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序章 はじまり ~柳沼真子の告白~
序章 ④
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だって、今話題の超有名店
〔手々・LOSS・たいむ〕(シュシュロスタイム)です。
男性の皆さんや知らない方に
説明させてください。
最近、雑誌やテレビで、たくさん
取り上げられている女性専用の
超高級会員制エステティックサロン
です。
まず第一に、オールハンド、次に、世界各地
から取り寄せた天然オイル、それから、
イスラエルの死海の泥を使った泥パックが、
ここの特徴であり、売りです!
タレントの竹木原いつきさん、
女の子に大人気のモデルAYANEさん、
そして、若手清純派女優の加納日心さんが、
よく訪れると言うことでも知られています。
まさに、日本の10代、20代の女子の
憧れのお店です!
私の故郷の愛媛県出身で、
今や国民的大女優である〔あいのん〕こと、
愛川のり子さんが、
頻繁に、「自分へのご褒美。」と言うことで
、訪れていると雑誌で紹介されて、さらに
『時のお店』になりました。
これが、1か月位前でしょうか……。
とにかく、私には手が届かない、
一生縁がないお店だと、諦めていたのです。
それほど、一番安いコースでも目が飛び出るほどの額‼
それに、お金が用意できたとしても、会員制です。
会員でないと予約すらできません。
そして、誰でも会員になれるわけではなく、
会員になるには、すでに会員である人の
紹介と審査があるのです!
私の周りに、〔手々・LOSS・たいむ〕の
会員なんて当然皆無。
どんなに、捜しても見つかりません。
「仮に、ここで必死に働いて、
お金をいっぱい貯めたとしても、
絶対に私たちは行けないよね。」と、
カノや同僚たちとスーパーの事務室で
話したこともあります。
最近仲良くなった、こしまちゃんと言う
大学生の女の子は、
「一生行けないだろうから、
見るだけでも……。」と、お店の前まで、
わざわざ見に行って来たそうです。
でも、こしまちゃんだけでなく、
そんな若い女性が、いっぱいいると
聞いています。
実際私も、
「一生かかっても行けないだろうから、
今度外からだけでも見に行こうかな……。」
と考えていました、つい最近。
そのセレブ御用達店
〔手々・LOSS・たいむ〕に私が……?
どうしても、しっくり来ないと言うか、
言葉が悪いですが、彼のお母さんの
勘違いのように思えます。
人を騙すような人では絶対にないので、
間違えたんだろう…。
私は、そう思いました。
でも、もし、事実・本当なら、
憧れのお店に行けるのです!
また、それならそれで、早く電話して、
正式に時間も決めないといけません。
私は、失礼を承知で、
彼のお母さんに電話してみました。
あのう、金曜日のお店の名前、
もう一度確認させて
いただきたいのですが……、
と言うと、彼のお母さんは笑いながら
言ってくれました。
「ちゃんと説明し忘れてたわ。
ごめんなさいね。
私から、今、かけようとしてたところ……。
それでね、うちの家族にね、
新宿のその……
〔手々・LOSS・たいむ〕……?
そこの会員がいたのよ。
私じゃないけどね……。
それでね、私が話したら、
うちに嫁に来る人だからってことで、
特別に予約してくれたの。
なんか、そこの店長さんと
仲良しみたいだから……。
だから、真子さん明日、安心して
行っておいでね。
もうちゃんと、全部予約とか
やってくれてるから、彼女が。
……私は行ったことないけれど、
彼女が言うにはスゴイ有名な
お店なんだってね。
あっ、あとね、もう、真子さんも会員に
なれるように、彼女が、そう言う手筈も
整えてくれてるそうだから、
手続きして来てね。」
「ありがとうございます。」と言って、
私は受話器を置きました。
そして、ガッツポーズしました!
夢ではないのです!
本当に、私は、金曜日に
〔手々・LOSS・たいむ〕に
行けるのです。
しかも、会員にも……!
「幸せすぎて怖い。」と
呟いてしまいました。
でも、怖さなんて、ありません!
ただ、喜び踊りたい、って感じです。
〔手々・LOSS・たいむ〕(シュシュロスタイム)です。
男性の皆さんや知らない方に
説明させてください。
最近、雑誌やテレビで、たくさん
取り上げられている女性専用の
超高級会員制エステティックサロン
です。
まず第一に、オールハンド、次に、世界各地
から取り寄せた天然オイル、それから、
イスラエルの死海の泥を使った泥パックが、
ここの特徴であり、売りです!
タレントの竹木原いつきさん、
女の子に大人気のモデルAYANEさん、
そして、若手清純派女優の加納日心さんが、
よく訪れると言うことでも知られています。
まさに、日本の10代、20代の女子の
憧れのお店です!
私の故郷の愛媛県出身で、
今や国民的大女優である〔あいのん〕こと、
愛川のり子さんが、
頻繁に、「自分へのご褒美。」と言うことで
、訪れていると雑誌で紹介されて、さらに
『時のお店』になりました。
これが、1か月位前でしょうか……。
とにかく、私には手が届かない、
一生縁がないお店だと、諦めていたのです。
それほど、一番安いコースでも目が飛び出るほどの額‼
それに、お金が用意できたとしても、会員制です。
会員でないと予約すらできません。
そして、誰でも会員になれるわけではなく、
会員になるには、すでに会員である人の
紹介と審査があるのです!
私の周りに、〔手々・LOSS・たいむ〕の
会員なんて当然皆無。
どんなに、捜しても見つかりません。
「仮に、ここで必死に働いて、
お金をいっぱい貯めたとしても、
絶対に私たちは行けないよね。」と、
カノや同僚たちとスーパーの事務室で
話したこともあります。
最近仲良くなった、こしまちゃんと言う
大学生の女の子は、
「一生行けないだろうから、
見るだけでも……。」と、お店の前まで、
わざわざ見に行って来たそうです。
でも、こしまちゃんだけでなく、
そんな若い女性が、いっぱいいると
聞いています。
実際私も、
「一生かかっても行けないだろうから、
今度外からだけでも見に行こうかな……。」
と考えていました、つい最近。
そのセレブ御用達店
〔手々・LOSS・たいむ〕に私が……?
どうしても、しっくり来ないと言うか、
言葉が悪いですが、彼のお母さんの
勘違いのように思えます。
人を騙すような人では絶対にないので、
間違えたんだろう…。
私は、そう思いました。
でも、もし、事実・本当なら、
憧れのお店に行けるのです!
また、それならそれで、早く電話して、
正式に時間も決めないといけません。
私は、失礼を承知で、
彼のお母さんに電話してみました。
あのう、金曜日のお店の名前、
もう一度確認させて
いただきたいのですが……、
と言うと、彼のお母さんは笑いながら
言ってくれました。
「ちゃんと説明し忘れてたわ。
ごめんなさいね。
私から、今、かけようとしてたところ……。
それでね、うちの家族にね、
新宿のその……
〔手々・LOSS・たいむ〕……?
そこの会員がいたのよ。
私じゃないけどね……。
それでね、私が話したら、
うちに嫁に来る人だからってことで、
特別に予約してくれたの。
なんか、そこの店長さんと
仲良しみたいだから……。
だから、真子さん明日、安心して
行っておいでね。
もうちゃんと、全部予約とか
やってくれてるから、彼女が。
……私は行ったことないけれど、
彼女が言うにはスゴイ有名な
お店なんだってね。
あっ、あとね、もう、真子さんも会員に
なれるように、彼女が、そう言う手筈も
整えてくれてるそうだから、
手続きして来てね。」
「ありがとうございます。」と言って、
私は受話器を置きました。
そして、ガッツポーズしました!
夢ではないのです!
本当に、私は、金曜日に
〔手々・LOSS・たいむ〕に
行けるのです。
しかも、会員にも……!
「幸せすぎて怖い。」と
呟いてしまいました。
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ただ、喜び踊りたい、って感じです。
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