのに……。
どこで、あんな女狐と出会っちゃたワケ?
まぁ、出会ったが最後、一瞬で、
『カモ認定』されたんだろうなぁ。
えッ?ってことは、もしかして、あんな
義時でも、そういう夜の店に行ったって
こと……?!
「ちょっと、落ち着こう」、美織は、
自分に言い聞かす。
でも、簡単には、落ち着けない。
「あの雌豚が……!!」
こっちは……。
私は…‥、そう、自分は、栄の家に嫁いで
来てから、誠心誠意、夫に仕え、子どもを
育て、それだけでなく、家業の方も助けて
いる……。
結婚直後は、よく行ったなぁ。
あの海辺に……、逃げたんだ…。
「なんで、私だけ、こんなに苦しむの?!
こんなに、頑張ってんのに!」と泣いた。
それと、よく、「あのクソ野郎ォ!!
無理難題ばっか押し付けやがって!!」と
叫んで、義父をイメージしながら、竹刀を
振ってったけ……。
あれ、今思えば、海辺で、若い女が、
ワーワー叫んだり、泣きながら、竹刀を
振りかざしてんだから……、異様だった
ろうなぁ。
よく、通報されなかったなぁ。
でも、それくらい、「もう、実家に戻り
たい!」と思うことが、多かったわけだ。
それでも、耐えて、ここまでやって来た。
そして、今も、真面目に、家に、家業に
尽くしている……。
でも……、義弟が連れて来た、アイツ!
どっからどう見ても、『夜の女』だろ!
こちとら、朝晩、汗水流して、いや、
それこそ涙も流して働いているって言う
のに……!
あの女は、酒飲んだり、キャーキャー
騒いで、男に貢がせてる。
しかも、義時に目をつけやがった…。
その日、帰宅してから、当然、美織は、
夫に言った。
「外に出て、あなた……」。
そして、自分のでない竹刀を夫の目の前に
放った……。
そして、栄夫妻は、その日、家の外で、
熱い夜を過ごした……。
まぁ、妻の方が、一方的に攻めて、
攻める感じで、なんと4回戦……!
もちろん、妻は、夫に、何もつけさせ
なかった……-防具を-。
で、最後、旦那の方が完全にへばって、
『夫婦の夜の闘い』は終わった。
美織は、せいせい、していた。
ソファーにダイビングして、そのまま
ピクリともしない夫は無視して、
風呂場に向かう。
気持ち良い、シャワー。
さっきまで、真っ暗な中、夫と一緒に、
叫びながら流した汗が、流れていく…
…。
「久しぶりにヤッたわぁ」と思う。
落ち着いた、美織は横になる前に
考えた。
「義時君も、本当に厄介なのに、
目つけられたなぁ。
まぁ、今度、お義父さんたちに会いに
行くとか言ってたから、お義父さん、
お義母さんが、ちゃんと見極めてくれて、
言ってくれるだろうけど……。
でも、念のため……」。
そして、美織は、姑へ、『報告』のメール
を打ち出した。
もちろん、姑。
怖い舅は、メールやらないし、正直、
あまり話したくない…。
(著作権は、篠原元にあります)
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
脅され彼女~可愛い女子の弱みを握ったので脅して彼女にしてみたが、健気すぎて幸せにしたいと思った~
みずがめ
青春
陰キャ男子が後輩の女子の弱みを握ってしまった。彼女いない歴=年齢の彼は後輩少女に彼女になってくれとお願いする。脅迫から生まれた恋人関係ではあったが、彼女はとても健気な女の子だった。
ゲス男子×健気女子のコンプレックスにまみれた、もしかしたら純愛になるかもしれないお話。
※この作品は別サイトにも掲載しています。
※表紙イラストは、あっきコタロウさんに描いていただきました。
冬の水葬
束原ミヤコ
青春
夕霧七瀬(ユウギリナナセ)は、一つ年上の幼なじみ、凪蓮水(ナギハスミ)が好き。
凪が高校生になってから疎遠になってしまっていたけれど、ずっと好きだった。
高校一年生になった夕霧は、凪と同じ高校に通えることを楽しみにしていた。
美術部の凪を追いかけて美術部に入り、気安い幼なじみの間柄に戻ることができたと思っていた――
けれど、そのときにはすでに、凪の心には消えない傷ができてしまっていた。
ある女性に捕らわれた凪と、それを追いかける夕霧の、繰り返す冬の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる